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第三章 セイクリア教国の歪み

第二百五十三話 再来した者(二)

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 ズドンっという音とともに、砂が一気に舞い上がる。そして、その音の元である我輩はというと…………砂に埋まっていたのだ。


 くっ、『悪食』なのだっ!


 周囲の砂を取り除くべく、我輩、『悪食』の能力を用いて砂を食べ、這い上がる。


「にゃ(怖かったのだ)」


 そうして少し涙目になってフラフラと立ち上がれば、ラーミアとディアムがあの元魔王らしき者と戦っているのが見えた。


「くっ『濁流撃だくりゅうげき』」


 ラーミアは元魔王の足元を狙って濁流を流し込むものの、元魔王の動きは速く、それをすんなりかわしてしまう。そして……。


「っ、ラーミアっ! 『縛』っ」

「っ!?」


 一気にラーミアへと肉薄した元魔王が戦斧を振り下ろそうとしたのを見て、ディアムが慌てて元魔王の足を影で引っかけようとする。


「アァアッ」


 どうにか元魔王が体勢を崩してくれたおかげで、ラーミアは事なきを得て、すぐさま距離を取る。


 っ、ボーッとしてられないのだっ。我輩も、加勢せねばっ!


 そう思って、先程の失敗を踏まえて我輩、『探索能力』を使用してみる。もしかしたら、弱点が分かるかもしれないし、あの正気を失ったようになっている原因が分かるかもしれない。そう、思ったのだが……。


『エラー発生。エラー発生。現在、この対象に『探索能力』は使用できません。使用するためには、二つの加護が必要となります』

「にゃっ!? (にゃんとっ!?)」


 なぜか、我輩の能力が通用しなかった。こんなことは、初めてだ。
 改めて、目の前の存在の危険性を感じ取った我輩は、すぐさま駆ける。ラーミアとディアムは、このままでは長くはもたない。我輩が何としても元魔王を引き付ける必要があった。


「にゃおーんっ! (猫流奥義、ガリガリ連舞っ!)」


 ラーミアとディアムに集中していた元魔王は、我輩の声にすぐさまグルリとこちらを向く。そして、その仮面に張り付き、我輩は深く爪を立て、何度も引っ掻く。


「オォォオッ!」


 雄叫びを上げて我輩を振り払おうとする気配を感じ、我輩、すぐさま飛び退く。そして、我輩の爪による成果はすぐに出た。

 バキバキっという音とともに、白い仮面が完全に崩れ去っていく。


「あぁっ、やはりっ!」


 その光景を見ていた簀巻きにされたマギウスから、そんな声が上がったが、我輩、目の前の光景が信じられず、呆然としてしまう。


「あれが、元魔王ですか……」

「……? 見覚え、ある、気がする」


 ラーミアやディアムの声も、今はどこか遠くに聞こえる。なぜなら、その姿は……。


「にゃあ……(飼い主……)」


 操られているという紋様はあるものの、どこからどう見ても、成長した飼い主のようにしか見えなかったのだから……。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


うん?

なぜこんな流れになった?

プロットは…………やっぱり、こんな予定はなかったっ!

そう思いながら、思いつきの方を優先させてしまった今日この頃……。

すみません、ちょっとプロットの整理をしてきます。

一日だけ、お休みしてから再開しますので、少々お待ちください。

それでは、また二日後に!
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