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第二章 少女期 瘴気編
第二百六十七話 ギリアの薬
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まだ、色々と話さなければならないことはあるかもしれないが、あまりに長期間、この空間に滞在するのは、普通の人間にとっては毒になりかねないとの言葉で、また後日、女神達と話すことを約束して、私達は、元の神殿へと戻る。
「……そういえば、私達、ギリアのために、薬を作ろうとここまで来たんだったよね」
戻ってみて、改めて、自分達がどこに居るのかを思い出した私は、そう問いかけながら、どこか、思考の隅に引っ掛かるものを感じて、首をかしげる。
「お、お姉様? あの、できれば、もうあのドラゴンを殺さないでいてほしいのですが……」
そんな私に、恐る恐る声をかけてくるミーシャを見て、そんなに私は怖かっただろうかと考え……。
(うん、普通に考えたら、ドン引きな殺戮だよね、あれは)
気が立っていたとか、記憶の整理がつかずにイライラしていただとか、そんな理由を鑑みても、スペースドラゴンを泣いて命乞いまでさせたという事実は覆らない。
「うん、まぁ、素材を採るためには仕方ないんだけど……」
「お姉様!? いえ、あの、なら、せめて、苦痛がないようにと言いますか、あれは可哀想過ぎると言いますか……」
そんなミーシャの言葉を思考の端で捉えながら、先ほどの違和感を考えていると、ふと、その正体を思い出す。
「あっ……もしかしたら、もう、ギリアに薬を作れるかも」
「えっ!? それは、本当ですか!?」
「うん、資料には残してなかったけど、あの薬の効果を打ち消す薬は、もう近いものが完成してるの。記憶がなかった私ならまだしも、今なら、完全に完成させることもできるよ」
そう、記憶がなかったからこそ、ほぼ総当たりでの調合をしなければならず、必要素材も膨大になってしまっていたが、今の私ならば、スペースドラゴンの心臓の核など、一つあれば事足りる。
「そ、それじゃあ……」
「うん、とりあえず、あのスペースドラゴンには断りを入れて、帰ろうか」
「はいっ!」
そうと決まれば、さっさと帰って、ギリアを治すに限る。きっと、両親も心配していることだろうし、何よりも、アノ人だって、かなり不安に思ってくれているはずだ。
私は、思い浮かべたアノ人の姿に、ついつい、微笑みを浮かべてしまう。
「ユミリア?」
イルト様が私の名前を呼んだため、その思考は中断したが、それでも、早く帰りたいのは事実だ。
「さぁっ、早く、スペースドラゴンのところに行きましょう!」
ホクホク顔で先導するミーシャに、私達は、苦笑しながら、足を動かした。
「……そういえば、私達、ギリアのために、薬を作ろうとここまで来たんだったよね」
戻ってみて、改めて、自分達がどこに居るのかを思い出した私は、そう問いかけながら、どこか、思考の隅に引っ掛かるものを感じて、首をかしげる。
「お、お姉様? あの、できれば、もうあのドラゴンを殺さないでいてほしいのですが……」
そんな私に、恐る恐る声をかけてくるミーシャを見て、そんなに私は怖かっただろうかと考え……。
(うん、普通に考えたら、ドン引きな殺戮だよね、あれは)
気が立っていたとか、記憶の整理がつかずにイライラしていただとか、そんな理由を鑑みても、スペースドラゴンを泣いて命乞いまでさせたという事実は覆らない。
「うん、まぁ、素材を採るためには仕方ないんだけど……」
「お姉様!? いえ、あの、なら、せめて、苦痛がないようにと言いますか、あれは可哀想過ぎると言いますか……」
そんなミーシャの言葉を思考の端で捉えながら、先ほどの違和感を考えていると、ふと、その正体を思い出す。
「あっ……もしかしたら、もう、ギリアに薬を作れるかも」
「えっ!? それは、本当ですか!?」
「うん、資料には残してなかったけど、あの薬の効果を打ち消す薬は、もう近いものが完成してるの。記憶がなかった私ならまだしも、今なら、完全に完成させることもできるよ」
そう、記憶がなかったからこそ、ほぼ総当たりでの調合をしなければならず、必要素材も膨大になってしまっていたが、今の私ならば、スペースドラゴンの心臓の核など、一つあれば事足りる。
「そ、それじゃあ……」
「うん、とりあえず、あのスペースドラゴンには断りを入れて、帰ろうか」
「はいっ!」
そうと決まれば、さっさと帰って、ギリアを治すに限る。きっと、両親も心配していることだろうし、何よりも、アノ人だって、かなり不安に思ってくれているはずだ。
私は、思い浮かべたアノ人の姿に、ついつい、微笑みを浮かべてしまう。
「ユミリア?」
イルト様が私の名前を呼んだため、その思考は中断したが、それでも、早く帰りたいのは事実だ。
「さぁっ、早く、スペースドラゴンのところに行きましょう!」
ホクホク顔で先導するミーシャに、私達は、苦笑しながら、足を動かした。
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