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第二章 少女期 瘴気編
第二百四十九話 難航しそうな話し合い(ミーシャ視点)
しおりを挟む(お、鬼、いや、悪魔? とにかく、さすがにあのスペースドラゴンが可哀想過ぎる)
何度も何度も、殺されては蘇るということを繰り返すスペースドラゴン。何か薬でも用いて、その痛みを緩和させることはできないかと途中で提案もしたのだが、基本的に、スペースドラゴンには薬の類いは効かないらしい。しかも、状態異常系の魔法に関してはほぼ無敵だとか。やたらと頑丈なため、一撃で殺すこともできず、どうしても苦しめてしまう結果となる。
(話すのは怖いけど、何とかするしかない)
再び、門を開いて、スペースドラゴンの領域へと踏み込む私達。それに反応して、スペースドラゴンはガタガタと震える。
「あ、あの。ドラゴンさん。今回は、少し話をしたいのですが……」
『っ、頼む! 何でもするっ、何でもするからっ、オイラ、もう死にたくないっ!!』
ちょっと話しかけただけで、『助けて、殺さないで、許して、死にたくない』と懸命に命乞いをしてきたその様子に、ドラゴンとしての威厳は欠片も感じられない。しかし、そこまで追い詰めてしまったのは、私達であるので、何とも複雑だ。
「え、えっと、ですね? 私達の目的は、スペースドラゴンさんの心臓を百個集めることなんですよ」
まずは事情を説明して、対策を練ろう。そう思って、直球に目的を話したのだが……なぜか、それに対する返答がない。
「……あれ?」
「ミーシャ、さすがに、あと七十回以上死んでほしいって宣言をしちゃうのは可哀想だと思うよ?」
「案外、ミーシャ嬢もやるな」
「お嬢様のご友人ですから、当然ですねっ」
「えっ? えっ? えぇぇっ!?」
どうやら、スペースドラゴンはショックのあまり、気絶してしまったらしい。しかし、それで私ばかりが責められるのは、納得がいかない。そもそも、私はこの討伐に通訳として参加してはいるため、全く戦力にはなっていない。だから、今まで一度として、スペースドラゴンに攻撃を仕掛けたことはないのだ。
「あ、これ、今のうちに殺したら良いんじゃないかな?」
ただ、納得はいかないながらも、お姉様を止めることはできる。今は、話し合いのための時間なのだから、そんな鬼畜な行動をさせるわけにはいかない。
「ダメです。ちゃんと話を聞いてもらうためにも、今は、大人しくしていてください」
「……分かった」
昔から、お姉様は素材のこととなると見境がなくなるのは知っていましたが、今回は、明らかに度を越えているように見受けられる。しかし、その理由までは分からないため、不満そうなお姉様を黙殺して、スペースドラゴンが起きるのを待とうとした私は……。
「お嬢様を待たせるなど、万死に値しますよ?」
『グギャアァァァァァアッ』
おもむろに、スペースドラゴンの尻尾を切断したメリーさんに恐怖を抱いた。
「さぁ、ミーシャ様? お話し合いを続けてください。終わったら、しっかりとコレを躾ますので」
目を覚まし、私達の姿を認識した途端、痛む尻尾には目もくれず、必死に逃げようとするスペースドラゴン。ただ、いつの間に仕掛けたのか、メリーさんが持つ魔法のロープによって、スペースドラゴンはがんじがらめにされて、身動きが取れないようだった。
(……あれ? もしかして、私、このメンバーの中では、唯一の良心ってやつ……?)
止めるのが大変そうな暴走メンバーを、私は一人で何とかしなければならないことに気付き、愕然としながらも、もう一度、スペースドラゴンへと視線を向けたのだった。
何度も何度も、殺されては蘇るということを繰り返すスペースドラゴン。何か薬でも用いて、その痛みを緩和させることはできないかと途中で提案もしたのだが、基本的に、スペースドラゴンには薬の類いは効かないらしい。しかも、状態異常系の魔法に関してはほぼ無敵だとか。やたらと頑丈なため、一撃で殺すこともできず、どうしても苦しめてしまう結果となる。
(話すのは怖いけど、何とかするしかない)
再び、門を開いて、スペースドラゴンの領域へと踏み込む私達。それに反応して、スペースドラゴンはガタガタと震える。
「あ、あの。ドラゴンさん。今回は、少し話をしたいのですが……」
『っ、頼む! 何でもするっ、何でもするからっ、オイラ、もう死にたくないっ!!』
ちょっと話しかけただけで、『助けて、殺さないで、許して、死にたくない』と懸命に命乞いをしてきたその様子に、ドラゴンとしての威厳は欠片も感じられない。しかし、そこまで追い詰めてしまったのは、私達であるので、何とも複雑だ。
「え、えっと、ですね? 私達の目的は、スペースドラゴンさんの心臓を百個集めることなんですよ」
まずは事情を説明して、対策を練ろう。そう思って、直球に目的を話したのだが……なぜか、それに対する返答がない。
「……あれ?」
「ミーシャ、さすがに、あと七十回以上死んでほしいって宣言をしちゃうのは可哀想だと思うよ?」
「案外、ミーシャ嬢もやるな」
「お嬢様のご友人ですから、当然ですねっ」
「えっ? えっ? えぇぇっ!?」
どうやら、スペースドラゴンはショックのあまり、気絶してしまったらしい。しかし、それで私ばかりが責められるのは、納得がいかない。そもそも、私はこの討伐に通訳として参加してはいるため、全く戦力にはなっていない。だから、今まで一度として、スペースドラゴンに攻撃を仕掛けたことはないのだ。
「あ、これ、今のうちに殺したら良いんじゃないかな?」
ただ、納得はいかないながらも、お姉様を止めることはできる。今は、話し合いのための時間なのだから、そんな鬼畜な行動をさせるわけにはいかない。
「ダメです。ちゃんと話を聞いてもらうためにも、今は、大人しくしていてください」
「……分かった」
昔から、お姉様は素材のこととなると見境がなくなるのは知っていましたが、今回は、明らかに度を越えているように見受けられる。しかし、その理由までは分からないため、不満そうなお姉様を黙殺して、スペースドラゴンが起きるのを待とうとした私は……。
「お嬢様を待たせるなど、万死に値しますよ?」
『グギャアァァァァァアッ』
おもむろに、スペースドラゴンの尻尾を切断したメリーさんに恐怖を抱いた。
「さぁ、ミーシャ様? お話し合いを続けてください。終わったら、しっかりとコレを躾ますので」
目を覚まし、私達の姿を認識した途端、痛む尻尾には目もくれず、必死に逃げようとするスペースドラゴン。ただ、いつの間に仕掛けたのか、メリーさんが持つ魔法のロープによって、スペースドラゴンはがんじがらめにされて、身動きが取れないようだった。
(……あれ? もしかして、私、このメンバーの中では、唯一の良心ってやつ……?)
止めるのが大変そうな暴走メンバーを、私は一人で何とかしなければならないことに気付き、愕然としながらも、もう一度、スペースドラゴンへと視線を向けたのだった。
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