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第三章 少女期 女神編
第三百九十話 とりあえずの安心
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目の前に居る創世神様は、しばらく私とイルト様を交互に見つめ、一つうなずく。
「うむうむ、ユレイラもイリアスも、戻ったのじゃな。じゃが、このままでは、イリアスは目覚めんじゃろうなぁ」
「っ、どういうことですか?」
そう問いかけるも、創世神様は別の場所へと視線を向ける。
「うむうむ、マリフィーは、セルティスが居れば問題なさそうじゃの」
マリフィーの姿を見て、マリフィーへ魔法を飛ばしているセイを見て、創世神様はそう言う。
「創世神様っ、それよりもっ、イルト様はっ」
「うむうむ、そして、ルクレチアは……面倒なことになっておるのぉ。イリアスを守ろうとしたか」
「えっ……?」
その瞬間、創世神様が何を言っているのか分からなかった。しかし、もしも、ルクレチアという邪神に、どこか、イリアスを想う心が残っていたのだとすれば……。
「心配せずとも、イリアスが消滅することはないじゃろうて」
「そう、ですか」
創世神様からのお墨付きというのは、今の私にとって、何よりも大きなものだった。そうして、創世神様から意識を逸した私は、その直後、創世神様が憐れむような視線を向けていたことに気づかなかった。
「ユミリア。殿下、守ろうとしたなら、攻撃、どうする?」
気づけば、鋼達は結界への攻撃を止めていた。無理だと告げられても試行錯誤して攻撃を繰り返していた鋼達は、この邪神がイルト様を守ろうとしたという創世神様の発言をちゃんと聞いていたのだろう。
イルト様に膝枕をして、セイに私特製の薬をいくつか渡し、マリフィーの元へ送り出した後の問いかけに、私は思わず創世神様を見る。
「うむうむ、そうじゃのぅ。とりあえずは止めておくのが良かろうて」
のんびりと話す創世神様の言葉に従って、鋼達はこちらに戻り、レインボードラゴン達は、セイの魔法でスヤスヤと眠る六男の元へ、鋼は私、ネシスはマリフィーのところへ向かう。
「鋼、リリアナ様をこちらにお連れしてくれない?」
「うん、分かった!」
何やら、酷く落ち込んでいる様子のリリアナ様。邪神に操られていたというのに、すでに傷を癒やしたリリアナ様。……私の本当の母や、大切な友人の名前の由来であろうリリアナ様を、放ってはおけなかった。
イルト様が無事だとのことで心に余裕が生まれた私の発言に、鋼は安心したような表情を浮かべて駆け出す。
「リリアナ様っ! ユミリア、呼んでる!」
「ユミリア……?」
「えっと、ユレイラ様!」
「っ、ユレイラ!?」
「ぼく、今はコウだけど、前、コルト!」
「はっ!?」
「イリアス様、ユレイラ様と一緒! ネシスはそっちっ」
「っ!? …………まさか、アメリアも?」
「んー? アメリア、居ない!」
「そ、そう」
リリアナ様は、神であった頃の私達をよく知っている。だから、これだけ驚いているのだろう。たとえ、ミーシャを……マリフィーの魂をこちらの世界に転生させた張本人だとしても、このメンバー全員が神に戻ることを想定していなかったに違いない。
鋼に急かされるまま、こちらへ来たリリアナ様には、聞きたいことが山ほどある。だから…………私は、リリアナ様を笑顔で出迎えた。
「うむうむ、ユレイラもイリアスも、戻ったのじゃな。じゃが、このままでは、イリアスは目覚めんじゃろうなぁ」
「っ、どういうことですか?」
そう問いかけるも、創世神様は別の場所へと視線を向ける。
「うむうむ、マリフィーは、セルティスが居れば問題なさそうじゃの」
マリフィーの姿を見て、マリフィーへ魔法を飛ばしているセイを見て、創世神様はそう言う。
「創世神様っ、それよりもっ、イルト様はっ」
「うむうむ、そして、ルクレチアは……面倒なことになっておるのぉ。イリアスを守ろうとしたか」
「えっ……?」
その瞬間、創世神様が何を言っているのか分からなかった。しかし、もしも、ルクレチアという邪神に、どこか、イリアスを想う心が残っていたのだとすれば……。
「心配せずとも、イリアスが消滅することはないじゃろうて」
「そう、ですか」
創世神様からのお墨付きというのは、今の私にとって、何よりも大きなものだった。そうして、創世神様から意識を逸した私は、その直後、創世神様が憐れむような視線を向けていたことに気づかなかった。
「ユミリア。殿下、守ろうとしたなら、攻撃、どうする?」
気づけば、鋼達は結界への攻撃を止めていた。無理だと告げられても試行錯誤して攻撃を繰り返していた鋼達は、この邪神がイルト様を守ろうとしたという創世神様の発言をちゃんと聞いていたのだろう。
イルト様に膝枕をして、セイに私特製の薬をいくつか渡し、マリフィーの元へ送り出した後の問いかけに、私は思わず創世神様を見る。
「うむうむ、そうじゃのぅ。とりあえずは止めておくのが良かろうて」
のんびりと話す創世神様の言葉に従って、鋼達はこちらに戻り、レインボードラゴン達は、セイの魔法でスヤスヤと眠る六男の元へ、鋼は私、ネシスはマリフィーのところへ向かう。
「鋼、リリアナ様をこちらにお連れしてくれない?」
「うん、分かった!」
何やら、酷く落ち込んでいる様子のリリアナ様。邪神に操られていたというのに、すでに傷を癒やしたリリアナ様。……私の本当の母や、大切な友人の名前の由来であろうリリアナ様を、放ってはおけなかった。
イルト様が無事だとのことで心に余裕が生まれた私の発言に、鋼は安心したような表情を浮かべて駆け出す。
「リリアナ様っ! ユミリア、呼んでる!」
「ユミリア……?」
「えっと、ユレイラ様!」
「っ、ユレイラ!?」
「ぼく、今はコウだけど、前、コルト!」
「はっ!?」
「イリアス様、ユレイラ様と一緒! ネシスはそっちっ」
「っ!? …………まさか、アメリアも?」
「んー? アメリア、居ない!」
「そ、そう」
リリアナ様は、神であった頃の私達をよく知っている。だから、これだけ驚いているのだろう。たとえ、ミーシャを……マリフィーの魂をこちらの世界に転生させた張本人だとしても、このメンバー全員が神に戻ることを想定していなかったに違いない。
鋼に急かされるまま、こちらへ来たリリアナ様には、聞きたいことが山ほどある。だから…………私は、リリアナ様を笑顔で出迎えた。
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