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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第三百三十九話 ひとまず休憩

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 覚えているのは、シロと会話をして、球体に魔力を注ぎ込んだところまでだった。どうやら、そこから二日は経っているとのことで、驚いたし、心配をかけたことが申し訳なかった。


「迷惑をかけて、すまなかったのだ」

「いや、無事だったんだから、それで十分だ」

「謝るなら、タロにですよ」

「タロ、心配、してた」

「珍しく食事中も上の空だったしね」


 ひとまず、何が起こるか分からない封印の地を脱出した私達は、今、竜の森で一休みしている。私を助けるために、バルディス達は魔力をほとんど使い果たしたそうだ。


「タロ、目が覚めたら目一杯甘やかしてやるからな」


 私の膝の上でずっしりとした重みを伝えてくるタロは、今は疲れ果てて深い眠りの中だ。タロは、一休みもすることなく、必死にここまで駆けてきたらしい。そこまで思われていることに、私は久しく感じていなかった胸の暖かさに、笑みを浮かべる。


「そういえば、ケントを助けることを優先させましたが、封印はどうなったのでしょうか?」

「確かに、場合によっては、俺達で新たな封印を構築すべきかもしれないな」

「……それ、休憩の後、希望」

「僕、魔力を送るだけなら役に立てるかもっ」


 そう言われて、俺は当初、破られたらしい封印を元に戻すために奮闘していたことを思い出す。


「シロ、ここに居る全員に声を認識させることはできるか?」

《はいはーい、できますよー》

「「「「!?!!?」」」」


 一人でブツブツ言うつもりがなかった私は、最初にそんな要求をして、シロの声をバルディス達にも聞けるようにしてしまう。


「この声は?」


 代表としてバルディスが尋ねてきたため、俺は『サポートシステム』という存在のことを説明する。と、いうか……。


「タロにも『サポートシステム』はついているのだがな?」

「……そういえば、たまに『サポートシステム』がどうたらと言っていたな」

「そうだったんですか?」

「あぁ、俺は何のことか分からなかったから、そのまま放置していたんだがな」


 そうして、『サポートシステム』のシロに、私は改めて尋ねる。


「シロ、封印はどうなったのか分かるか?」

《はーい。封印はですねー。犬斗様とタロ様、バルディスさん達の魔力を吸って、後千年くらいは維持できる状態になってますよー?》

「……ケントは分かるが、俺達の魔力もか?」

《あの結界とかー、木の化け物とかはー、魔力吸収機関だったみたいでーす。攻撃するたびに、どんどん魔力を吸収していったみたいですよー》


 そうして詳しく話を聞けば、私が解放されたのは、千年もの間、封印を維持できると判断されたためだったらしい。判断主は、封印に残った残留思念だそうだが、『そんなのには会っていない』と言うと、タロ以外は見えないだろうし、そのタロも私のことで必死になっていて気づいていないとの解答だった。つまり、その残留思念とやらはいわゆる幽霊だったのだろう。


「なら、一つ懸念が解消されたということだな」

「そうですね。後は、邪神教徒の殲滅ですね」


 そう話ながら、私達は互いの情報交換を行うのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


飼い主が無事で、封印も元に戻りましたっ!

後は、竜の森で問題を起こした邪神教徒を見つけるのみですね。

ここで、ディアムとマギウスが捕まえた連中が役に立つ、はず?

それでは、また!
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