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第二章 答えを求めて
第二十三話 隠し扉(杉下・中田グループ)
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階段とはいえ、そもそもが人が入れるスペースすら無さそうだった場所だ。
見えているのは、階段の上段のみ。周りの床をどうにかしないことには、とてもではないが下るスペースなどない。
「これって、他のところも開くの?」
「ぼ、僕もそれは知らないけど……でも、どこかに開けられる場所があるかも」
ひとまずは、階段が伸びる方向の床を持ち上げようとしてみるものの、全く動く様子はない。階段のサイドとなる二つの床も、やはり動かなかった。
「……これ、どこかに動かすスイッチでもあるのかもしれないわね。となると……どう探せば良いのかしら……」
押しても引いても、スライドさせようとしても、ビクともしない床。そうなると、何かの仕掛けがあるのかもしれないと考えるのが妥当だとばかりに、杉下は辺りを確認するものの、精々が本棚があるくらいで、何も分からない。
「よ、よく、アニメとか、漫画で、本棚の本を取り出したら、それが隠し扉のスイッチだった、とかあるけど……」
中田も、何かないかと探って、あり得ないだろうと思いつつも、踏み台を使っていくつかの本を取り出そうとして……。
カチ。
「っ!?」
「今のっ!」
一番高い段にあった本に手をかけると、先程までうんともすんとも言わなかった床がパタパタと自動的にめくれ上がり、完全に、地下へと続く階段が現れた。
よくよく見てみると、最初に見えた階段の上段は取り外しが可能なブロックになっており、それさえ外して、仕掛けを発動させないままであれば、中田の言うように小さな床下収納にしか見えない。
「と、図書室に、こんな地下階段が……」
あまりにも現実味のない光景に、中田は呆然と呟く。
どこかすえた臭いの生温い風が、ブワリと地下から吹き上がり、中田と杉下の髪を揺らす。
「っ……誰か、居るの……?」
図書室の中は明るいとはいえ、階段の先は不自然なまでに暗い。
懐中電灯で照らして声をかけた杉下だったが、その声に応える者は居なかった。
「ぼ、僕が、先頭に立つから、す、杉下さんは、僕の後ろから、着いてきて」
「中田君? でも、それは……」
「だ、大丈夫。な、何かあれば、すぐに知らせるから」
正体不明の声が敵か味方かも分からない。それでも、危険だと分かっていながら、中田は階段の先をしっかりと見据えて先頭に立つと告げる。
「……ありがとう。なら、最低限、何があっても良いように武器になるものは持ってて」
「う、うん。分かった」
杉下からハサミとカッターを受け取った中田は、そこからそっと、階段へと足を踏み出していく。
パタ、パタ、パタ、パタと上履きの音だけが響く。すえた臭いは、階段を下りれば下りるほどに強くなり、ともすれば吐き気を催してもおかしくないほどだった。
それでも、二人は無言で、階段を下り続ける。そして……。
「ひぃっ」
「あ……あぁ……」
二人は、平和な学校にあるはずのない光景に、腰を抜かした。
そこにあったのは、生徒集団失踪の答えだった……。
見えているのは、階段の上段のみ。周りの床をどうにかしないことには、とてもではないが下るスペースなどない。
「これって、他のところも開くの?」
「ぼ、僕もそれは知らないけど……でも、どこかに開けられる場所があるかも」
ひとまずは、階段が伸びる方向の床を持ち上げようとしてみるものの、全く動く様子はない。階段のサイドとなる二つの床も、やはり動かなかった。
「……これ、どこかに動かすスイッチでもあるのかもしれないわね。となると……どう探せば良いのかしら……」
押しても引いても、スライドさせようとしても、ビクともしない床。そうなると、何かの仕掛けがあるのかもしれないと考えるのが妥当だとばかりに、杉下は辺りを確認するものの、精々が本棚があるくらいで、何も分からない。
「よ、よく、アニメとか、漫画で、本棚の本を取り出したら、それが隠し扉のスイッチだった、とかあるけど……」
中田も、何かないかと探って、あり得ないだろうと思いつつも、踏み台を使っていくつかの本を取り出そうとして……。
カチ。
「っ!?」
「今のっ!」
一番高い段にあった本に手をかけると、先程までうんともすんとも言わなかった床がパタパタと自動的にめくれ上がり、完全に、地下へと続く階段が現れた。
よくよく見てみると、最初に見えた階段の上段は取り外しが可能なブロックになっており、それさえ外して、仕掛けを発動させないままであれば、中田の言うように小さな床下収納にしか見えない。
「と、図書室に、こんな地下階段が……」
あまりにも現実味のない光景に、中田は呆然と呟く。
どこかすえた臭いの生温い風が、ブワリと地下から吹き上がり、中田と杉下の髪を揺らす。
「っ……誰か、居るの……?」
図書室の中は明るいとはいえ、階段の先は不自然なまでに暗い。
懐中電灯で照らして声をかけた杉下だったが、その声に応える者は居なかった。
「ぼ、僕が、先頭に立つから、す、杉下さんは、僕の後ろから、着いてきて」
「中田君? でも、それは……」
「だ、大丈夫。な、何かあれば、すぐに知らせるから」
正体不明の声が敵か味方かも分からない。それでも、危険だと分かっていながら、中田は階段の先をしっかりと見据えて先頭に立つと告げる。
「……ありがとう。なら、最低限、何があっても良いように武器になるものは持ってて」
「う、うん。分かった」
杉下からハサミとカッターを受け取った中田は、そこからそっと、階段へと足を踏み出していく。
パタ、パタ、パタ、パタと上履きの音だけが響く。すえた臭いは、階段を下りれば下りるほどに強くなり、ともすれば吐き気を催してもおかしくないほどだった。
それでも、二人は無言で、階段を下り続ける。そして……。
「ひぃっ」
「あ……あぁ……」
二人は、平和な学校にあるはずのない光景に、腰を抜かした。
そこにあったのは、生徒集団失踪の答えだった……。
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