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第二章 三団子、旅をする
第十一話 マルマの町と三団子3
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マルマの町は、それなりに大きな町であり、木工が有名な町でもある。しかし、今はやはり、干ばつによる食糧不足で元の活気は全くない。
町の中を歩いても、あまり多くの人に出会すことはなく、家まで失ったのか、路地裏でぼんやりと宙を眺めるだけの人も少なくはない。
「思った以上に、この場所も深刻みたいです」
「そうだねぇ」
「あんまり、町の中の治安も良くなさそうだしね」
「早めに出た方が良いのかな?」
実際、三団子という人かどうかも分からない存在が目立つからこそ、今の今まで襲われていなかったのかもしれない。そうでなければ、例えば、ロドフと子狼だけで歩いていたのなら、町中だろうと身ぐるみを剥がされていた可能性もある。
三団子の力であれば、食料は大量に供給することが可能だ。しかし、それをずっと続けるわけにはいかない。三団子にも、救える人数に限界はあるのだ。
そして、今回の場合は、あの盗賊達に渡した種をこの土地にばら撒くというのも難しい。
もし、そんなことをしたら、食料を求める人々の間で奪い合い、いや、最悪の場合は、殺し合いが起こりかねないのだ。
種の説明をどこかの権力者なり町民から信頼を寄せられている人物なりがしてくれていれば話は別だが、そうではなく、突発的に発生した食料であれば、それは争いの種にしかならない。
三団子は、現在、この町の状況を解決する手段を全く持たなかった。
「……気に病まないでください。こういうことは、それなりに多いことで、普通のことですから」
「キャンキャンッ」
暗い顔……多分、暗い顔をした三団子を見て、ロドフはそう励ます。
とはいえ、三団子にとって、これはそれなりに多いことでも、普通のことでもない。平和な国でのんびりのほほんと暮らし、その体重を無限にブクブクブヨブヨ増加させてきた三団子には、この状況は異常だとしか思えなかった。
自分達の身の安全を優先しなければならないという意識もあるため、言葉の上では見捨てるという選択を取ろうとしているようだが、それでも助けられないことへの未練があるのか、鬱陶しいため息が臭い息とともに吐き出される。
「「「はぁ……」」」
干ばつということは、水が干上がったということだ。そして、ひとまず干ばつそのものは終わったのかもしれないが、干ばつの影響で作物は育たなくなる。しかも、周辺の植物が枯れ、動物が居なくなる。
必然的に飢饉となって、深刻な食料不足で誰もがボロボロなのだ。
もしかしたら、あの門番達の強面も、なるべくしてなったものなのかもしれない。
「……えっと、情報収集は、どうします?」
そんな辛気臭く、物理的にも臭い三団子を見かねてか、ロドフは、徐ろにそう問いかけていた。
町の中を歩いても、あまり多くの人に出会すことはなく、家まで失ったのか、路地裏でぼんやりと宙を眺めるだけの人も少なくはない。
「思った以上に、この場所も深刻みたいです」
「そうだねぇ」
「あんまり、町の中の治安も良くなさそうだしね」
「早めに出た方が良いのかな?」
実際、三団子という人かどうかも分からない存在が目立つからこそ、今の今まで襲われていなかったのかもしれない。そうでなければ、例えば、ロドフと子狼だけで歩いていたのなら、町中だろうと身ぐるみを剥がされていた可能性もある。
三団子の力であれば、食料は大量に供給することが可能だ。しかし、それをずっと続けるわけにはいかない。三団子にも、救える人数に限界はあるのだ。
そして、今回の場合は、あの盗賊達に渡した種をこの土地にばら撒くというのも難しい。
もし、そんなことをしたら、食料を求める人々の間で奪い合い、いや、最悪の場合は、殺し合いが起こりかねないのだ。
種の説明をどこかの権力者なり町民から信頼を寄せられている人物なりがしてくれていれば話は別だが、そうではなく、突発的に発生した食料であれば、それは争いの種にしかならない。
三団子は、現在、この町の状況を解決する手段を全く持たなかった。
「……気に病まないでください。こういうことは、それなりに多いことで、普通のことですから」
「キャンキャンッ」
暗い顔……多分、暗い顔をした三団子を見て、ロドフはそう励ます。
とはいえ、三団子にとって、これはそれなりに多いことでも、普通のことでもない。平和な国でのんびりのほほんと暮らし、その体重を無限にブクブクブヨブヨ増加させてきた三団子には、この状況は異常だとしか思えなかった。
自分達の身の安全を優先しなければならないという意識もあるため、言葉の上では見捨てるという選択を取ろうとしているようだが、それでも助けられないことへの未練があるのか、鬱陶しいため息が臭い息とともに吐き出される。
「「「はぁ……」」」
干ばつということは、水が干上がったということだ。そして、ひとまず干ばつそのものは終わったのかもしれないが、干ばつの影響で作物は育たなくなる。しかも、周辺の植物が枯れ、動物が居なくなる。
必然的に飢饉となって、深刻な食料不足で誰もがボロボロなのだ。
もしかしたら、あの門番達の強面も、なるべくしてなったものなのかもしれない。
「……えっと、情報収集は、どうします?」
そんな辛気臭く、物理的にも臭い三団子を見かねてか、ロドフは、徐ろにそう問いかけていた。
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