ポッチャリ三団子の逆襲 〜異世界で要らないと捨てられました〜

星宮歌

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第二章 三団子、旅をする

第十七話 合流する三団子1

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 情報収集を終えたロドフと共に、三団子達は宿屋へと向かう。どうやら、ロドフはついでに宿の予約までしてくれていたらしく、三団子に対してできる男は違うということをまざまざと見せつける形となった。……とはいえ、三団子は全く気にしていないが。


「宿屋は、思った通り営業そのものをしていなくて、宿屋の主人を探して、食料と引き換えに泊まらせてもらうことにしました」


 そう言いながらも申し訳なさそうな顔をするロドフ。どうやら、ロドフに持たせていた食料の類はいくつか支払いのために使われたらしい。
 あまりないことだとは思われたが、元々、ロドフと三団子が別行動を取ることになった際、ロドフが食料に困らないようにと三団子は各々で様々な食料をロドフに分けていたのだ。
 次男の青団子は、干し肉を、三男の黄団子はスポーツドリンクを、末っ子赤団子はドライフルーツや多少日持ちする果物を。
 そして、そうしたものの中から、ロドフは干し肉と果物を支払いに使ったらしかった。


「「「ありがとう。ロドフ君!」」」


 食料を勝手に使ってしまったと負い目を感じているらしいロドフに、三団子は呑気にお礼を言う。三団子としては、食料は魔力が続く限り生み出せるし、食べるものに困っている人を少しでも救えるということが嬉しいのだろうが、ロドフはどうしても、そう楽観的には考えられないようだった。


「いえ、ですが、もしも俺達が食料を持っていることが広まれば、強引に奪おうとする人も出てくるかもしれません。そうなった時、俺一人で全員を守れるかどうか……」

「キャンキャン! キャンッ!」


 『僕も戦えるよっ!』とでも言うかのように鳴き声をあげてアピールする子狼。それに対して、ロドフは分かっているのか分かっていないのか、子狼を抱き上げて『もちろん、お前も頼りにしてるよ』などと声をかける。

 やはり、ロドフには主人公とか、勇者とか、そういった役職が似合いそうな気がしてならない。


「確かにねぇ」

「僕達、戦えないし……」

「そこは、早く何とかしないとだよね……」


 戦闘能力皆無な三団子。もちろん、その巨体で押し潰すくらいのことはできそうだが、戦闘に関する基本スペックが全くない三団子では、簡単に討伐されてしまうだろう。
 ここ最近は絶望的な運・動・不・足は解消されつつあるかもしれないが、それでもやはり、三団子の丸々でっぷり体型に変化はない。もはや呪いかと思うくらいに、三団子の存在感は際立っているのだ。三団子が食料を持っていると分かれば、彼らはとても良く目立ってしまうというわけだ。

 戦闘方面では完全に役立たず。となれば、三団子が着手できる問題は食料不足という現状しかない。当然、それは難しいと結論を下したばかりではあるものの、ロドフの情報次第では何とかなるかもしれなかった。
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