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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第三百三十六話 飼い主を救うために(二)

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 いつもの倍くらいのスピードで食事を平らげた我輩は、すぐさま、バルディス達にここからどのくらいで飼い主のところに行けるのかを尋ねる。


「馬で駆けているとはいえ、恐らく最短で三日、か?」

「にゃあっ(そんなっ)」


 そんなに待てない。飼い主は、きっと今も魔力を吸われ続けているのだ。そんな長い時間、無事でいられるとは思えない。


《タマ起動します。

タロ様、無属性魔法『変化へんげ』で巨大化し、彼らを運ぶのはいかがでしょうか?》

「にゃあっ! (それなのだっ!)」

「うおっ、どうした、タロ?」


 タマの提案に、我輩、すぐに飛び付く。我輩だけなら、飼い主の元まで一日もかからずに向かえるのだ。だから、バルディス達は我輩が連れていけば良い。驚いているバルディスを横目に、我輩、早速タマの提案を試してみる。


「にゃっ(『変化』なのだっ)」

《これより、無属性魔法による変化を行います。サポートは必要ですか?

はい/いいえ 》

「にゃ(『はい』なのだ)」


 タマとそんなやり取りをした直後、我輩は、全身に異変を感じる。そして、我輩の体が光輝いたかと思えば……。


「にゃーご(成功、なのか?)」


 我輩の視線は高くなり、バルディス達が小さく見える。


「タ、ロ……」

「ちょっと、バル? タロに何を言ったのですかっ!」

「白い、巨大、モフ」

「……巨大化した……もう、これは猫と言えないんじゃないか?」


 呆然とするバルディスに詰め寄るラーミア。なぜか、目をキラキラと輝かせるディアムに、頬を引きつらせるマギウス。反応は様々ではあったものの、巨大化したのは間違いないだろう。


「にゃーごにゃご? (バルディス、これで全員、我輩に乗ることはできるだろうか?)」

「……はっ? 乗る!? タロにかっ!?」

「にゃご(我輩、三日も待てないのだ)」

「……ちょっと待ってくれ。内容は分かったから、通訳する」


 そうして、しばらくラーミアやディアム、マギウス達に、我輩が巨大化して、全員を連れていくつもりであるという説明をした後、それぞれに了承を得ることができた。道案内役は、バルディスとラーミアがやってくれるらしい。


「にゃご(乗るのだ)」


 飼い主を早く助けたい我輩は、体を伏せて、バルディス達を乗せる。馬に関しては、もう置いていくのだそうだ。そうして、ゆっくりと起き上がった我輩は、バルディスの示す道を走り出したのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


一度は書いてみたかった巨大化!

巨大モフモフですっ。

本当に居たら、モフってみたい……。

次回は、多分バルディス視点かなぁと思っております。

作戦会議になりそうです。

それでは、また!
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