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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第四百二十三話 転移、転移、転移
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奴隷にされかけていた人間や獣人は案外多く、我輩、指示をされるままに『転移』を使い続けることとなった。それはアグニと、途中から参加した飼い主も同じで、どんどん帰る場所がある者にはその場所のできるだけ近くへ、帰る場所がない者には、飼い主が何かを書いて渡して、騎士舎へと送っていた。王妃達ももちろん、とっくに城へと送っている。
「にゃご? (これで最後なのであろうか?)」
「これで最後かと聞いてるみたいだが、どうなんだ?」
「えっと、あっちの馬車にも居るから、ここが終わったらそちらもお願いしたいんだけど……一応、アグニに見てもらった方が良いかも」
マギウスがアグニをチラリと見ながら答える。
うむ? 何かあるのであろうか?
そう思ったのは我輩だけではなかったようで、最後の一人を送ると、バルディスが真剣な表情で何があったのかを尋ねていた。
「いや、その……どうも、あちらにまとめられてるのは、ラダ族みたいで……」
「何?」
「にゃごっ(にゃんとっ)」
「っ、連れ去られた奴らかっ! そうか、無事だったか!」
アグニは何かを知っているらしく、そう叫ぶ。
「どういうことだ?」
「あぁ、ミルテナ帝国から襲撃を受けた時に、女子供が連れ去られたらしいんだ。それで、俺もそいつらを捜してはいたんだがなぁ……見つかって良かった」
「そういえば、あそこには成人したラダ族しか居なかったか……それに、全員が女性らしい姿だったから分からなかったが、もしかして、あれは全部男だったのか?」
「ん? あぁ、そうだぞ」
「……そうか」
何かを納得して遠い目をするバルディスを不思議に思いながら、我輩、飼い主の後についていき……なぜか、先代魔王の前に居た。
「タロ。この者のことなのだが、どうにも情報が見られないようなのだ。私に似ているのも気になるが、タロとともにであれば情報が見られるはずなのだ」
「にゃーご? (ラダ族の方は行かなくても良かったのであろうか?)」
「うむ、そちらは、アグニに任せれば良いのだ。どうせ、彼らもそのつもりであろう」
そう言われて振り向いてみると、バルディスとアグニは、ラダ族が居るらしい荷馬車に案内されている途中であるらしく、我輩達のことを気にかける様子はない。
「にゃごっ。にゃあご(分かったのだっ。一緒に『探索能力』を使うのだ)」
「うむ、頼むのだ。タロ」
そうして我輩達は、見張っているディアムに見守られながら、『探索能力』を行使するのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いよいよ先代魔王の正体が明らかに!?
次回は、ちょっとばかし衝撃の事実判明となるかもです。
それでは、また!
「にゃご? (これで最後なのであろうか?)」
「これで最後かと聞いてるみたいだが、どうなんだ?」
「えっと、あっちの馬車にも居るから、ここが終わったらそちらもお願いしたいんだけど……一応、アグニに見てもらった方が良いかも」
マギウスがアグニをチラリと見ながら答える。
うむ? 何かあるのであろうか?
そう思ったのは我輩だけではなかったようで、最後の一人を送ると、バルディスが真剣な表情で何があったのかを尋ねていた。
「いや、その……どうも、あちらにまとめられてるのは、ラダ族みたいで……」
「何?」
「にゃごっ(にゃんとっ)」
「っ、連れ去られた奴らかっ! そうか、無事だったか!」
アグニは何かを知っているらしく、そう叫ぶ。
「どういうことだ?」
「あぁ、ミルテナ帝国から襲撃を受けた時に、女子供が連れ去られたらしいんだ。それで、俺もそいつらを捜してはいたんだがなぁ……見つかって良かった」
「そういえば、あそこには成人したラダ族しか居なかったか……それに、全員が女性らしい姿だったから分からなかったが、もしかして、あれは全部男だったのか?」
「ん? あぁ、そうだぞ」
「……そうか」
何かを納得して遠い目をするバルディスを不思議に思いながら、我輩、飼い主の後についていき……なぜか、先代魔王の前に居た。
「タロ。この者のことなのだが、どうにも情報が見られないようなのだ。私に似ているのも気になるが、タロとともにであれば情報が見られるはずなのだ」
「にゃーご? (ラダ族の方は行かなくても良かったのであろうか?)」
「うむ、そちらは、アグニに任せれば良いのだ。どうせ、彼らもそのつもりであろう」
そう言われて振り向いてみると、バルディスとアグニは、ラダ族が居るらしい荷馬車に案内されている途中であるらしく、我輩達のことを気にかける様子はない。
「にゃごっ。にゃあご(分かったのだっ。一緒に『探索能力』を使うのだ)」
「うむ、頼むのだ。タロ」
そうして我輩達は、見張っているディアムに見守られながら、『探索能力』を行使するのだった。
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次回は、ちょっとばかし衝撃の事実判明となるかもです。
それでは、また!
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