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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第四百十六話 闇の中で

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 マギウスとロギーを回収した俺達は、早速、リャンクーに教えてもらった場所へと『闇化』を使って向かう。さすがに人数が多いため、ディアムは大変そうだったが、それでもどうにかやってくれる。


「あの辺りか?」


 どこか薄暗いその場所には、荷馬車が何台も止まっており、人の声も聞こえてくる。その様子は、フルルが捕まっていた場所に酷似していた。


「奴隷市はあれだけではなかった、と見た方が良いでしょうか?」

「それだけじゃない、あれ、国外に出るつもり」

「あぁ、確かに重装備かもね」

「うぬ」


 フルルの居た荷馬車と違うところがあるとすれば、それは、荷の多さだろう。人の気配が多い荷馬車と、そうではない荷馬車とがあり、どちらもかなりの積載量らしく、荷馬車の幌が少し盛り上がっていた。


「さすがに、王妃達が居るかどうかまでは分からないか……」


 フルルの時は、人がある程度出払っていたために、確認もできたのだが、今回はやたらと人が多い。いくら『闇化』を使っているとはいえ、これだけ人が多ければ、誰か一人くらいには気づかれるかもしれない。


「俺、先、調べた方が、良かった?」

「そう、かもしれないな。すまない。判断ミスだ」


 先にディアムに調べさせておけば、王妃達の存在もすぐに分かったかもしれないし、ディアムに負担をかけることもなかった。そうは思うのだが、どうにも胸騒ぎがする。ここは、全員で向かうべきだと、俺の中の勘が訴えかける。


「大丈夫、俺、問題ない」


 そんな俺の心を知ってか知らずか、ディアムはそう応える。


「俺、一人、潜入、する。バル達、ここで、待つ」

「分かった」


 そんなディアムの提案を受け入れて、俺達はその場で待機することにする。このくらいの距離ならば、多少離れても『闇化』を使い続けることは可能だ。

 しかし、ディアムを見送ろうとしたその時、状況は一変する。


「いやぁ、それにしても、楽に商品が入って来たよなぁ」

「魔族は魔族でも、仮面の魔族様様だなっ」


 一台の荷馬車から出てきた男達の会話。そして何より、彼らの後ろを歩く、仮面を被った魔族の姿に、俺達は全員戦慄する。そして……。


「オォォ……」


 当然のごとく、奴は俺達が隠れている場所に目を向けて。


「オォォォォォオッ!」

「うおっ」

「何だっ!?」


 突然声を上げたかと思えば、俺達に向かって駆け出した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


仮面の魔族、再びですね。

バルディスの勘は間違っていなかったということで。

それでは、また!
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