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第三章 少女期 女神編
第三百五十一話 心配なお嬢様(メリー視点)
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ユミリアお嬢様は、いつもいつも、一人で抱え込んでしまう方だ。力を持っているからという理由で、全ての責任を負ってしまう。もう少し、その負担を私達にも分けてはもらえないだろうかと思いながら、結局、それがユミリア様に伝わることは一度もなかった。
今回もまた、ミーシャ様が誘拐され、セイとコウが倒れ、それに奔走するユミリアお嬢様に、何かできることはないだろうかと思っていたところで、素材の収集を頼まれた。もちろん、それを行うことに関しては問題ない。しかし、ユミリアお嬢様の心を支える時間がないのが惜しいとも思えた。
(私でなくとも構わない。ユミリアお嬢様を、どうか、支えてほしい)
素材の収集に行かないメンバーは、竜神様、エイリーン様、イルト殿下であり、そのメンバーに、ユミリアお嬢様のことはしっかりと頼んでおいた。しかし……。
「お嬢様!?」
古代魔法とやらを発動している最中に戻ってきた私は、ユミリアお嬢様が意識を失う姿を見て、思わず悲鳴をあげる。
ユミリアお嬢様が動けないのであればと、人間を一時的に辞める方法がないか探して、結局見つけることができずに戻ってきた私としては、そんなことをする前に、もっと、ユミリアお嬢様の側に居れば良かったと思ってしまう。
「大丈夫。少し、眠ってるだけだから。顔色は良いはずだよ」
駆け寄る私に、側に居たイルト殿下がそう告げる。
「た、確かに……」
ユミリアお嬢様が、身を削って何かを成すことは珍しくない。そんな時は、いつも顔色が悪く、今回もまた、身を削って、溜まった疲労のせいで倒れたのだとばかり考えていたものの、どうにも、それは違うらしいと思えた。
「言っても聞かないから、僕の魔法で、疲労が溜まってるような錯覚を起こさせて、定期的に眠れるようにしておいた。多分、ユミリアは、まだクリスタルロードを出てから三日しか経ってないと思ってるんじゃないかな?」
「そんな魔法が……」
実際のところ、今日でクリスタルロードを出てから五日目だ。セイとコウの侵食を遅らせられるギリギリの日。
「ユミリア様には、三日までは安全だと伝えておきました。ですので、三日目だと思っている今、何が何でも成功させるだろうと考えて、イルト殿下に協力していただいたのです」
作業の合間合間、完全に休める時間をユミリアお嬢様に作らせては、睡眠を取らせてきたのだと説明するイルト殿下に、私は、ホッとする。
「ユミリアお嬢様のために、ありがとうございます」
イルト殿下によれば、今回は、ユミリアお嬢様もできる限り、周りの人間を頼ってくれていたらしい。だからこそ、今、この瞬間に間に合ったのだとも教えてもらえた。
「それじゃあ、ユミリアが眠ってる間に、確認作業をしようか」
まだ集まっていないメンバーは存在するものの、それを待つよりは、少しでも情報を得ておいた方が良いとのことで、私達は、情報を共有することにした。
今回もまた、ミーシャ様が誘拐され、セイとコウが倒れ、それに奔走するユミリアお嬢様に、何かできることはないだろうかと思っていたところで、素材の収集を頼まれた。もちろん、それを行うことに関しては問題ない。しかし、ユミリアお嬢様の心を支える時間がないのが惜しいとも思えた。
(私でなくとも構わない。ユミリアお嬢様を、どうか、支えてほしい)
素材の収集に行かないメンバーは、竜神様、エイリーン様、イルト殿下であり、そのメンバーに、ユミリアお嬢様のことはしっかりと頼んでおいた。しかし……。
「お嬢様!?」
古代魔法とやらを発動している最中に戻ってきた私は、ユミリアお嬢様が意識を失う姿を見て、思わず悲鳴をあげる。
ユミリアお嬢様が動けないのであればと、人間を一時的に辞める方法がないか探して、結局見つけることができずに戻ってきた私としては、そんなことをする前に、もっと、ユミリアお嬢様の側に居れば良かったと思ってしまう。
「大丈夫。少し、眠ってるだけだから。顔色は良いはずだよ」
駆け寄る私に、側に居たイルト殿下がそう告げる。
「た、確かに……」
ユミリアお嬢様が、身を削って何かを成すことは珍しくない。そんな時は、いつも顔色が悪く、今回もまた、身を削って、溜まった疲労のせいで倒れたのだとばかり考えていたものの、どうにも、それは違うらしいと思えた。
「言っても聞かないから、僕の魔法で、疲労が溜まってるような錯覚を起こさせて、定期的に眠れるようにしておいた。多分、ユミリアは、まだクリスタルロードを出てから三日しか経ってないと思ってるんじゃないかな?」
「そんな魔法が……」
実際のところ、今日でクリスタルロードを出てから五日目だ。セイとコウの侵食を遅らせられるギリギリの日。
「ユミリア様には、三日までは安全だと伝えておきました。ですので、三日目だと思っている今、何が何でも成功させるだろうと考えて、イルト殿下に協力していただいたのです」
作業の合間合間、完全に休める時間をユミリアお嬢様に作らせては、睡眠を取らせてきたのだと説明するイルト殿下に、私は、ホッとする。
「ユミリアお嬢様のために、ありがとうございます」
イルト殿下によれば、今回は、ユミリアお嬢様もできる限り、周りの人間を頼ってくれていたらしい。だからこそ、今、この瞬間に間に合ったのだとも教えてもらえた。
「それじゃあ、ユミリアが眠ってる間に、確認作業をしようか」
まだ集まっていないメンバーは存在するものの、それを待つよりは、少しでも情報を得ておいた方が良いとのことで、私達は、情報を共有することにした。
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