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第二章 少女期 瘴気編
第二百八十二話 使徒との対話(アルト視点)
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ムムの説明は、私にとって、信じがたいことであったものの、確かに、納得できるものでもあった。
「えっと、つまり、今、私達にできることは何もない、と?」
「ぶっちゃけ、そうですねー」
説明を聞く限り、確かに、今、私達にできることなど何もないように思えた。
「では、私から質問しても?」
「はいー、聖女ちゃんの王子様ー」
女神様の使徒でもあるというムムの間延びした言葉を受けて、とりあえず、いくつかの質問を投げかけることにする。
「今後の女神様の対応はどんなものか、聞かせていただけないだろうか?」
今の不可解な状況は、もうしばらくすれば解決する見込みがある。となれば、今回干渉してきた女神様の動向が気になるところだ。場合によっては、私達も巻き込まれかねない。
「んー、そうですねぇ。当分は、静観だと思いますよー? ただ、きっと、運命を打ち破ったことで、本来のユミリアちゃんの魂が復活するかもしれないんですよねー」
「っ、それって、お姉様が、お姉様でなくなる、ということですか?」
本来のユミリア嬢は、何度も何度も死んで、何度も何度もやり直していたようで、その魂が消滅の危機に瀕したために、今のユミリア嬢の魂が送り込まれたとのことで、確かに、目的を達成したとなれば、今のユミリア嬢がここに留まる理由はない。
「いやぁ、多分、そうはならないと思いますよー? ただ、ちょーっと、ユミリアちゃんの負担が大きいかなぁってくらいでー……まぁ、ちゃんと支えてあげれば、大丈夫ですよー」
曖昧な返答に、ミーシャ嬢が詳しいことを聞きたがるものの、どうにも制限があるらしく、ムムはこれ以上、答えられないようだった。
「では、別の質問だが……イルトが、あれだけ追い詰められたのは、やはり、邪神の仕業か?」
イルトは、何度も何度も、ユミリア嬢を守れないことで傷ついてきている。今思えば、それらには全て、邪神が関わっているのだが……本当に、邪神だけが原因なのか、気になった。
「あー、気づいちゃいましたかー。うーん…………今の私が言えるのはー、イルトさんは、呪われてるってことだけですねー」
「ユミリア嬢のおかげで、全ての呪いは、イルトに効かないはずだが?」
「それでも、呪われてるのは本当なんですー。彼が幸せになるためにはー、その呪いに立ち向かわなきゃなんですよねー」
ユミリア嬢が開発した魔導具によって、リーリス国の王族は、呪いの影響を受けないこととなっている。しかし、それをも掻い潜る呪いが、イルトにかけられていると言う。
「そんな……誰が、そんなことを……」
「ごめんなさいー。私は、これ以上は話せないんですー」
ムムが話せない。つまりは、イルトの呪いは、神が介入したものだということだ。なぜ、神がイルトに呪いなんて、と思わなくもないが、恐らく、ムムに問いかけたところで、答えは返ってこない。
「分かった。では、最後の質問だ……。あなた方は、この世界を、どう見ている?」
そう問いかければ、ムムは、一瞬、虚を突かれたような表情を浮かべ……次の瞬間には、ニタリと笑っていた。
「えっと、つまり、今、私達にできることは何もない、と?」
「ぶっちゃけ、そうですねー」
説明を聞く限り、確かに、今、私達にできることなど何もないように思えた。
「では、私から質問しても?」
「はいー、聖女ちゃんの王子様ー」
女神様の使徒でもあるというムムの間延びした言葉を受けて、とりあえず、いくつかの質問を投げかけることにする。
「今後の女神様の対応はどんなものか、聞かせていただけないだろうか?」
今の不可解な状況は、もうしばらくすれば解決する見込みがある。となれば、今回干渉してきた女神様の動向が気になるところだ。場合によっては、私達も巻き込まれかねない。
「んー、そうですねぇ。当分は、静観だと思いますよー? ただ、きっと、運命を打ち破ったことで、本来のユミリアちゃんの魂が復活するかもしれないんですよねー」
「っ、それって、お姉様が、お姉様でなくなる、ということですか?」
本来のユミリア嬢は、何度も何度も死んで、何度も何度もやり直していたようで、その魂が消滅の危機に瀕したために、今のユミリア嬢の魂が送り込まれたとのことで、確かに、目的を達成したとなれば、今のユミリア嬢がここに留まる理由はない。
「いやぁ、多分、そうはならないと思いますよー? ただ、ちょーっと、ユミリアちゃんの負担が大きいかなぁってくらいでー……まぁ、ちゃんと支えてあげれば、大丈夫ですよー」
曖昧な返答に、ミーシャ嬢が詳しいことを聞きたがるものの、どうにも制限があるらしく、ムムはこれ以上、答えられないようだった。
「では、別の質問だが……イルトが、あれだけ追い詰められたのは、やはり、邪神の仕業か?」
イルトは、何度も何度も、ユミリア嬢を守れないことで傷ついてきている。今思えば、それらには全て、邪神が関わっているのだが……本当に、邪神だけが原因なのか、気になった。
「あー、気づいちゃいましたかー。うーん…………今の私が言えるのはー、イルトさんは、呪われてるってことだけですねー」
「ユミリア嬢のおかげで、全ての呪いは、イルトに効かないはずだが?」
「それでも、呪われてるのは本当なんですー。彼が幸せになるためにはー、その呪いに立ち向かわなきゃなんですよねー」
ユミリア嬢が開発した魔導具によって、リーリス国の王族は、呪いの影響を受けないこととなっている。しかし、それをも掻い潜る呪いが、イルトにかけられていると言う。
「そんな……誰が、そんなことを……」
「ごめんなさいー。私は、これ以上は話せないんですー」
ムムが話せない。つまりは、イルトの呪いは、神が介入したものだということだ。なぜ、神がイルトに呪いなんて、と思わなくもないが、恐らく、ムムに問いかけたところで、答えは返ってこない。
「分かった。では、最後の質問だ……。あなた方は、この世界を、どう見ている?」
そう問いかければ、ムムは、一瞬、虚を突かれたような表情を浮かべ……次の瞬間には、ニタリと笑っていた。
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