ポッチャリ三団子の逆襲 〜異世界で要らないと捨てられました〜

星宮歌

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第二章 三団子、旅をする

第二十一話 商業ギルドと三団子2

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 三団子達は、当然というか何というか、商業ギルドの責任者であるギルド長に呼ばれることとなった。ただ、三団子はなぜ自分達が呼ばれるのかという理由を完全に勘違いしており、ロドフへとお礼を言う。


「「「ありがとう、ロドフ君」」」

「え? あ、いえ、このくらいは問題ありません。では、行きましょうか」


 三団子は、これから話す内容のためにロドフが話をつけてくれたのだと思い、ロドフは、案内役をギルド職員から頼まれて引き受けたことにお礼を言われているのだという勘違い。しかし、別に害があるようなものではないので、ここは放っておくに限る。

 受付嬢は、やっと離れた三団子にようやく安堵する。そして、それ以外のギルド職員達は、ひたすら遠巻きに三団子へと恐怖を含んだ視線を向ける。
 そんなカオスな空間で、三団子はのんびりと歩き、のんびりとギルドの階段を上って、彼らの視界から消える。
 しばらくの間は、また戻ってくるだろうことが心配なのか動けなかったギルド職員達だが、新たな客がギルドに訪れたことでひとまず行動を再開する。そして、その間に、三団子達は、この町に関わる大切な話をギルド長相手に始めていた。


「……本当に、彼らは人間なのか?」


 ギルド長がギルドの応接室で待ち受けているということで、ロドフとともに向かった三団子達。しかし、入室の許可を得て入ってきた三団子に真っ先にかけられた声は、それだった。
 門番といい、ギルド長といい、三団子への評価が酷いと思われるかもしれないが、彼らはこんなに人間が太れるということを知らないのだ。そんな人間を見たことがないのだ。未知の生物として認識してしまうのは、至極当然のことだった。


「最初に説明した通りですが?」


 しかし、それを許せない者は三団子本人ではなかった。
 ここで鈍感力を発揮して、何を言っているのか理解していない様子の三団子を尻目に、ロドフはニコリと笑みを浮かべてギルド長の質問に応える。


「っ、すまなかった。ひとまず、椅子へ……その、お座りください」


 ロドフのその笑みが、ギルド長の目にどう映ったのかは不明だが、ギルド長は慌てて椅子を勧めようとして、その椅子の大きさと三団子の巨体を比較し……深まるロドフの笑みを目撃することで、諦めたように言葉を続ける。


「ワフ……」


 唯一、その事態に気付いたらしい子狼がロドフへとジト目を向けていたが、ロドフは気づかないふりをして、そのまま、勧められるがままに三団子とともに着席した。
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