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第一章 アルトルム王国の病
第十二話 二人の黒ずくめ
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チャーの案内に従って、我輩達はいくつかの場所を回ることになった。
最初は、この王都の片隅にひっそりとある、隠れ家的な喫茶店。ここには、時折、捜している二人組が訪れるらしく、我輩、キョロキョロと捜してみたのだが、残念ながら居なかった。
次に訪れたのは、そこから少し離れた場所にあった薬草店。様々な薬草の臭いが強烈であったため、二匹で我慢しながら捜したが、ここも残念ながら違った。
そして、その次に訪れたのは、随分と離れた貴族街と呼ばれる場所。そこは、我輩が最初に居た城の近くに位置し、捜索範囲も広く、かなり苦労すること間違いなしな場所だった。ただ、捜した甲斐はちゃんとあった。
「にゃっ(見つけたのだっ)」
「にゃっ? にゃあぁっ(へっ? ちょっ、師匠ぉおっ)」
視線の先には、二人の黒ずくめ。風に乗って微かに香るその匂いは、最初に会った黒ずくめと似たもの。
二人の黒ずくめは、お互いに何かを話ながら歩いており、我輩達のことには気づいている様子もない。
「にゃあ、にゃあっ(そこの二人、待つのだっ)」
「? 猫?」
「あら、珍しいですね。マウマウはこの辺には居ないのでしょうか?」
呼び掛けると、どうにか気づいてもらえた。声からして、最初の低い声は男性。もう一人のコロコロとした鈴のような声は女性であろう。しかし、振り返ってこちらを見ているというのに、頭にはフードが被せられており、顔が見えない。少し残念なのだ。
「にゃにゃあっ。にゃにゃーっ(そんな場合じゃなかったのだっ。あなた方の仲間の元へ案内させてほしいのだっ)」
鈴のような声のレディに頭を撫でられ、少し気持ちが良いとは思うものの、用件は早く伝えるに限る。
「何か必死そうですね。残念ながら、私には猫の言葉なんて分かりませんわよ?」
「にゃっ!? (なんとっ!?)」
言われてみれば、確かにそうだ。我輩、飼い主とちゃんとした会話ができた覚えはない。極々たまに、会話が通じているような状態にはなるものの、それはただの偶然だ。先程出会った黒ずくめの男が、あまりに自然な会話を行ってくれていたから、忘れていたのだ。
「バルなら猫の言葉が分かるでしょうけど……ディアム、あなた、今すぐに猫の言葉が理解できるようになったりしません?」
「無理」
「そうですわよねぇ」
「今、バル、捜してる。寄り道、不要」
「むっ、分かってますわよ」
ハッ、不味いのだっ。このままでは、折角見つけたのに、二人が行ってしまうのだ。何か、何かしなくてはっ。
「にゃっ。にゃーにゃー(まっ、待ってほしいのだっ。えぇっと、我輩にできることといえば?)」
《 『サポートシステム』起動します。これより、最適方法を選出します。……最適方法、魔法の使用を推奨します。光と風の混合魔法による映像の上映が適切です。サポートは必要ですか?
はい/いいえ 》
な、何か出たのだっ。う、ううむ、よくは分からないが、ここは『はい』にしておくのだっ。
「ごめんなさいね、猫ちゃん。私達は忙しいから」
二人が去ってしまう。そう思った直後に、あのサポートシステムとやらの声が続く。
《これより、光と風の混合魔法、『映写』を行います。対象、一時間二十八分三十七秒前。開始》
その瞬間、我輩、体から少し力が抜けるのを感じた。しかし、二人を追いかけようと踏ん張ったところで、あの二人とは別の声が聞こえた。
『にゃあっ(起きるのだっ)』
こ、これは……我輩の声?
『ん……う?』
そして、どこか聞き覚えのある艶っぽい声も聞こえてくる。
「なっ、これはっ、バルですか?」
「術者……まさか、猫?」
「いやいやっ、そんなわけないでしょっ」
状況がよく分からないながらも、我輩は、あの黒ずくめの二人を見る。すると、その二人は、目の前の、物凄く見覚えのある光景に釘付けとなっていた。
いや、正しくは、目の前の、過去の映像に、であるが……。
グギュルギュルルルルゥ。
と、そこで、あのとき我輩が怯えた地獄の底から響くような腹の音が鳴る。
『腹、減った』
『にゃあ(そ、そうか、今の音は、お腹の音であったか)』
む、むぅ、今聞いても、やはり大きすぎる音だと思うのだ。
「とにかく、情報、集める」
「え、えぇ、そうね」
少し前の光景をもう一度目の前で展開するという不可思議な現象に、我輩、様々な思いを巡らせていたが、どうやらその間に二人の話し合いも終わったらしい。
『……猫?』
『にゃー。にゃ(む、そうなのだ。はじめましてなのだ)』
あぁ、そうだ。確か、この後……。
……じゅるり。
『ふしゃーっ! (わ、我輩は食べても美味しくないのだっ!)』
『あっ、悪い。あまりにも腹が減ってたから』
ふしゃーっ、やはり、怖いのだっ。
『なぁ、ちょっと頼まれてくれないか? 俺の仲間を、ここに連れてきてほしい。……そしたら、食べないから』
「鬼畜ね」
「あぁ」
うむ、その意見には同意なのだっ。
『にゃっ!? (何をっ!?)』
『分かってるくせに。……聞きたいのか?』
『にゃあにゃっ。にゃ。にゃっ(き、聞きたくないのだっ。分かったのだ。貴殿の仲間を捜してくるのだっ)』
『よろしく。多分、俺みたいに黒ずくめの格好だから』
『にゃっ(り、了解したのだっ)』
そして、映像はそこで途切れていた。黒ずくめの二人は、ゆっくりと我輩の方へ振り向く。
「もしかしなくとも、あなたがあの猫ちゃん、ですよね?」
「主が、すまない。案内、頼めるか?」
映像は、我輩の視点でのものであったため、我輩の姿は当然写っていない。せいぜい、チラリと我輩の白い前足が写った程度だ。しかし、我輩は二人の近くにいることで、我輩が頼まれごとをした猫だと分かってもらえたらしい。
「にゃ。にゃあ(もちろんなのだ。着いてきてほしいのだ)」
我輩、何か忘れている気がしたが、二人に対して鳴き声を上げると、クルッと後ろを向き、軽く走り出す。我輩は、我輩に課せられた使命を果たすのだ。
そうして、我輩達は、貴族街から去る。ただ、一匹を残して……。
「にゃあ(師匠、置いていくなんて、酷いです)」
チャーを取り残してしまっていたことに我輩が気づいたのは、黒ずくめが三人揃った後になってのことだった。
「にゃー(師匠ー)」
貴族街には、しばらく、悲しげな猫の声が響いていたそうだ。
最初は、この王都の片隅にひっそりとある、隠れ家的な喫茶店。ここには、時折、捜している二人組が訪れるらしく、我輩、キョロキョロと捜してみたのだが、残念ながら居なかった。
次に訪れたのは、そこから少し離れた場所にあった薬草店。様々な薬草の臭いが強烈であったため、二匹で我慢しながら捜したが、ここも残念ながら違った。
そして、その次に訪れたのは、随分と離れた貴族街と呼ばれる場所。そこは、我輩が最初に居た城の近くに位置し、捜索範囲も広く、かなり苦労すること間違いなしな場所だった。ただ、捜した甲斐はちゃんとあった。
「にゃっ(見つけたのだっ)」
「にゃっ? にゃあぁっ(へっ? ちょっ、師匠ぉおっ)」
視線の先には、二人の黒ずくめ。風に乗って微かに香るその匂いは、最初に会った黒ずくめと似たもの。
二人の黒ずくめは、お互いに何かを話ながら歩いており、我輩達のことには気づいている様子もない。
「にゃあ、にゃあっ(そこの二人、待つのだっ)」
「? 猫?」
「あら、珍しいですね。マウマウはこの辺には居ないのでしょうか?」
呼び掛けると、どうにか気づいてもらえた。声からして、最初の低い声は男性。もう一人のコロコロとした鈴のような声は女性であろう。しかし、振り返ってこちらを見ているというのに、頭にはフードが被せられており、顔が見えない。少し残念なのだ。
「にゃにゃあっ。にゃにゃーっ(そんな場合じゃなかったのだっ。あなた方の仲間の元へ案内させてほしいのだっ)」
鈴のような声のレディに頭を撫でられ、少し気持ちが良いとは思うものの、用件は早く伝えるに限る。
「何か必死そうですね。残念ながら、私には猫の言葉なんて分かりませんわよ?」
「にゃっ!? (なんとっ!?)」
言われてみれば、確かにそうだ。我輩、飼い主とちゃんとした会話ができた覚えはない。極々たまに、会話が通じているような状態にはなるものの、それはただの偶然だ。先程出会った黒ずくめの男が、あまりに自然な会話を行ってくれていたから、忘れていたのだ。
「バルなら猫の言葉が分かるでしょうけど……ディアム、あなた、今すぐに猫の言葉が理解できるようになったりしません?」
「無理」
「そうですわよねぇ」
「今、バル、捜してる。寄り道、不要」
「むっ、分かってますわよ」
ハッ、不味いのだっ。このままでは、折角見つけたのに、二人が行ってしまうのだ。何か、何かしなくてはっ。
「にゃっ。にゃーにゃー(まっ、待ってほしいのだっ。えぇっと、我輩にできることといえば?)」
《 『サポートシステム』起動します。これより、最適方法を選出します。……最適方法、魔法の使用を推奨します。光と風の混合魔法による映像の上映が適切です。サポートは必要ですか?
はい/いいえ 》
な、何か出たのだっ。う、ううむ、よくは分からないが、ここは『はい』にしておくのだっ。
「ごめんなさいね、猫ちゃん。私達は忙しいから」
二人が去ってしまう。そう思った直後に、あのサポートシステムとやらの声が続く。
《これより、光と風の混合魔法、『映写』を行います。対象、一時間二十八分三十七秒前。開始》
その瞬間、我輩、体から少し力が抜けるのを感じた。しかし、二人を追いかけようと踏ん張ったところで、あの二人とは別の声が聞こえた。
『にゃあっ(起きるのだっ)』
こ、これは……我輩の声?
『ん……う?』
そして、どこか聞き覚えのある艶っぽい声も聞こえてくる。
「なっ、これはっ、バルですか?」
「術者……まさか、猫?」
「いやいやっ、そんなわけないでしょっ」
状況がよく分からないながらも、我輩は、あの黒ずくめの二人を見る。すると、その二人は、目の前の、物凄く見覚えのある光景に釘付けとなっていた。
いや、正しくは、目の前の、過去の映像に、であるが……。
グギュルギュルルルルゥ。
と、そこで、あのとき我輩が怯えた地獄の底から響くような腹の音が鳴る。
『腹、減った』
『にゃあ(そ、そうか、今の音は、お腹の音であったか)』
む、むぅ、今聞いても、やはり大きすぎる音だと思うのだ。
「とにかく、情報、集める」
「え、えぇ、そうね」
少し前の光景をもう一度目の前で展開するという不可思議な現象に、我輩、様々な思いを巡らせていたが、どうやらその間に二人の話し合いも終わったらしい。
『……猫?』
『にゃー。にゃ(む、そうなのだ。はじめましてなのだ)』
あぁ、そうだ。確か、この後……。
……じゅるり。
『ふしゃーっ! (わ、我輩は食べても美味しくないのだっ!)』
『あっ、悪い。あまりにも腹が減ってたから』
ふしゃーっ、やはり、怖いのだっ。
『なぁ、ちょっと頼まれてくれないか? 俺の仲間を、ここに連れてきてほしい。……そしたら、食べないから』
「鬼畜ね」
「あぁ」
うむ、その意見には同意なのだっ。
『にゃっ!? (何をっ!?)』
『分かってるくせに。……聞きたいのか?』
『にゃあにゃっ。にゃ。にゃっ(き、聞きたくないのだっ。分かったのだ。貴殿の仲間を捜してくるのだっ)』
『よろしく。多分、俺みたいに黒ずくめの格好だから』
『にゃっ(り、了解したのだっ)』
そして、映像はそこで途切れていた。黒ずくめの二人は、ゆっくりと我輩の方へ振り向く。
「もしかしなくとも、あなたがあの猫ちゃん、ですよね?」
「主が、すまない。案内、頼めるか?」
映像は、我輩の視点でのものであったため、我輩の姿は当然写っていない。せいぜい、チラリと我輩の白い前足が写った程度だ。しかし、我輩は二人の近くにいることで、我輩が頼まれごとをした猫だと分かってもらえたらしい。
「にゃ。にゃあ(もちろんなのだ。着いてきてほしいのだ)」
我輩、何か忘れている気がしたが、二人に対して鳴き声を上げると、クルッと後ろを向き、軽く走り出す。我輩は、我輩に課せられた使命を果たすのだ。
そうして、我輩達は、貴族街から去る。ただ、一匹を残して……。
「にゃあ(師匠、置いていくなんて、酷いです)」
チャーを取り残してしまっていたことに我輩が気づいたのは、黒ずくめが三人揃った後になってのことだった。
「にゃー(師匠ー)」
貴族街には、しばらく、悲しげな猫の声が響いていたそうだ。
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