悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌

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第三章 少女期 女神編

第四百九話 戦いの終わり(鋼視点)

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 大切な友でもあったアメリア。彼女の姿に、戸惑うぼくは、そのアメリアの背後を見て、さらに驚く。


「え? アリアナ様? それに、他の神々!?」


 そこに居たのは、ぼくが助けた神々とは比べ物にならないくらい、戦闘能力に長けた神々。そして、この神界の古株とも呼べる存在達だった。


「援軍です。これで、一気に畳み掛けましょうか」


 そう、アメリアが告げた直後、レインボードラゴン達への攻撃が止む。しかし、その頃には、さすがのぼくも状況を理解できていた。


「あの攻撃、全部……」


 援軍の中には、防御に特化した神も居たらしい。レインボードラゴン達は、その神によって、強固な結界で守られていた。そして、ぼく達を囲んだ邪神の外には、ぼく達の援軍が駆けつけており、形勢は完全に逆転している。


「どうやって、ここに……?」

「ユミリア様から、ミルラスが預かっていたものによって、私はこちらへと戻ってきたんです。そうして、ユミリア様と連絡を取りながら、アリアナ様を救出し、その後、彼らを取りまとめてもらい、次元に穴を開けてここまでやってきました」

「……ミルラス??」


 なぜ、ミルラスの名前が出てくるのか。そして、簡単に言ってはいるが、絶対に簡単ではないと考えていたぼくは、とりあえず、前者を問いかけていた。


「えぇ、私は、魔王でしたので」

「……え?」

「では、参りましょう。サクッと倒して、ユミリア様の元へ戻らねば」

「えっ? あ、うん。……うん?」


 今、聞き捨てならないことを聞いた気がするのだが、アメリアはさっさと姿を消して、敵をそっと暗殺し始めていた。
 確かに、アメリアの存在があの世界にあることは分かっていた。ただ、あれだけ近くに居たにもかかわらず、ぼくは、魔王がアメリアだとは思っていなかった。
 しかし、その疑問をぶつける暇はないらしい。最後の悪あがきとばかりに暴れる邪神達を前に、ぼんやりしているわけにはいかない。


「ま、いっか!」


 重要なのは、アメリアが来てくれて、今を打開できそうだということのみ。それ以外は、後でセイとかに任せてしまえば良いのだ。
 レインボードラゴン達が避難していく様子を確認して、それを攻撃しようとする邪神の団体を見つけたぼくは、とりあえず、雄叫びをあげてそこへ突っ込む。戦いの中で、無双しているリリアナ様とか、着実に影へと沈めていくネシスとか、戦闘が得意でない神々を避難させているアリアナ様だとかを目撃しながら、時間経過のおかげで邪神を見分けられるようになったぼく達は、どんどん、邪神を討伐していった。ただ、途中で邪神に転身した神々は、気絶させると元に戻ることが判明したため、軒並み気絶させていくことにしている。……多少、愛の神とか、芸術の神辺りを痛めつけてしまったことに関しては、ぼくは悪くないはずだ。

 そうして、ぼく達の戦いは終わりを迎えた。
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