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第一章 幼少期編
第二話 気づいてしまった
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これが夢じゃないことは、日が経つにつれ、実感していった。そして、周囲の様子がおかしいということも。
「ひぃっ!」
私につけられたメイドらしき人は、私が笑うと悲鳴をあげる。
「いやぁあっ、呪わないでっ、呪わないでぇっ!」
そして、私が泣けば、そんなことを言って慌て出す。
(いや、私はご飯だったりおむつだったりのために泣いてるんだけど?)
しばらくすれば、目も見えるようになり、そんなメイド達の反応で、遊ん、楽し……観察していたが……やはり、何かがおかしい。
(はて、人畜無害な赤ちゃんに、何をそんなに怯えることがあるんだろうか?)
赤ちゃん用のベッドの中でゴロゴロしながら、私は小さな頭で考える。
転生したのがバレた、にしても、その反応は異常としか思えない。しかし、メイドというメイドが私を避けるというか、怖がるのには、何か理由があるはずだ。下手をすれば、育児放棄されてもおかしくない環境が整っているわけなのだから。
それでも、私が世話をしてもらえたのは、ひとえに、この人の存在が大きいだろう。
「あー、だー」
「ふふふっ、お嬢様は可愛いですねー。さぁ、ご飯の時間ですよー」
「だーっ」
彼女の名前はメリー。海のように青く、長い髪を持つ、盲目の女性だ。そして、おそらく私の乳母というやつなのだろう。私の世話は、もっぱら、メリーがやってくれていた。
「ユミリアお嬢様は、こんなにいい子ですのにねー」
「うー」
そして、彼女が居るからこそ、私は、私の名前を知ることができた。
『ユミリア』というのが、今世の私の名前らしい。
(あのゲームのユミリアだったりして)
私が思い浮かべたのは、妹に頼まれて買いにいっていた乙女ゲーム『モフモフとゆく、恋の花』だ。妹は、攻略本を読んでからゲームに挑むことが多く、その時も、その乙女ゲームの内容を読み込んだ後に、私に買いにいくのを頼んでいた。そして、妹が読んでいた攻略本を私も読んでいたわけで……。
(悪役令嬢、ユミリア・リ・アルテナか)
彼女は、黒の獣つきというやつで、黒い猫耳と尻尾を持ったご令嬢だ。獣つきはまだしも、黒というのが相当に嫌悪される対象であったために、何もしていなくとも嫌われているご令嬢だ。
私としては、黒にゃんこの耳と尻尾を持つキュートな女の子、としか思えなかったけど……。
(ん? そういえば……これ、尻尾?)
と、そこで、私は自分のお尻の辺りに黒い長いモフモフを見つける。軽く握ってみれば、確かにそこには感覚がある。引っ張ってみれば、しっかりとお尻から生えていることも確認できた。
『んじゃ、頑張ってね、悪役令嬢さん?』
そして、唐突によみがえる、女神らしき人物の言葉。
「だぁぁぁあっ!?」
(私、ユミリア・リ・アルテナぁぁぁあっ!?)
女神様、さすがに、これは酷いのではないでしょうか?
「ひぃっ!」
私につけられたメイドらしき人は、私が笑うと悲鳴をあげる。
「いやぁあっ、呪わないでっ、呪わないでぇっ!」
そして、私が泣けば、そんなことを言って慌て出す。
(いや、私はご飯だったりおむつだったりのために泣いてるんだけど?)
しばらくすれば、目も見えるようになり、そんなメイド達の反応で、遊ん、楽し……観察していたが……やはり、何かがおかしい。
(はて、人畜無害な赤ちゃんに、何をそんなに怯えることがあるんだろうか?)
赤ちゃん用のベッドの中でゴロゴロしながら、私は小さな頭で考える。
転生したのがバレた、にしても、その反応は異常としか思えない。しかし、メイドというメイドが私を避けるというか、怖がるのには、何か理由があるはずだ。下手をすれば、育児放棄されてもおかしくない環境が整っているわけなのだから。
それでも、私が世話をしてもらえたのは、ひとえに、この人の存在が大きいだろう。
「あー、だー」
「ふふふっ、お嬢様は可愛いですねー。さぁ、ご飯の時間ですよー」
「だーっ」
彼女の名前はメリー。海のように青く、長い髪を持つ、盲目の女性だ。そして、おそらく私の乳母というやつなのだろう。私の世話は、もっぱら、メリーがやってくれていた。
「ユミリアお嬢様は、こんなにいい子ですのにねー」
「うー」
そして、彼女が居るからこそ、私は、私の名前を知ることができた。
『ユミリア』というのが、今世の私の名前らしい。
(あのゲームのユミリアだったりして)
私が思い浮かべたのは、妹に頼まれて買いにいっていた乙女ゲーム『モフモフとゆく、恋の花』だ。妹は、攻略本を読んでからゲームに挑むことが多く、その時も、その乙女ゲームの内容を読み込んだ後に、私に買いにいくのを頼んでいた。そして、妹が読んでいた攻略本を私も読んでいたわけで……。
(悪役令嬢、ユミリア・リ・アルテナか)
彼女は、黒の獣つきというやつで、黒い猫耳と尻尾を持ったご令嬢だ。獣つきはまだしも、黒というのが相当に嫌悪される対象であったために、何もしていなくとも嫌われているご令嬢だ。
私としては、黒にゃんこの耳と尻尾を持つキュートな女の子、としか思えなかったけど……。
(ん? そういえば……これ、尻尾?)
と、そこで、私は自分のお尻の辺りに黒い長いモフモフを見つける。軽く握ってみれば、確かにそこには感覚がある。引っ張ってみれば、しっかりとお尻から生えていることも確認できた。
『んじゃ、頑張ってね、悪役令嬢さん?』
そして、唐突によみがえる、女神らしき人物の言葉。
「だぁぁぁあっ!?」
(私、ユミリア・リ・アルテナぁぁぁあっ!?)
女神様、さすがに、これは酷いのではないでしょうか?
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