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第四章 騒乱のカレッタ小王国
第三百五話 強敵
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いつの間にか、狭かった通路は大きく広がり、ドラゴンを収容してもなお余りある空間へと変化している。そして、そのドラゴンは、全長五十メートルを超えたドラゴンであった。
暗黒色の厳つい顔立ちに、真っ赤な瞳を光らせ、四つの太い足で、しっかりと地面を踏みしめている。
「ふむ、見覚えのあるドラゴンだが……何だったか?」
「にゃっ(多分、アニメに出てきたのだっ)」
ドラゴンを前にして、呑気にそんな会話をする我輩達であったが、タマとシロは、大パニックを起こしていた。
《危険っ、危険ですっ。即刻退避することを奨めますっ》
《わーっ、不味いですよーっ。逃げてくださーいっ!》
「むっ、思い出したのだ。確かに、アニメで見たのだったな。ドラゴンの中のドラゴンとして描かれた暗黒竜か」
「にゃあ。にゃ(それなのだ。我輩、サナフでこれの幻影を映し出したのだ)」
そう、我輩がサナフ教国のクーデターの際に映し出した幻影と、目の前のドラゴンはそっくりだった。
「グオォォォォンッ!!!」
そんな話をしていると、ドラゴンは早速とばかりに襲いかかってくる。
「タロっ!」
「にゃっ(回避なのだっ)」
強力な黒いブレスを吐いてきたドラゴンに、我輩、咄嗟に回避を選ぶ。飼い主とは真逆の方向に飛び退いた我輩は、そのまま、ドラゴンへと駆ける。
《戦うのですか!?》
「にゃあっ(当たり前なのだっ)」
タマの言葉に返しながら、我輩、ドラゴンの足元を駆け抜ける。そして……。
「にゃおーんっ! (猫流奥義、ガリガリプラスっ!)」
その巨大な足に向けて、我輩、魔力の爪を食い込ませようとした……が……。
バキィィイッ。
「にゃっ!? (にゃんとっ!?)」
魔力の爪は、全く歯が立たず、黒い鱗に弾かれてしまう。
「はぁっ!」
予想外の出来事に、一瞬固まっていると、その間に飼い主の方も光の魔力で構成した剣をその足へ振り下ろす。しかし……。
キィィインッ。
やはり、刃は通らず、光の剣の方が折れてしまう。そして、ドラゴンは、おもむろにその足を上に上げて、飼い主の方をとんでもない勢いで押し潰そうとする。
「くっ」
ギリギリのところで、飼い主はその足を回避し、すぐに体勢を整える。
「ふ、ふははははっ、これは、強敵だな、タロっ」
「にゃあぁぁあっ(ふははははっ、我輩も、血がたぎるのだっ)」
奥義も剣も、通用しない。そんな強敵にまみえて、我輩も飼い主も気分が高揚するのが分かる。
《タロ様ってー、戦闘狂ー?》
《……そういう、あなたの主である犬斗様も……》
《とりあえずー、逃げてはくれなさそうですねー》
《……今は、全力でサポートさせていただきますっ》
《そうするしかなさそうですねー》
タマとシロもやる気になったようで、我輩達は、とにかくドラゴン退治のために気力をたぎらせるのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回、この作品で初めてになる強敵です。
戦闘シーン、頑張って書きますねっ。
それでは、また!
暗黒色の厳つい顔立ちに、真っ赤な瞳を光らせ、四つの太い足で、しっかりと地面を踏みしめている。
「ふむ、見覚えのあるドラゴンだが……何だったか?」
「にゃっ(多分、アニメに出てきたのだっ)」
ドラゴンを前にして、呑気にそんな会話をする我輩達であったが、タマとシロは、大パニックを起こしていた。
《危険っ、危険ですっ。即刻退避することを奨めますっ》
《わーっ、不味いですよーっ。逃げてくださーいっ!》
「むっ、思い出したのだ。確かに、アニメで見たのだったな。ドラゴンの中のドラゴンとして描かれた暗黒竜か」
「にゃあ。にゃ(それなのだ。我輩、サナフでこれの幻影を映し出したのだ)」
そう、我輩がサナフ教国のクーデターの際に映し出した幻影と、目の前のドラゴンはそっくりだった。
「グオォォォォンッ!!!」
そんな話をしていると、ドラゴンは早速とばかりに襲いかかってくる。
「タロっ!」
「にゃっ(回避なのだっ)」
強力な黒いブレスを吐いてきたドラゴンに、我輩、咄嗟に回避を選ぶ。飼い主とは真逆の方向に飛び退いた我輩は、そのまま、ドラゴンへと駆ける。
《戦うのですか!?》
「にゃあっ(当たり前なのだっ)」
タマの言葉に返しながら、我輩、ドラゴンの足元を駆け抜ける。そして……。
「にゃおーんっ! (猫流奥義、ガリガリプラスっ!)」
その巨大な足に向けて、我輩、魔力の爪を食い込ませようとした……が……。
バキィィイッ。
「にゃっ!? (にゃんとっ!?)」
魔力の爪は、全く歯が立たず、黒い鱗に弾かれてしまう。
「はぁっ!」
予想外の出来事に、一瞬固まっていると、その間に飼い主の方も光の魔力で構成した剣をその足へ振り下ろす。しかし……。
キィィインッ。
やはり、刃は通らず、光の剣の方が折れてしまう。そして、ドラゴンは、おもむろにその足を上に上げて、飼い主の方をとんでもない勢いで押し潰そうとする。
「くっ」
ギリギリのところで、飼い主はその足を回避し、すぐに体勢を整える。
「ふ、ふははははっ、これは、強敵だな、タロっ」
「にゃあぁぁあっ(ふははははっ、我輩も、血がたぎるのだっ)」
奥義も剣も、通用しない。そんな強敵にまみえて、我輩も飼い主も気分が高揚するのが分かる。
《タロ様ってー、戦闘狂ー?》
《……そういう、あなたの主である犬斗様も……》
《とりあえずー、逃げてはくれなさそうですねー》
《……今は、全力でサポートさせていただきますっ》
《そうするしかなさそうですねー》
タマとシロもやる気になったようで、我輩達は、とにかくドラゴン退治のために気力をたぎらせるのだった。
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今回、この作品で初めてになる強敵です。
戦闘シーン、頑張って書きますねっ。
それでは、また!
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