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第一章 三団子、異世界に立つ
第三十九話 寂れた村と三団子6
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三団子の食事風景は、もうどうでも良いだろう。きっと、見たいという奇特な人もそう多くはないはずだ。
あの後の流れとしては、あまり落ち着いてはいないものの、ひとまず叫んだりブツブツと呟くのをやめたロドフを赤団子が食卓へ連れていき、強制的に食事をさせたという形になっている。
その中で、また悪夢の『あーん』があったのかどうかは想像にお任せするが、精神衛生的にはあまり想像しない方が身のためだと忠告しておこう。
「すみません。俺、まだ、色々と整理がついてなくて……」
「大丈夫だよぉ」
「そうそう、今は、ロドフ君が落ち着くことが優先だもんね」
「何か、僕達にできることがあれば教えてね」
「キャンッキュウンッ」
食事が終わって、ひとまず三団子に声を掛けるくらいのことはできるようになったらしいロドフだが、それでもまだ、色々と混乱があるらしい。
食欲さえ爆発させなければ、案外まともな三団子。時々デリカシーに欠けるところもあるかもしれないが、それでも優しい彼らなら、ロドフが立ち直るための手助けくらいはしてくれるだろう。
「あっ、そうだ! 確か、カモミールティーとかは心が落ち着く作用があるはずだよ! ちょっと出してみるから、苦手じゃなければ飲んでみてっ」
と、そこで三男の黄団子が珍しくそんな提案をする。もしかしたら、ロドフと自分だけが一緒に居たのに何も出来なかったことを後悔しているのかもしれない。たとえ、そうでなかったとしても、黄団子の提案は良いものだと思われた。
「かもみーるてぃー? えっと、どんなものか分かりませんが、ありがとうございます。試してみますね」
「うん、それじゃあ、どうぞ!」
ただ、ここで忘れてはいけないのは、三団子のスキル。三団子が出す食事や飲み物には、三団子自身が想像する効果をガッツリと付与できるわけで……。
「良い匂いですね。それに、とても美味しいです!」
つい先程までは、迷子になった子どものような表情だったはずのロドフ。しかし今は、全ての憑き物が取れたかのようにスッキリとした表情を浮かべている。
「この香り、すごく落ち着きますね」
「良かった! カモミールには、リラックスの効果があって、何か不安なことがあった時には最適な飲み物なんだよ!」
確かに、カモミールティーにはリラックス効果や鎮痛効果などがある。しかし、本来のカモミールティーにここまで即効性があるかどうかは不明だ。
「それに、何だか眠くなってきて……」
「きっと、昨日の夜、寝られなかったんだよね。眠れそうなら、少し寝てくると良いよ」
「そうだねぇ。ここは、僕達で片付けておくから」
「うん、しっかり寝て、目が覚めたら、また色々考えよう」
珍しく、黄団子、青団子、赤団子の順での発言となったが、そんな三団子を気にすることもなく、ロドフは『では、少しだけ』と言って、退出していく。
「キャウン」
子狼だけは、どこか不満そうではあったものの、今はロドフが優先だとばかりに三団子は子狼の主張を無視する。
それから数時間の後、ようやく、何が起こったのかを三団子は知ることとなった。
あの後の流れとしては、あまり落ち着いてはいないものの、ひとまず叫んだりブツブツと呟くのをやめたロドフを赤団子が食卓へ連れていき、強制的に食事をさせたという形になっている。
その中で、また悪夢の『あーん』があったのかどうかは想像にお任せするが、精神衛生的にはあまり想像しない方が身のためだと忠告しておこう。
「すみません。俺、まだ、色々と整理がついてなくて……」
「大丈夫だよぉ」
「そうそう、今は、ロドフ君が落ち着くことが優先だもんね」
「何か、僕達にできることがあれば教えてね」
「キャンッキュウンッ」
食事が終わって、ひとまず三団子に声を掛けるくらいのことはできるようになったらしいロドフだが、それでもまだ、色々と混乱があるらしい。
食欲さえ爆発させなければ、案外まともな三団子。時々デリカシーに欠けるところもあるかもしれないが、それでも優しい彼らなら、ロドフが立ち直るための手助けくらいはしてくれるだろう。
「あっ、そうだ! 確か、カモミールティーとかは心が落ち着く作用があるはずだよ! ちょっと出してみるから、苦手じゃなければ飲んでみてっ」
と、そこで三男の黄団子が珍しくそんな提案をする。もしかしたら、ロドフと自分だけが一緒に居たのに何も出来なかったことを後悔しているのかもしれない。たとえ、そうでなかったとしても、黄団子の提案は良いものだと思われた。
「かもみーるてぃー? えっと、どんなものか分かりませんが、ありがとうございます。試してみますね」
「うん、それじゃあ、どうぞ!」
ただ、ここで忘れてはいけないのは、三団子のスキル。三団子が出す食事や飲み物には、三団子自身が想像する効果をガッツリと付与できるわけで……。
「良い匂いですね。それに、とても美味しいです!」
つい先程までは、迷子になった子どものような表情だったはずのロドフ。しかし今は、全ての憑き物が取れたかのようにスッキリとした表情を浮かべている。
「この香り、すごく落ち着きますね」
「良かった! カモミールには、リラックスの効果があって、何か不安なことがあった時には最適な飲み物なんだよ!」
確かに、カモミールティーにはリラックス効果や鎮痛効果などがある。しかし、本来のカモミールティーにここまで即効性があるかどうかは不明だ。
「それに、何だか眠くなってきて……」
「きっと、昨日の夜、寝られなかったんだよね。眠れそうなら、少し寝てくると良いよ」
「そうだねぇ。ここは、僕達で片付けておくから」
「うん、しっかり寝て、目が覚めたら、また色々考えよう」
珍しく、黄団子、青団子、赤団子の順での発言となったが、そんな三団子を気にすることもなく、ロドフは『では、少しだけ』と言って、退出していく。
「キャウン」
子狼だけは、どこか不満そうではあったものの、今はロドフが優先だとばかりに三団子は子狼の主張を無視する。
それから数時間の後、ようやく、何が起こったのかを三団子は知ることとなった。
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