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第一章 幼少期編
第一話 突然の転生
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「はい、あなた、転生ね」
「へっ?」
私の名前は田中雪。十八歳の大学生。
そんな私の前には、金髪碧眼の外国の美女様がメロンサイズの胸を張ってそう宣言していた。あっ、ちなみに、彼女の服は、ギリシャ神話の神様風だ。
「えーと?」
「あぁ、もちろん、能力はつけさせてもらうわよ? 言語理解と魔法は……全属性にしちゃいましょうっ! 後は、何か希望でもある?」
「あっ、じゃあ、私のゲームの力を。んでもって、ゲームの世界に生きたいですっ!」
結論。これは夢。
というわけで、私はそんな無茶振りをしてみると、やはりというか何というか、オーケーが出た。
「んじゃ、頑張ってね、悪役令嬢さん?」
「ん?」
ただ、何か不穏なワードが聞こえて……その後、世界が暗転した。
「おぎゃー、おぎゃー」
「こ、んな……こんなことって……」
「奥様っ! しっかりしてくださいっ、奥様!」
意識が戻った私は、なぜか目が見えなかった。そして、響く赤子の泣き声と、何やら絶望モードな周囲。
(えっ? 何がなんで……って、私、まさか赤ちゃん!?)
息苦しいのと、声を出して泣いているのが私だけなはずだということから正解に辿り着いた私は、大混乱に陥る。それはもう、親友から肩にカブトムシを乗せられた時並みの大混乱だ。
(えっ? えっ? えぇぇえっ!? 転生って、赤ちゃんスタート!?)
いくら何でも、この展開はない。夢ならさっさと覚めてほしい。そう思ったところで、私は、私の最期を思い出す。
(そういえば私、璃子ちゃんに頼まれてゲームを買いに行って……)
帰りに、通り魔から刺された記憶。周りから聞こえた悲鳴。体温を失う体と、鋭い痛み。それら全てを思い出して、私はさらに泣き叫ぶ。
「おぎゃー、おぎゃー、おぎゃぁあっ!!」
(あぁ、私、本当に転生、しちゃったんだ……)
未練がないなんてことはありえない。むしろ、未練たらたらだ。何せ……。
(やっと、やっと! 魔道職人のレベルをカンストしたのにっ! 次は創造神のジョブが解放されたのにっ! 私の地道な努力がぁっ! ゲームデータがぁぁぁあっ!!)
そうして、延々と未練を吐き出して泣き続けた私は、いつの間にか眠っていたのだった。
「へっ?」
私の名前は田中雪。十八歳の大学生。
そんな私の前には、金髪碧眼の外国の美女様がメロンサイズの胸を張ってそう宣言していた。あっ、ちなみに、彼女の服は、ギリシャ神話の神様風だ。
「えーと?」
「あぁ、もちろん、能力はつけさせてもらうわよ? 言語理解と魔法は……全属性にしちゃいましょうっ! 後は、何か希望でもある?」
「あっ、じゃあ、私のゲームの力を。んでもって、ゲームの世界に生きたいですっ!」
結論。これは夢。
というわけで、私はそんな無茶振りをしてみると、やはりというか何というか、オーケーが出た。
「んじゃ、頑張ってね、悪役令嬢さん?」
「ん?」
ただ、何か不穏なワードが聞こえて……その後、世界が暗転した。
「おぎゃー、おぎゃー」
「こ、んな……こんなことって……」
「奥様っ! しっかりしてくださいっ、奥様!」
意識が戻った私は、なぜか目が見えなかった。そして、響く赤子の泣き声と、何やら絶望モードな周囲。
(えっ? 何がなんで……って、私、まさか赤ちゃん!?)
息苦しいのと、声を出して泣いているのが私だけなはずだということから正解に辿り着いた私は、大混乱に陥る。それはもう、親友から肩にカブトムシを乗せられた時並みの大混乱だ。
(えっ? えっ? えぇぇえっ!? 転生って、赤ちゃんスタート!?)
いくら何でも、この展開はない。夢ならさっさと覚めてほしい。そう思ったところで、私は、私の最期を思い出す。
(そういえば私、璃子ちゃんに頼まれてゲームを買いに行って……)
帰りに、通り魔から刺された記憶。周りから聞こえた悲鳴。体温を失う体と、鋭い痛み。それら全てを思い出して、私はさらに泣き叫ぶ。
「おぎゃー、おぎゃー、おぎゃぁあっ!!」
(あぁ、私、本当に転生、しちゃったんだ……)
未練がないなんてことはありえない。むしろ、未練たらたらだ。何せ……。
(やっと、やっと! 魔道職人のレベルをカンストしたのにっ! 次は創造神のジョブが解放されたのにっ! 私の地道な努力がぁっ! ゲームデータがぁぁぁあっ!!)
そうして、延々と未練を吐き出して泣き続けた私は、いつの間にか眠っていたのだった。
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