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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇

第五百二十一話 巨大魚の腹をぶち破れ(四)

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 何やらビー兄さんにとっては、邪神の話は重要なことだったようで、その後もラーミアとしばらくやり取りをした後、ようやく、我輩の方に二人が視線を向けてくれる。


「それではタロ。そろそろここからの脱出を試そうと思いますわ」


 そう言って、ラーミアは二つの魔法を示す。


「タロに使ってもらいたいのは『水化粧』か『水花火』です」


 そう言って、我輩にどちらかを使えるか尋ねてきたラーミアに、我輩、すぐにタマへと聞いてみる。


《タマ、起動します。

答えは、是です。

どちらの水魔法も使用可能です。

しかし、この壁を壊すのに使うのであれば、『水花火』をお勧めします》


 そう言われて、我輩、それをそのままラーミアへと告げる。


「そうですね。確かに、『水花火』の方が威力はありますわね」

「『水花火』、か……『水化粧』じゃなくて、良かった……」


 ラーミアと話していると、なぜか青ざめるビー兄さん。どういうことかを聞こうとすれば、先にラーミアが口を開く。


「『水化粧』は拷問用の魔法ですものね。まぁ、私はもちろん、『水化粧』が得意ですが……」


 『水化粧』の実態は不明なままではあるものの、『拷問用』というだけで、どうにも凄惨な魔法らしいということは分かる。ビー兄さんがブルリと震え上がるのを横目に、我輩、思う。


 ラーミアには、絶対に逆らわないのだ。


 これまでにも幾度かそう思う場面はあったものの、今回もまた、強く決意する。そして……。


「では、タロと私は『水花火』を。他のメンバーは、それぞれ得意な水魔法を使って、ここから脱出しますわよ」


 どこに攻撃を当てるのかなどの詳しい指示があった後、我輩達は、魔力を高め、それを一気に放出する。


「『水花火』」

「『水花火』」

「『水槍』」

「『水弾』」

「『水鉄砲』」

「『水流激』」


 様々な魔法が、一直線にその場所へと集中するそして……ドゴォッという音とともに、そこには大きな穴が空いて、次の瞬間、濃い瘴気がそこから流れ出すのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


やっと、脱出の運びとなっております。

ただ、瘴気が流れ出してきたのはタロ達も想定外、かな?

それでは、また!
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