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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇

第五百五十八話 巨大魚探索(二)

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「ふにゃあっ!? (うわぁっ!?)」


 いきなり目の前の世界が大爆発を起こして、我輩、びっくぅと全身の毛を逆立てて悲鳴を上げる。


「――――――」

「――――――」


 そして、その爆発の後、飼い主と二号が何か会話をしているようだったのだが、生憎、今は耳がバカになっていて全く聞き取れない。
 幸い、爆発に巻き込まれないように飼い主が『結界』を張ってくれていたらしく、我輩は無傷のままではあったが……視界はあまりに悪過ぎて、何がどうなっているのかさっぱりだった。


「にゃ……(怖いのだ……)」


 耳も聞こえない、視界も悪い。そんな状況に泣き言を言った我輩に反応したのか、次の瞬間、目の前を覆う赤いものが一気に収束し、バスケットボールくらいの大きさの玉になって視界の先で浮かんだ。


「……にゃ? (……あれは?)」

「ふむ、タロ、聞こえているか?」

「にゃっ(飼い主っ)」


 赤い玉が何かは分からないが、飼い主の声が聞こえたことで、我輩、一気に不安が解消される。


「とりあえず、視界を覆っていた魚の残骸は、全てあそこに圧縮しておいたのだ」

「随分すっきりしたし、これなら別の転移陣も探せるかな?」


 そう言われて辺りを見渡すと、確かに、今まで以上に視界が広い。先ほどまでも、決して狭い場所だったわけではないのだが、今は、何倍もの広さになって、爛れた肉が丸見えだった。


「にゃ……(おおぅ……)」


 さすがの我輩も、この惨状には絶句するしかない。
 ただ……そこで、一つだけ、物申すべきことがあると気づく。


「にゃあにゃっ(飼い主っ、巨大魚は、ちゃんと食べられるように残しておいてほしいのだっ)」


 我輩、この巨大魚を同胞達に持ち帰るという役目を負っているのだ。爆発させるのは構わないが、それで身がなくなってしまうのは忍びないのだ。


「……そうか、巨大魚はタロの餌か……」

「ケント……タロは凄まじいな」

「うむ……」


 懸命に巨大魚保存を訴えれば、飼い主と二号が遠い目をする。


 うむ? なぜ、そんな目をするのだ?


 我輩、理由が分からずジーッと二人を見上げてみるが、答えてくれる様子はない。と、いうか、我輩から完全に視線を逸らして、何かを探しているようであった。


「うむ、あれだろうか?」

「あれ、だな」


 飼い主と二号がうなずき合って見つめる先。そこには、新たな転移陣が一つ、存在していたのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


お待たせしました。

更新……ですけど、これからは、二日に一回くらいのペースで更新していこうと思います。(プロット、まだ不完全ですので)

それでは、また!
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