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第二章 三団子、旅をする
第三十五話 来客とヘル1
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新しい服のお披露目を終えて、発色が鮮やかになった三団子。
ヘルを置いてきぼりにして、そのまま日常を過ごすこととなるはずだった三団子達だが、そろそろ物語を進めなければならない。
そう、宿屋の部屋の扉がノックされることで、三団子達の日常には変化が訪れた。
「はい、どなたでしょうか?」
ノックに返事をしたのはロドフ。これは、あらかじめ決めていたことだ。ロドフが居ない場合は仕方がないものの、そうでなければ、ロドフを通した方が色々とスムーズに済むのだ。三団子を恐れる者はまだまだ多いため、必要な対策だ。
「あ、すみません。宿屋の者です。あの、お客様が来ているようなんですけど、こちらに通しますか?」
「客? お名前や目的は分かりますか?」
来客の予定は、全く無いわけではない。一応、商業ギルドの方からの連絡待ちの状態ではあったのだが、今日に至るまで特に連絡はなかった。だから、ロドフはその連絡が来たのかもしれないと思い、相手の素性を尋ねる。
「名前は、ロゥ爺で親しまれていますが、ええっと、確か、ロベルトさん、だったかな? あの、御三方に話がしたいとのことで……ミニチュア作りに関してと聞いています」
しかし、ロドフの予想は外れたらしい。
「ロベルトさん? ミニチュア?」
「「「あーっ、それ、きっと、おじいさんだ!」」」
困惑するロドフだったが、三団子の言葉で、少し前に商業ギルドで出会ったご老人を思い出したらしく、すぐに『入れてください』と答える。
そして、それから間もなくしてやってきたのは、やはりあの時のご老人だった。
「久しぶりじゃのぉ。若者達よ」
「「「お久しぶりです! おじいさんっ」」」
「こんにちは」
「キャン!」
ご老人は、大きな布の鞄を抱えながら、部屋の中へとゆっくり入ってきた。
「すまんのぉ、本当は、何か手土産を用意すべきじゃったんじゃろうが、食べ物の類は無くて、ワシが作ったカラクリくらいしかないんじゃが……。おや? 初めて見る者も居るようじゃなぁ」
そして、ご老人の視線はヘルの方にも向けられる。
「はじめまして。ワシはロベルト。皆からはロゥ爺と呼ばれておる」
ヘルは布団を被っているものの、明らかに幼そうなサイズ感だったためか、ロゥ爺はそう言ってそっとベッドの側にしゃがみ込む。
「……僕、ヘル」
「そうかそうか。ヘル、よろしくのぉ」
そう言って、被っている布団の上からその頭を撫でればヘルは少しだけビクッとした後、その中からそっと顔を出す。
ただし、その瞬間、ロベルトはヘルの姿に目をまるくするのだった。
ヘルを置いてきぼりにして、そのまま日常を過ごすこととなるはずだった三団子達だが、そろそろ物語を進めなければならない。
そう、宿屋の部屋の扉がノックされることで、三団子達の日常には変化が訪れた。
「はい、どなたでしょうか?」
ノックに返事をしたのはロドフ。これは、あらかじめ決めていたことだ。ロドフが居ない場合は仕方がないものの、そうでなければ、ロドフを通した方が色々とスムーズに済むのだ。三団子を恐れる者はまだまだ多いため、必要な対策だ。
「あ、すみません。宿屋の者です。あの、お客様が来ているようなんですけど、こちらに通しますか?」
「客? お名前や目的は分かりますか?」
来客の予定は、全く無いわけではない。一応、商業ギルドの方からの連絡待ちの状態ではあったのだが、今日に至るまで特に連絡はなかった。だから、ロドフはその連絡が来たのかもしれないと思い、相手の素性を尋ねる。
「名前は、ロゥ爺で親しまれていますが、ええっと、確か、ロベルトさん、だったかな? あの、御三方に話がしたいとのことで……ミニチュア作りに関してと聞いています」
しかし、ロドフの予想は外れたらしい。
「ロベルトさん? ミニチュア?」
「「「あーっ、それ、きっと、おじいさんだ!」」」
困惑するロドフだったが、三団子の言葉で、少し前に商業ギルドで出会ったご老人を思い出したらしく、すぐに『入れてください』と答える。
そして、それから間もなくしてやってきたのは、やはりあの時のご老人だった。
「久しぶりじゃのぉ。若者達よ」
「「「お久しぶりです! おじいさんっ」」」
「こんにちは」
「キャン!」
ご老人は、大きな布の鞄を抱えながら、部屋の中へとゆっくり入ってきた。
「すまんのぉ、本当は、何か手土産を用意すべきじゃったんじゃろうが、食べ物の類は無くて、ワシが作ったカラクリくらいしかないんじゃが……。おや? 初めて見る者も居るようじゃなぁ」
そして、ご老人の視線はヘルの方にも向けられる。
「はじめまして。ワシはロベルト。皆からはロゥ爺と呼ばれておる」
ヘルは布団を被っているものの、明らかに幼そうなサイズ感だったためか、ロゥ爺はそう言ってそっとベッドの側にしゃがみ込む。
「……僕、ヘル」
「そうかそうか。ヘル、よろしくのぉ」
そう言って、被っている布団の上からその頭を撫でればヘルは少しだけビクッとした後、その中からそっと顔を出す。
ただし、その瞬間、ロベルトはヘルの姿に目をまるくするのだった。
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