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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第三百七十七話 本物?

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「僕は……多分、そこの、彼に襲撃を受けた」


 フルルを見ながら、どこか怯えたように小さく言うミアト。


「なっ」

「なんですって!」


 バルトとフィリアルが驚く中、最も驚いたのはフルル自身だ。


「僕……?」

「ふむ、だがそれはあり得ないことなのだ。フルルは、私達とともにずっと一緒に居たのだ」


 ショックを受けるフルルの前に出て、飼い主がそう言うと、ミアトはじっと飼い主の向こうに居るフルルを見つめ……ハッと何かに気づいたかのように耳を立てる。

 何事だろうかと見守っていると、ミアトはおもむろに匂いを嗅ぎ出した。


「こ、れは……フルル? 本物?」

「えっ? えっと……?」


 何を問われているのかいまいち分からない様子のフルルに、ミアトはズンズン近づいていく。それを見て、王族達はハラハラとしている様子ではあったが、フルルが飼い主の連れてきた人物であるということと、飼い主が動かないことから静観の構えになる。


「本物っ! フルルっ、フルルっ!」

「ふぎゅっ」


 とうとうフルルの目の前に来たミアトは、何かを確信したらしく、そのままフルルをギュウギュウ抱き締める。


「ふむ……とりあえず、ルーデルとミアト殿下、後は、俺達以外のメンバーは人払いしてもらえないだろうか?」

「う、む。分かった」


 未だに事態が把握できていないものの、一つだけ、確信はあった。

 ミアトは、フルルを覚えている。

 涙を流してフルルに頬擦りするミアトと、その様子に困惑しかできていないフルル。ルーデル以外の王族の者達は、記憶が書き換えられているせいで、ミアトがなぜ、フルルを前にこんな行動に出ているのか理解できていない。

 ひとまず隣の部屋へと移った他の王族達を見送って、ようやく、話ができる状態が整う。


「ミアト殿下は、フルル殿下のことを覚えているということで間違いないのだな?」

「っ、はいっ」

「っ、ほ、んとに? ミアト、兄様……?」

「本当だよ。フルル。良かった。無事で、本当に、良かった……」


 ギュウッと抱き締めて、再会を喜ぶミアトに、フルルは感動からか、涙目だ。


「なんと……余は忘れていたのに、ミアトは覚えていたのか」

「っ!? 父上っ、思い出したのですかっ!?」

「うむ、勇者殿のお力によって、思い出すことができた。今日は、本来ならば王妃や息子達の記憶も戻す予定ではあったが……時間がなくなったようだ」

「それは、記憶を戻す手段があるということ、ですか?」

「それも含めて、これまでのことを話そう。ミアト殿下だけが覚えていたのも気になるしな」


 そうして、我輩達はそれぞれ席に着き、話し合いを始めるのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


プロットが……詰まりました。

毎度のことながら、プロットをある程度書くまで更新を停止します。

多分、三日後くらいには更新再開しますので、少々お待ちください。

何となくの展開は頭にあるので、どうにかなるはず!

それでは、また!
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