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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第五百五十五話 朗報(二)
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「兄上は、お元気でしたか?」
「えぇ、もちろんですわ」
「そう、ですか……良かった。本当に、良かった……」
バル様の無事が嬉しいのか、泣き続けるアーディス様。しかし、このままでは話が進まない。
「それで、アーディス様はどうお考えですか?」
「どう、とは?」
私が話し出したのを期に、涙を懸命に拭ったアーディス様は、質問の意図を探るようにこちらを見つめてくる。
「バル様のことですわ。バル様は、現在、邪神に対抗するために様々な活動をなさっておいでです」
私も、最初にその話を聞いたときは驚いたものだったが、バル様と勇者が互いの手を取り合う事態というのは中々に深刻なのだろう。私は、今まで伝え聞いたことを全て、アーディス様へと話して聞かせる。
「バル様は今、ボスティア海国におられますわ。そして、そこでもやはり、邪神の影が存在致します」
ここまで説明して分からないような愚か者ではないと願いたいが、アーディス様の反応はまだ分からない。
「ですので、アーディス様には二つの選択肢がありますわ。一つは、バル様を連れ戻して、邪神への対策を行うこと。もう一つは、バル様にこのまま調査を続けてもらい、こちらでできることはこちらで処理すること、ですわ」
そう言うと、アーディス様は少し目を閉じた後に、良い顔でこちらを真っ直ぐ見る。
「兄上には、このまま、存分に調査していただこうと思う。今、兄上を連れ戻してしまえば、他国への干渉は難しいものになってしまう。今ならばまだ、ただの魔族、バルディスとして行動できるはずです。それに、兄上には強力な仲間も居るようですし……今、私にできることは、兄上がいつ帰ってきても良いように、国を整えておくことです」
見事、正解を選んだアーディス様を前に、私はニンマリと笑う。
「おーほほほほほっ、それでこそ、バル様の弟君ですわっ! では、伝言があるならば、バル様にお伝えしましょう。そして、魔力が許す限りは、何度でも、バル様の様子をお教え致しますわっ」
「っ、ありがとうございます。ナージャ様」
パッと顔を明るくしたアーディス様に、私は高笑いで応える。そうして、立派に勤めを果たそうとするアーディス様のために、私は少しばかり書類仕事をこなしてから、バル様の元へと戻るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
バルディスの弟、それなりに成長したようです。
さてさて、次回は、またバルディス達の方、かな?
それでは、また!
「えぇ、もちろんですわ」
「そう、ですか……良かった。本当に、良かった……」
バル様の無事が嬉しいのか、泣き続けるアーディス様。しかし、このままでは話が進まない。
「それで、アーディス様はどうお考えですか?」
「どう、とは?」
私が話し出したのを期に、涙を懸命に拭ったアーディス様は、質問の意図を探るようにこちらを見つめてくる。
「バル様のことですわ。バル様は、現在、邪神に対抗するために様々な活動をなさっておいでです」
私も、最初にその話を聞いたときは驚いたものだったが、バル様と勇者が互いの手を取り合う事態というのは中々に深刻なのだろう。私は、今まで伝え聞いたことを全て、アーディス様へと話して聞かせる。
「バル様は今、ボスティア海国におられますわ。そして、そこでもやはり、邪神の影が存在致します」
ここまで説明して分からないような愚か者ではないと願いたいが、アーディス様の反応はまだ分からない。
「ですので、アーディス様には二つの選択肢がありますわ。一つは、バル様を連れ戻して、邪神への対策を行うこと。もう一つは、バル様にこのまま調査を続けてもらい、こちらでできることはこちらで処理すること、ですわ」
そう言うと、アーディス様は少し目を閉じた後に、良い顔でこちらを真っ直ぐ見る。
「兄上には、このまま、存分に調査していただこうと思う。今、兄上を連れ戻してしまえば、他国への干渉は難しいものになってしまう。今ならばまだ、ただの魔族、バルディスとして行動できるはずです。それに、兄上には強力な仲間も居るようですし……今、私にできることは、兄上がいつ帰ってきても良いように、国を整えておくことです」
見事、正解を選んだアーディス様を前に、私はニンマリと笑う。
「おーほほほほほっ、それでこそ、バル様の弟君ですわっ! では、伝言があるならば、バル様にお伝えしましょう。そして、魔力が許す限りは、何度でも、バル様の様子をお教え致しますわっ」
「っ、ありがとうございます。ナージャ様」
パッと顔を明るくしたアーディス様に、私は高笑いで応える。そうして、立派に勤めを果たそうとするアーディス様のために、私は少しばかり書類仕事をこなしてから、バル様の元へと戻るのだった。
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バルディスの弟、それなりに成長したようです。
さてさて、次回は、またバルディス達の方、かな?
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