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第二章 三団子、旅をする
第三話 盗賊と三団子3
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結論から言えば、三団子に命の危機は訪れなかった。
荷物の中から出したかのように様々な日持ちする食料を盗賊達に分け与えた三団子は、盗賊達に深く深く感謝された。そして……。
「あと、これ、まだ実験段階ではあるんだけど、少しの魔力ですぐに育つ種なんだ。色々と食べ物の種ではあるから、植えてみて」
そう言って末っ子赤団子が取り出した袋には、大量の種が種類別に入っていた。
実はこれ、本来はロドフの村の救済策として、末っ子赤団子が考えていたものだったりする。
末っ子赤団子のスキルは、デザートを出す能力。そして、そのデザートには、想像次第で様々な能力を付与することが可能だ。
そこで、末っ子赤団子は考えたのだ。デザートとして、果物を出し、その種が少ない魔力で数分から数時間のうちに育つようにできないかと。そして、成長した果物から採れた種にも、同じ性質を持たせることはできないかと。
「うぉぉおんっ! ありがてぇっ、ありがてぇっ!」
「うぉおっ、これで、息子に少しでも食べさせることができるっ」
「あぁあっ、神様! おっかさんが、寝たきりで、でも、少しでも食わせてやれるなら、ありがてぇよぉ」
「うぁぁあっ、もう、もう、ダメかと思ってた。妻も子どもも、もう、動けねぇんだ。ありがてぇっ」
「これで、うぅっ、これで、とうちゃんも元気になってくんねぇかなぁ」
末っ子赤団子がその場で種を芽吹かせる実演してみせれば、それはみるみるうちに成長して、たくさんの桃を実らせた。サイズは手のひらサイズの小ささではあるものの、一つもいで切ってみれば、甘い果汁がジュワリと滴る。十分に甘くて美味しい実だということを知った盗賊達は、さらに泣く。
「なるほどなぁ」
「僕は無理だけど、兄さんなら、似たことができる?」
そんな様子を見ながら、次兄の青団子と三男の黄団子がヒソヒソと話す。
もちろん、彼らの存在感は多少ヒソヒソしたところで消せはしないが、赤団子というもう一つの圧倒的存在感に注目している盗賊達は気づかない。
いや、ここは、盗賊達にそこまでの余裕がないといった方が正しいだろう。
「種がある野菜……かぼちゃとか、アボカドとか? じゃがいもはそのまま植えられたよね?」
「スイカもいけるんじゃない? あと、確かトマトとかも、あのズルズルしたところの種を成長させられたと思うよ!」
そうコソコソと話して、ひっそりとその食べ物を出してしまう青団子。もちろん、赤団子と同じように出来ているかの保証はないが、この作物から採れる種は赤団子と同じように想像しているため、きっと上手くいくだろう。
「こっちの作物も、重いけど要る? こっちは、切って赤い果肉をそのまま食べたら良いよぉ。黒い種は、植えてみてね! こっちは、かなり硬いから切るの大変だけど、一口サイズに切って煮物とかにすると良いよ! 中にある種は、やっぱり植えてみて」
「これはね、アボカドっていうんだけど、切り方にコツがあって、真ん中に大きな種があるから、そこにむけてグルっと一周包丁を滑らせて、そのまま両方を手に取って回したら種が残ってる方とそうでない方で分けられるよ! 栄養豊富だけど、皮には菌がついてて、妊婦さんとかには毒になっちゃうから、良く洗ってから取り扱ってね!」
そんな風に、青団子も黄団子も説明をして、いくつかは実演して盗賊達に食べさせることをしていたら、いつの間にか、盗賊達は元気になっていた。
そこそこ重いはずのかぼちゃやスイカもものともせずに持ち上げて、何度も何度もお礼を告げつつ、盗賊達は……いや、ただただ、家族のためにと心を殺して動いていただけの元村人は、三団子達の優しさに感動しながら去っていった。
荷物の中から出したかのように様々な日持ちする食料を盗賊達に分け与えた三団子は、盗賊達に深く深く感謝された。そして……。
「あと、これ、まだ実験段階ではあるんだけど、少しの魔力ですぐに育つ種なんだ。色々と食べ物の種ではあるから、植えてみて」
そう言って末っ子赤団子が取り出した袋には、大量の種が種類別に入っていた。
実はこれ、本来はロドフの村の救済策として、末っ子赤団子が考えていたものだったりする。
末っ子赤団子のスキルは、デザートを出す能力。そして、そのデザートには、想像次第で様々な能力を付与することが可能だ。
そこで、末っ子赤団子は考えたのだ。デザートとして、果物を出し、その種が少ない魔力で数分から数時間のうちに育つようにできないかと。そして、成長した果物から採れた種にも、同じ性質を持たせることはできないかと。
「うぉぉおんっ! ありがてぇっ、ありがてぇっ!」
「うぉおっ、これで、息子に少しでも食べさせることができるっ」
「あぁあっ、神様! おっかさんが、寝たきりで、でも、少しでも食わせてやれるなら、ありがてぇよぉ」
「うぁぁあっ、もう、もう、ダメかと思ってた。妻も子どもも、もう、動けねぇんだ。ありがてぇっ」
「これで、うぅっ、これで、とうちゃんも元気になってくんねぇかなぁ」
末っ子赤団子がその場で種を芽吹かせる実演してみせれば、それはみるみるうちに成長して、たくさんの桃を実らせた。サイズは手のひらサイズの小ささではあるものの、一つもいで切ってみれば、甘い果汁がジュワリと滴る。十分に甘くて美味しい実だということを知った盗賊達は、さらに泣く。
「なるほどなぁ」
「僕は無理だけど、兄さんなら、似たことができる?」
そんな様子を見ながら、次兄の青団子と三男の黄団子がヒソヒソと話す。
もちろん、彼らの存在感は多少ヒソヒソしたところで消せはしないが、赤団子というもう一つの圧倒的存在感に注目している盗賊達は気づかない。
いや、ここは、盗賊達にそこまでの余裕がないといった方が正しいだろう。
「種がある野菜……かぼちゃとか、アボカドとか? じゃがいもはそのまま植えられたよね?」
「スイカもいけるんじゃない? あと、確かトマトとかも、あのズルズルしたところの種を成長させられたと思うよ!」
そうコソコソと話して、ひっそりとその食べ物を出してしまう青団子。もちろん、赤団子と同じように出来ているかの保証はないが、この作物から採れる種は赤団子と同じように想像しているため、きっと上手くいくだろう。
「こっちの作物も、重いけど要る? こっちは、切って赤い果肉をそのまま食べたら良いよぉ。黒い種は、植えてみてね! こっちは、かなり硬いから切るの大変だけど、一口サイズに切って煮物とかにすると良いよ! 中にある種は、やっぱり植えてみて」
「これはね、アボカドっていうんだけど、切り方にコツがあって、真ん中に大きな種があるから、そこにむけてグルっと一周包丁を滑らせて、そのまま両方を手に取って回したら種が残ってる方とそうでない方で分けられるよ! 栄養豊富だけど、皮には菌がついてて、妊婦さんとかには毒になっちゃうから、良く洗ってから取り扱ってね!」
そんな風に、青団子も黄団子も説明をして、いくつかは実演して盗賊達に食べさせることをしていたら、いつの間にか、盗賊達は元気になっていた。
そこそこ重いはずのかぼちゃやスイカもものともせずに持ち上げて、何度も何度もお礼を告げつつ、盗賊達は……いや、ただただ、家族のためにと心を殺して動いていただけの元村人は、三団子達の優しさに感動しながら去っていった。
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