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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第四百五十三話 使命っ
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ラーミア達と食料調達をして、情報収集もして、宿屋に戻ってきた我輩は、バルディスもちょうど戻ってきたことを知り、とりあえず駆け寄る。しかし……。
「タロ、魚は食べられないかもしれないぞ」
「にゃっ!? (にゃんとっ!?)」
いきなり告げられたその言葉に、我輩、耳を疑う。
この国は美味しい魚が食べられる場所だと聞いて、我輩、とっても、とっても、とーっても楽しみにしていたのだ。それが……食べられ、ない?
「にゃにゃあっ(ど、どういうことなのだっ、バルディスっ)」
そう尋ねれば、同胞達の異変の原因とともに、魚が獲れなくなった背景を推測で教えてくれる。
「にゃ、にゃ、にゃ……(な、な、な……)」
ボスティア海国とやらが、魚が獲れないように邪魔している可能性。それに、我輩、絶句する。
「そんなわけで、魚は諦めた方が良いだろうな」
「……にゃ……(……ないのだ……)」
「ん?」
「ふにゃーっ! ふしゃーっ(許せないのだっ! 美味しい魚を奪うなど、鬼畜の所業なのだっ)」
諦める? そんなことするわけないのだ。我輩、紳士として、猫として、魚を奪われた同胞達の気持ちが痛いほど良く分かる。
「にゃっ、にゃあっ(バルディスっ、必ずボスティア海国の妨害を解除するのだっ)」
「いや、お、おぅ?」
「バル、タロは何と?」
「……ものすごく、やる気満々みたいだ」
許すまじ、ボスティア海国。我輩の、同胞の魚を奪うなど、やって良いことと悪いことがあることも分からないのであろうかっ。我輩、魚も大好きなのだ。絶対、絶対、ボスティア海国が行っているという妨害を何とかしてみせるのだっ。
「まだ、確定したわけじゃないんだけどな……」
バルディスが何か言ってはいるが、我輩、そんなことは聞いていなかった。後から合流したロギーとマギウスも、我輩の燃えたぎる心を察知したのか、何があったのかバルディスに聞いていたが、それもどうでも良い。
「にゃっ、にゃあっ! (必ずっ、同胞達を助けてみせるのだっ!)」
この世界に来てから、最も使命感に駆られた瞬間であった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロの行動原理……食欲と同胞、どっちが優先何だろうか……。
とりあえず、次回からは一気にルビーナの中心部へと向かいます。
それでは、また!
「タロ、魚は食べられないかもしれないぞ」
「にゃっ!? (にゃんとっ!?)」
いきなり告げられたその言葉に、我輩、耳を疑う。
この国は美味しい魚が食べられる場所だと聞いて、我輩、とっても、とっても、とーっても楽しみにしていたのだ。それが……食べられ、ない?
「にゃにゃあっ(ど、どういうことなのだっ、バルディスっ)」
そう尋ねれば、同胞達の異変の原因とともに、魚が獲れなくなった背景を推測で教えてくれる。
「にゃ、にゃ、にゃ……(な、な、な……)」
ボスティア海国とやらが、魚が獲れないように邪魔している可能性。それに、我輩、絶句する。
「そんなわけで、魚は諦めた方が良いだろうな」
「……にゃ……(……ないのだ……)」
「ん?」
「ふにゃーっ! ふしゃーっ(許せないのだっ! 美味しい魚を奪うなど、鬼畜の所業なのだっ)」
諦める? そんなことするわけないのだ。我輩、紳士として、猫として、魚を奪われた同胞達の気持ちが痛いほど良く分かる。
「にゃっ、にゃあっ(バルディスっ、必ずボスティア海国の妨害を解除するのだっ)」
「いや、お、おぅ?」
「バル、タロは何と?」
「……ものすごく、やる気満々みたいだ」
許すまじ、ボスティア海国。我輩の、同胞の魚を奪うなど、やって良いことと悪いことがあることも分からないのであろうかっ。我輩、魚も大好きなのだ。絶対、絶対、ボスティア海国が行っているという妨害を何とかしてみせるのだっ。
「まだ、確定したわけじゃないんだけどな……」
バルディスが何か言ってはいるが、我輩、そんなことは聞いていなかった。後から合流したロギーとマギウスも、我輩の燃えたぎる心を察知したのか、何があったのかバルディスに聞いていたが、それもどうでも良い。
「にゃっ、にゃあっ! (必ずっ、同胞達を助けてみせるのだっ!)」
この世界に来てから、最も使命感に駆られた瞬間であった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
タロの行動原理……食欲と同胞、どっちが優先何だろうか……。
とりあえず、次回からは一気にルビーナの中心部へと向かいます。
それでは、また!
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