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第三章 少女期 女神編
第三百四十一話 糸引く者
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広々とした空間に、祭壇が一つと、その上に、ちょっとおぞましいものが入っていると思しき箱が一つ。ローランと二人になった私は、周囲への警戒をひとまず緩めてローランと向き合う。
「ローラン。私達の目的は、妖精王か精霊王を捜すこと。そして、私は、ここには何かあるんじゃないかと思ってる」
様々なモノが封印された土地。となれば、必ず、それを管理する者が居るはずだというのが私の考えだった。そして、それは神か、妖精王、精霊王のどれかだとも。
「この場所の管理者か。けど、封印が解けたってことは、その管理者に何かあったんじゃないですか?」
「うん、私もそう思う。けど、同時に、疑問も残るの」
「疑問?」
「うん……ローラン達は、誰かに、ここの封印を解くように仕向けられたんじゃないかな、と」
「は? いや、けど、元々はユミリア様のために、魔王の封印を解こうって話で、そこは関係ないんじゃあ……」
前提条件として、ここの管理者は、ローラン達が封印を解くのを止められない状態だった。そして、ローラン達は、魔王の封印以外の存在を知らず、そして、魔王の封印以外も解いてしまったことを知らなかった。あと、記憶も消されている。
「ねぇ、私が知る限り、イルト様も、メリーも、ローランも、セイも、鋼も……かなりの戦力だったと思うの」
ミーシャに関しては、戦力に加えられないので除いたが、このメンバーなら、世界征服だって可能だろう。
「そりゃあ、確かに……」
「それなら、誰が、ローラン達の記憶を消したのかな?」
「……言われてみれば……」
妖精王に関しては、一度対面しているため、そこまでの脅威とは思えない。妖精王や精霊王達の加護を持つメリーの情報でも、この戦力を前に、記憶を消すなんて芸当ができるとは思えない。と、なれば、何者かが、裏で糸を引いていることになる。
「神、か?」
「それも、恐らくは、神界の者だろうね」
ミーシャを連れ去った女神の仕業か、はたまた、別の神の仕業なのかははっきりしないものの、そういった存在でなければ説明がつかない。
「いい度胸じゃねぇかっ。神界に行ったら、ぶっ飛ばしてやる」
「ローラン、まだ、敵と決まったわけじゃないけど?」
「それは……まぁ、敵だと分かれば、ぶっ飛ばすってことで」
結局のところ、詳細は不明。相手の目的も全く分からない。
(まぁ、でも……この下に行けば、何か分かるかもしれないよね?)
一見、何もないこの場所。しかし、獣つきである私の耳には、この下に空間があるということを教える、風の音が聞こえていた。きっとそれは、竜人であるがゆえに五感が発達しているローランも気づいているだろう。
「じゃあ、まずは」
「祭壇を動かさなきゃですね」
祭壇の下に隠されたさらに下へ続く出入り口。罠がないか確認しながら、魔法と物理的な力で祭壇をズラし、そこに現れた階段へと踏み出した。
「ローラン。私達の目的は、妖精王か精霊王を捜すこと。そして、私は、ここには何かあるんじゃないかと思ってる」
様々なモノが封印された土地。となれば、必ず、それを管理する者が居るはずだというのが私の考えだった。そして、それは神か、妖精王、精霊王のどれかだとも。
「この場所の管理者か。けど、封印が解けたってことは、その管理者に何かあったんじゃないですか?」
「うん、私もそう思う。けど、同時に、疑問も残るの」
「疑問?」
「うん……ローラン達は、誰かに、ここの封印を解くように仕向けられたんじゃないかな、と」
「は? いや、けど、元々はユミリア様のために、魔王の封印を解こうって話で、そこは関係ないんじゃあ……」
前提条件として、ここの管理者は、ローラン達が封印を解くのを止められない状態だった。そして、ローラン達は、魔王の封印以外の存在を知らず、そして、魔王の封印以外も解いてしまったことを知らなかった。あと、記憶も消されている。
「ねぇ、私が知る限り、イルト様も、メリーも、ローランも、セイも、鋼も……かなりの戦力だったと思うの」
ミーシャに関しては、戦力に加えられないので除いたが、このメンバーなら、世界征服だって可能だろう。
「そりゃあ、確かに……」
「それなら、誰が、ローラン達の記憶を消したのかな?」
「……言われてみれば……」
妖精王に関しては、一度対面しているため、そこまでの脅威とは思えない。妖精王や精霊王達の加護を持つメリーの情報でも、この戦力を前に、記憶を消すなんて芸当ができるとは思えない。と、なれば、何者かが、裏で糸を引いていることになる。
「神、か?」
「それも、恐らくは、神界の者だろうね」
ミーシャを連れ去った女神の仕業か、はたまた、別の神の仕業なのかははっきりしないものの、そういった存在でなければ説明がつかない。
「いい度胸じゃねぇかっ。神界に行ったら、ぶっ飛ばしてやる」
「ローラン、まだ、敵と決まったわけじゃないけど?」
「それは……まぁ、敵だと分かれば、ぶっ飛ばすってことで」
結局のところ、詳細は不明。相手の目的も全く分からない。
(まぁ、でも……この下に行けば、何か分かるかもしれないよね?)
一見、何もないこの場所。しかし、獣つきである私の耳には、この下に空間があるということを教える、風の音が聞こえていた。きっとそれは、竜人であるがゆえに五感が発達しているローランも気づいているだろう。
「じゃあ、まずは」
「祭壇を動かさなきゃですね」
祭壇の下に隠されたさらに下へ続く出入り口。罠がないか確認しながら、魔法と物理的な力で祭壇をズラし、そこに現れた階段へと踏み出した。
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