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第三章 少女期 女神編
第三百三十七話 困難
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なぜか突然現れた手がかりを、私は急いで確認していく。しかし、読み進めるに従って、セイと鋼を助けるのが難しいことも理解できてしまう。
「ユミリア様、これは……」
いつの間にか、一緒に覗いて確認していたローランの言葉は、やはり苦いもの。
「古代魔法……さすがに、こんなの、解読できないよ」
そこにあったのは、遥か昔に使われていた魔法の記述。現在は、全く使われていない、未知の魔法。さすがに、私はこんなものを解読する力などない。
「竜神様達なら、何か分かるかもしれないです」
「そうだね。今は、竜神様達を頼るしかないね」
彼らには、できる限り色々と知識を振り絞ってもらおうと決め、その本を抱えてマルディック達のところへと戻る。
「マルディック、スーちゃん。二人の様子はどう?」
「うむぅ、ひとまず、進行を遅らせることには成功したが、根本的な解決にはならぬ」
「それに、遅らせるのも三日くらいが限界です。それを越えたら一気に侵食します」
つまりは、三日以内で、この状況を打破しなければならない。それも、ミーシャを助けるために行動することを忘れるわけにもいかない。
「なら、まずは竜神様達に連絡を取ろうか」
私ができないことでも、きっと、神様である竜神様達にはできることがあるはずだ。少なくとも、これを読んだところで、私はお手上げの状態。ならば、早く竜神様達の協力を仰ぐべきだろう。
「では、私が彼らを竜神様達の元へ届けて参りましょう」
「メリー……そっか、なら、お願いね」
この中で、魔力が足りず、種族も人間ということで神界に行けないであろうメリーに動いてもらえるのはありがたい。私も、魔力は足りているし、妖精やら精霊の王達もこれから屈服させていく予定ではあるものの、人間という種族の壁が越えられないため、神界へ行く条件は満たせない。それでも、何だかんだで私が中心になっている自覚があるので、抜け出すわけにはいかないし、そのつもりもない。
「なら、メリーはクリスタルロードの入り口に送るから、私達は私達で目的達成しようか」
正直、セイと鋼のことは心配だ。しかし、ここで歩みを止めようものなら、セイも鋼も自分を責めること間違いなしと思えるから、止まるわけにはいかない。
「この本も、何か手がかりになると思うから、竜神様達に渡してみて」
「畏まりました。何としてでも、お二人を救えるように全力を尽くします」
影を取り逃がしたことで、多少落ち込んでいたように見えたメリーは、今や、メラメラと使命感に燃えている。
(竜神様達……ファイト!)
「我らも行くぞ。侵食を遅らせるには、我とスーちゃんがどちらも居なければならぬからなっ」
「よ、よ、よろしく、お願いいたしましゅっ」
メリーと目を合わせないようにしながら、ガクガクと震えるスーちゃんを横目に、私は、転移用の魔石をメリーに手渡す。
「セイ達を、お願い」
「必ずや」
そうして、メリー達は、クリスタルロードから退出した。
「ユミリア様、これは……」
いつの間にか、一緒に覗いて確認していたローランの言葉は、やはり苦いもの。
「古代魔法……さすがに、こんなの、解読できないよ」
そこにあったのは、遥か昔に使われていた魔法の記述。現在は、全く使われていない、未知の魔法。さすがに、私はこんなものを解読する力などない。
「竜神様達なら、何か分かるかもしれないです」
「そうだね。今は、竜神様達を頼るしかないね」
彼らには、できる限り色々と知識を振り絞ってもらおうと決め、その本を抱えてマルディック達のところへと戻る。
「マルディック、スーちゃん。二人の様子はどう?」
「うむぅ、ひとまず、進行を遅らせることには成功したが、根本的な解決にはならぬ」
「それに、遅らせるのも三日くらいが限界です。それを越えたら一気に侵食します」
つまりは、三日以内で、この状況を打破しなければならない。それも、ミーシャを助けるために行動することを忘れるわけにもいかない。
「なら、まずは竜神様達に連絡を取ろうか」
私ができないことでも、きっと、神様である竜神様達にはできることがあるはずだ。少なくとも、これを読んだところで、私はお手上げの状態。ならば、早く竜神様達の協力を仰ぐべきだろう。
「では、私が彼らを竜神様達の元へ届けて参りましょう」
「メリー……そっか、なら、お願いね」
この中で、魔力が足りず、種族も人間ということで神界に行けないであろうメリーに動いてもらえるのはありがたい。私も、魔力は足りているし、妖精やら精霊の王達もこれから屈服させていく予定ではあるものの、人間という種族の壁が越えられないため、神界へ行く条件は満たせない。それでも、何だかんだで私が中心になっている自覚があるので、抜け出すわけにはいかないし、そのつもりもない。
「なら、メリーはクリスタルロードの入り口に送るから、私達は私達で目的達成しようか」
正直、セイと鋼のことは心配だ。しかし、ここで歩みを止めようものなら、セイも鋼も自分を責めること間違いなしと思えるから、止まるわけにはいかない。
「この本も、何か手がかりになると思うから、竜神様達に渡してみて」
「畏まりました。何としてでも、お二人を救えるように全力を尽くします」
影を取り逃がしたことで、多少落ち込んでいたように見えたメリーは、今や、メラメラと使命感に燃えている。
(竜神様達……ファイト!)
「我らも行くぞ。侵食を遅らせるには、我とスーちゃんがどちらも居なければならぬからなっ」
「よ、よ、よろしく、お願いいたしましゅっ」
メリーと目を合わせないようにしながら、ガクガクと震えるスーちゃんを横目に、私は、転移用の魔石をメリーに手渡す。
「セイ達を、お願い」
「必ずや」
そうして、メリー達は、クリスタルロードから退出した。
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