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第三章 少女期 女神編
第三百四十二話 勢揃い?
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祭壇の下にあった下層に続く階段。闇に包まれたそこへ、いくつかの魔石を用いて光源を確保して下りていく。ローランを先頭にして、長く閉ざされていたにしては、そこそこ清潔なその場所へ入り込んでいく。
(何かの気配はあるみたいね)
長い長い階段。その終わりに辿り着いた私達は、進行方向から流れてくる風と、何者かの気配を感じ取っていた。
チラリとローランへ目配せすれば、ローランはしっかりとうなずく。ローランも同じように気配を感じているようだ。
光があるせいで、すぐに気づかれてしまうだろうことは分かっているが、極力気づかれずに行動して、相手の様子を確認したいところだ。
(さて、何が居るのかな?)
ここに居るものが、私達にとって良いものとは限らない。最悪の場合、強敵との戦闘にもなりかねない。準備を怠ることなく気配を消して真っ直ぐ、一本道を進む。
(濃厚な魔力……でも、動く気配がない。待ち伏せされてる?)
恐らくは、同じことを考えているであろうローランの後ろ姿を見ながら、警戒を強める。
(前方に扉と、もう一つ、別の道……気配は扉の向こうからか)
別れた道の先も気になるが、今は、扉の先にある気配を優先すべきだろう。
しばらく歩いて、見えてきた扉は、とても質素な木製の扉だった。特に仕掛けはないということを確認した私達は、ピクリとも動かない中の気配を警戒しながら、小さく扉を開けて……眠り玉を投げ込む。
魔力を注入すれば、数秒で眠り粉を発生させるそれは、大抵のものであれば眠らせてくれる。扉をさっと閉めて、密閉空間を作ってから十分。
「そろそろ、良いんじゃねぇですか?」
「うん、大丈夫だと思う。一応、防護マスクはしておいてね」
黒いマスクを手渡し、ローランがそれを装着するのを確認して、私も同じものを装着する。これで、眠り粉の影響を受けることはない。
もう一度、そっと……しかし、今回は全開の状態にまで扉を開いて、中を確認する。
「え? 人?」
そこには、八人の男女が、青い水晶に手足を飲み込まれ、磔の状態で拘束されていた。眠り粉の影響か、それとも元々なのか、彼らは意識を失って項垂れている。
「いや、これは違うな。多分だが、こいつら、妖精か精霊だぞ?」
そんなローランの言葉に、改めて確認してみれば、確かに、水晶に埋め込まれてはいるものの、蝶のような羽を持つ者が居る。そして、魔力の質も、人間ではあり得ない者が居た。
「……もしかして、妖精王と精霊王が勢揃いしてる、とかじゃないよね?」
当たってほしくないなぁと思いつつも、それが正解のような気がしてならない。事実、ローランは乾いた笑い声を漏らして、私と視線を合わせようとしない。
(いちいち捜す手間は省けたかもしれないけど……これ、かなり不味いんじゃあ……?)
早急に、事態の把握をする必要がある。そう判断した私は、周りに罠や、敵となりそうな者がいないことを確認して、気付け薬の大瓶を取り出すのだった。
(何かの気配はあるみたいね)
長い長い階段。その終わりに辿り着いた私達は、進行方向から流れてくる風と、何者かの気配を感じ取っていた。
チラリとローランへ目配せすれば、ローランはしっかりとうなずく。ローランも同じように気配を感じているようだ。
光があるせいで、すぐに気づかれてしまうだろうことは分かっているが、極力気づかれずに行動して、相手の様子を確認したいところだ。
(さて、何が居るのかな?)
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(濃厚な魔力……でも、動く気配がない。待ち伏せされてる?)
恐らくは、同じことを考えているであろうローランの後ろ姿を見ながら、警戒を強める。
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しばらく歩いて、見えてきた扉は、とても質素な木製の扉だった。特に仕掛けはないということを確認した私達は、ピクリとも動かない中の気配を警戒しながら、小さく扉を開けて……眠り玉を投げ込む。
魔力を注入すれば、数秒で眠り粉を発生させるそれは、大抵のものであれば眠らせてくれる。扉をさっと閉めて、密閉空間を作ってから十分。
「そろそろ、良いんじゃねぇですか?」
「うん、大丈夫だと思う。一応、防護マスクはしておいてね」
黒いマスクを手渡し、ローランがそれを装着するのを確認して、私も同じものを装着する。これで、眠り粉の影響を受けることはない。
もう一度、そっと……しかし、今回は全開の状態にまで扉を開いて、中を確認する。
「え? 人?」
そこには、八人の男女が、青い水晶に手足を飲み込まれ、磔の状態で拘束されていた。眠り粉の影響か、それとも元々なのか、彼らは意識を失って項垂れている。
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そんなローランの言葉に、改めて確認してみれば、確かに、水晶に埋め込まれてはいるものの、蝶のような羽を持つ者が居る。そして、魔力の質も、人間ではあり得ない者が居た。
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(いちいち捜す手間は省けたかもしれないけど……これ、かなり不味いんじゃあ……?)
早急に、事態の把握をする必要がある。そう判断した私は、周りに罠や、敵となりそうな者がいないことを確認して、気付け薬の大瓶を取り出すのだった。
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