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第一章 三団子、異世界に立つ
閑話 マッスル長兄の思考2
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「ひとまず、このステータスの検証が先だな」
そうして、質は『ステータスオープン』と小さく呟く。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
椎名質(レベル1)
攻撃力 65000/65000
防御力 120000/120000
体力 7000/7000
魔力 150/150
スキル
マッスルキッチン……筋肉を育てるために良いとされる栄養を持つ食べ物の名前を告げることで、魔力と引き換えにそれを召喚することができる。
マッスルパワー覚醒……日々の筋トレによってチャージされるゲージを溜めると、一日に一度、全てのステータスを三倍にすることができる。
現在のチャージ率 100%
サバイバル技術……サバイバルに関する技術を有する
称号
筋肉神の愛し子
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
………………三団子の時も、ツッコミどころ満載だったステータス。やはりというか何というか、血の繋がりというのは侮れない。長兄、質のステータスも、化け物クラスのものであり、これがあの女王様に知られると面倒以外の何者でもない。
ただ、三団子はまだしも、長兄な質にまで食事関連のスキルがあるというのは、三団子の呪いではないかと思えてしまう。実際、魔力の値は低いので、食料を出せたとしても、僅かなものであるに違いないのだが、ここまで統一する必要はなかったと思われる。
「……とはいえ、さすがにどう検証したものか……。攻撃力や防御力、体力が異常なのは分かっているが……」
三団子と質の違うところは、周りに別の人間が居るかどうかだ。周りに人間が居て、なおかつ交友関係のある者ならば、お互いのステータスを比べるくらいのことはする。
その結果、マッスルサークルにおいて最も戦闘能力が高いと判断されたのが質だった。さすがに、相手も武器を持っているだろうということで、すぐに脱獄というわけにはいかないが、それでも、もしも戦うのであれば、質が先陣を切ることとなるだろう。
「今、試せそうなのは、マッスルキッチンか……なら、『プロテインバー』」
そう、質が呟いた瞬間、質の右手には日頃食べ慣れたプロテインバーが、むき出しで一本握られていた。
「なるほど、包装などはなく、食品そのものが出るわけか。魔力の減り具合は……五だな。場所も指定できるのか、やってみよう」
そう言って、質は再び『プロテインバー』と告げて、先程とは反対の手にプロテインバーが握られる。
そんな風に色々と検証した結果、視認できる範囲内であれば、恐らくどこにでも食品の召喚が可能だということと、魔力の減り具合はよほど量が多くなければ一律で五だということ、物によっては、皿などの器を用意しておかないと大惨事になりそうだということが判明する。
その日、質は労働を終えた後に部長とこの情報を共有し、翌日以降、脱獄のための計画を練ることとなった。
そうして、質は『ステータスオープン』と小さく呟く。
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椎名質(レベル1)
攻撃力 65000/65000
防御力 120000/120000
体力 7000/7000
魔力 150/150
スキル
マッスルキッチン……筋肉を育てるために良いとされる栄養を持つ食べ物の名前を告げることで、魔力と引き換えにそれを召喚することができる。
マッスルパワー覚醒……日々の筋トレによってチャージされるゲージを溜めると、一日に一度、全てのステータスを三倍にすることができる。
現在のチャージ率 100%
サバイバル技術……サバイバルに関する技術を有する
称号
筋肉神の愛し子
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………………三団子の時も、ツッコミどころ満載だったステータス。やはりというか何というか、血の繋がりというのは侮れない。長兄、質のステータスも、化け物クラスのものであり、これがあの女王様に知られると面倒以外の何者でもない。
ただ、三団子はまだしも、長兄な質にまで食事関連のスキルがあるというのは、三団子の呪いではないかと思えてしまう。実際、魔力の値は低いので、食料を出せたとしても、僅かなものであるに違いないのだが、ここまで統一する必要はなかったと思われる。
「……とはいえ、さすがにどう検証したものか……。攻撃力や防御力、体力が異常なのは分かっているが……」
三団子と質の違うところは、周りに別の人間が居るかどうかだ。周りに人間が居て、なおかつ交友関係のある者ならば、お互いのステータスを比べるくらいのことはする。
その結果、マッスルサークルにおいて最も戦闘能力が高いと判断されたのが質だった。さすがに、相手も武器を持っているだろうということで、すぐに脱獄というわけにはいかないが、それでも、もしも戦うのであれば、質が先陣を切ることとなるだろう。
「今、試せそうなのは、マッスルキッチンか……なら、『プロテインバー』」
そう、質が呟いた瞬間、質の右手には日頃食べ慣れたプロテインバーが、むき出しで一本握られていた。
「なるほど、包装などはなく、食品そのものが出るわけか。魔力の減り具合は……五だな。場所も指定できるのか、やってみよう」
そう言って、質は再び『プロテインバー』と告げて、先程とは反対の手にプロテインバーが握られる。
そんな風に色々と検証した結果、視認できる範囲内であれば、恐らくどこにでも食品の召喚が可能だということと、魔力の減り具合はよほど量が多くなければ一律で五だということ、物によっては、皿などの器を用意しておかないと大惨事になりそうだということが判明する。
その日、質は労働を終えた後に部長とこの情報を共有し、翌日以降、脱獄のための計画を練ることとなった。
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