ポッチャリ三団子の逆襲 〜異世界で要らないと捨てられました〜

星宮歌

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第一章 三団子、異世界に立つ

第三十七話 寂れた村と三団子4

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 翌日、大いびきをかく三団子を置いて、ロドフはそっと家の中を探し始める。
 ロドフが起きた時、子狼も少しだけ顔を上げたものの、すぐに興味を失ったかのように再び目を閉じる。

 そうして、しばらくの捜索の後、ロドフは収納用の引き出しの中からそれを見つけた。


「ん……ロドフ君? もう起きたの?」


 と、そこに現れたのは、ずっしりどっしり体型を誇る三男の黄団子。
 夜は明けたとはいえ、まだまだ起きるには早い時間だ。きっと、黄団子は何かを食べたくなって起きてきたのだろう。


「あ、剛さん。おはようございます。その、どうしても、何かないか気になってしまって……」

「……そっかぁ。それなら、僕も一緒に居ようか? 目も覚めちゃったし」


 そう言いながらも、黄団子の目は全く覚めている様子はない。まぶたもどうにか開こうとしているものの、すぐにその肉に埋もれてしまう状態だ。とはいえ、顔さえ見えなければ言葉ははっきりとしており、眠そうな様子には感じられない。
 この時間が、もう少し空が明るくなっている時間であれば、ロドフも黄団子の様子に気づけたのだろうが、ロドフは黄団子の言葉がはっきりとしていることで、言葉をそのまま受け取ってしまう。


「えっと、ありがとうございます。正直、それらしいものは見つけたんですけど、一人で見る勇気もなくて……」


 普段なら、黄団子の気遣いに遠慮していたであろうロドフだったが、色々あったせいで眠れていないのだろう。素直に黄団子の言葉を受け入れて、一緒に見つけたものを確認しようという方向に進んでいく。

 今更ながら、本当に良いのかロドフ?
 重要なものを確認するようだが、相手はどっしりぶくぶく黄団子だぞ?

 と、そんなことは思えども、ロドフはいそいそと重力操作のスキルを使って、黄団子へ椅子を勧める。そして、その手に持つものを……両親からの一枚の手紙を、ロドフは一度深呼吸をして、そっと開いた。


『愛しい我が子、ロドフへ。

 追い出すようなことをして、ごめんね。

 記憶を封じてごめんね。

 でも、私達は、ずっとずっと、ロドフのことを愛してるわ。

 貴方を愛する両親より』


 謝罪と、愛の言葉。それから、『記憶を封じて』という少し奇妙な言葉。それらを読み終えたロドフは、その手紙を手から落とす。


「? ロドフ君?」


 眠いながらも、ロドフの異常に気づけた黄団子。そして……。


「あ、あ、あぁ、あぁぁぁぁぁあぁぁあっ!!!!」


 ロドフは、頭を抱えて叫んだ。
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