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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇

第五百十五話 巨大魚との対面

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 水の流れを操ってしまえば、そこに辿り着くのは簡単……だったと思うのだ。
 群生した珊瑚の中に突入した我輩は、珊瑚にぶつかっては、それらを折ることを繰り返した。


 痛くはないが……ちょっと怖いのだ。


 そのため、水の流れを緩やかなものに変えたのは言うまでもない。
 そうして、我輩は今……黒い瘴気を纏った壁にぶち当たっていた。


 ……いや、壁ではなく、魚だということは分かっている。分かっているのだが……大き過ぎて、壁としか思えないのだ。


 そう、それは、あまりにも大きな魚の姿だった。
 恐らくは百メートル近くある全長の魚を前に、我輩、少しばかり遠い目をする。大きなヒレがヒラヒラと動いているところを見るに、この魚は生きているし、なぜだか、瘴気を集める術も持っているらしい。


 こんなに大きな魚……どうすれば、倒せるのであろうか?


 あまりにも大き過ぎて、攻撃が通るのかどうかも怪しい。


 タコの時も、苦戦したのだ。


 タコの場合は、あのぬめりを取ることで何とかなったが、この魚の場合はどうだか分からない。


 とりあえず、攻撃を……うむ?


 小手調べとして、『ガリガリプラス』でも食らわせてみようかと考えていると……魚と、目が合った。


「に、にゃあ(こ、こんにちわなのだ)」


 何となく、不味い気がして、我輩、挨拶をする。すると……魚の口が、大きく開いた。


「にゃっ、にゃあぁぁあっ(うわっ、うわぁぁぁぁあっ)」


 開いた衝撃によって、我輩、そこで生まれた水の流れに呑み込まれ、魚の口の中へと誘導されてしまう。


「にゃあっ(水の流れを支配しなければっ)」


 とっさにそれが分かったのは、我輩にしては良くやったといったところだろう。しかし……。


「にゃあぁぁあっ(どっちなのだぁぁあっ)」


 クルクルと回りながら呑み込まれている我輩に、方向感覚はない。どっちに流されているのかなんて、全くもって不明だ。一か八かで、我輩、ある一つの方向に水流を向けたのだが……。


 バクンッ。


 その直後、我輩の視界は、真っ暗になってしまうのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ラーミアに続いて、タロまでも食べられてしまいました。

さぁ、どうなる、タロ?

それでは、また!
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