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第二章 少女期 瘴気編
第二百十一話 クリスタルロード攻略22(セイ視点)
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ミーシャの話では、あの聖竜マルディックは、白トカゲとしか言い様のない姿になっているという。本来は、死んでいたはずのマルディック。魔力が膨大であるが故に、首だけになってもなお生き残っていただけ。それなのに、今は、かなり小さくなってはいるものの、自由に動ける体を手に入れたと言う。
(そんな事例は、一つしか知らない……)
昔、光の妖精である父が話していたことで、真実だとはつゆほども思っていなかったことがある。しかし、ミーシャの話を信じるならば、それしか当てはまるものがなかった。
(……となると、ミーシャの守りが必要かな?)
聖竜には、一つだけ、神から託された使命がある。それを達成した暁には、一度失った命を小さな命に変えて戻してもらえる。聖竜は、清き心に加護を与えるべし。来るべき災厄を回避すべし。それこそが、聖竜の生まれた意味である。それが、父から聞いた話だった。
何が災厄なのかは分からないし、ミーシャの前に与えた加護が条件を満たしていたと考えることも可能だが、加護を与えた直後に白トカゲの姿で現れたことを考えると、ミーシャに加護を与えたことで条件を満たしたと考えられる。つまりは、これから、災厄と呼ぶべき何かが起こる。それを回避するために、ミーシャ嬢への加護は必要不可欠。それらのことが、十分に予想された。
「マルディックー、どこー?」
ミーシャは、マルディックを捜すとの宣言通り、ダンジョンの中を必死に捜している。この階層には、欺王と偽牙以外の魔物が存在していないらしく、ミーシャはそれはそれは無警戒に、自由に動いていた。
か弱い生き物でしかないミーシャ。彼女が、何らかの災厄に巻き込まれるというのであれば、恐らくはユミリアにも関係してくることだ。その場合、ユミリアのためにも、ミーシャのためにも放置するわけにはいかない。
あまりに小さく、秘めた魔力で捜そうにもそれすら引っ掛からないような状況だったマルディックは、僕とミーシャの組でも、ローランと鋼の組でもなく、イルト殿下とメリーさんの組が見つけて、気絶した状態のものを連れてくることとなる。ただし……。
「階段、ですか……?」
そこには、ミーシャの記憶にもない、下に続く階段があったという。
「とにかく、扉の先に進もう。階段のことは、その後に考えれば良いよ」
不安そうなミーシャにそう告げると、僕達は、ようやく、目的の扉を開いた。
(そんな事例は、一つしか知らない……)
昔、光の妖精である父が話していたことで、真実だとはつゆほども思っていなかったことがある。しかし、ミーシャの話を信じるならば、それしか当てはまるものがなかった。
(……となると、ミーシャの守りが必要かな?)
聖竜には、一つだけ、神から託された使命がある。それを達成した暁には、一度失った命を小さな命に変えて戻してもらえる。聖竜は、清き心に加護を与えるべし。来るべき災厄を回避すべし。それこそが、聖竜の生まれた意味である。それが、父から聞いた話だった。
何が災厄なのかは分からないし、ミーシャの前に与えた加護が条件を満たしていたと考えることも可能だが、加護を与えた直後に白トカゲの姿で現れたことを考えると、ミーシャに加護を与えたことで条件を満たしたと考えられる。つまりは、これから、災厄と呼ぶべき何かが起こる。それを回避するために、ミーシャ嬢への加護は必要不可欠。それらのことが、十分に予想された。
「マルディックー、どこー?」
ミーシャは、マルディックを捜すとの宣言通り、ダンジョンの中を必死に捜している。この階層には、欺王と偽牙以外の魔物が存在していないらしく、ミーシャはそれはそれは無警戒に、自由に動いていた。
か弱い生き物でしかないミーシャ。彼女が、何らかの災厄に巻き込まれるというのであれば、恐らくはユミリアにも関係してくることだ。その場合、ユミリアのためにも、ミーシャのためにも放置するわけにはいかない。
あまりに小さく、秘めた魔力で捜そうにもそれすら引っ掛からないような状況だったマルディックは、僕とミーシャの組でも、ローランと鋼の組でもなく、イルト殿下とメリーさんの組が見つけて、気絶した状態のものを連れてくることとなる。ただし……。
「階段、ですか……?」
そこには、ミーシャの記憶にもない、下に続く階段があったという。
「とにかく、扉の先に進もう。階段のことは、その後に考えれば良いよ」
不安そうなミーシャにそう告げると、僕達は、ようやく、目的の扉を開いた。
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