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第一章 三団子、異世界に立つ
第三十五話 寂れた村と三団子2
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確かに、ロドフから話は聞いていた。しかし、田畑は荒れ果て、家ですら崩れかけのボロボロ、地面には草の一本も生えておらず、動物の気配すら感じられない。そんな、もはや死んでしまっているかのような村を前に、三団子はゴクリとつばを飲み込む。
本当に、こんな場所に人が住んでいるのか、三団子の……いや、一般的な常識から考えると疑問でしかない。
しかし、そんな村の様子に困惑するのは、三団子だけではなかった。
「なん、で……」
たった一日離れただけの村。それを見て、なぜかロドフも困惑の表情を浮かべていた。
「っ、カイじいっ! メトばあちゃんっ! リリーおばさんっ! 父さんっ、母さんっ!!」
三団子が止める間もなく、ロドフは駆け出す。そして、それぞれの家の扉を開けて、誰かの名前を呼びながら、必死に必死に捜す。
三団子はもちろん、何が何だか分からない。ただ、この村が随分と長く放置されていたように見えるのは、きっと気の所為ではないだろう。
ノロノロとただでさえ重い足取りなのにさらに重くなったような足を動かして、三団子はゆっくりと村の中を歩く。
時折、ロドフの誰かを呼ぶ悲痛な叫びが聞こえるものの、三団子もまた、どうすれば良いのか分かってはいない。
そうして歩き続けていると、一軒だけ、比較的最近まで人が住んでいたらしき家へと到着する。
「っ、父さんっ、母さんっ!」
どうやら、そこはロドフの家だったらしい。ロドフは、三団子を追い抜いて、家に駆け込むと何度も何度も両親を呼ぶ。しかし、それに応える声はどこからも聞こえてはこない。
「どうして……どうして、皆、居ないんだ……」
「ロドフ君? 僕達も、入るよぉ?」
呆然とした様子のロドフ。三団子は、勝手に入っても良いものかとまた考えている様子ではあったものの、聞こえているかどうかも分からないロドフに一応の許可を求めて、ゆっくりと、床をミシミシ言わせながら家の中へ入る。
「ここに、皆居たはずなんです。俺、皆に守られてて、でも、このままこの村に居たら死んでしまうからって、口減らしもあったけど、でも、それでも、本当は、俺が生き残るために……」
思いつくままに言葉を口にするロドフに、三団子はずっと黙ったままの子狼とともに寄り添って、ただただ静かに話を聞く。
三団子とて、状況は分からない。それでも、今一番困惑して、苦しんでいるのが誰なのかくらいは分かっていた。
欲を言うなら、こんな丸々とした三団子よりも、可愛い女の子辺りが寄り添っていればビジュアル的にも良かったかもしれないが、残念ながら、ここには三団子と子狼しか居ない。視界の暴力はまだまだ続く。
本当に、こんな場所に人が住んでいるのか、三団子の……いや、一般的な常識から考えると疑問でしかない。
しかし、そんな村の様子に困惑するのは、三団子だけではなかった。
「なん、で……」
たった一日離れただけの村。それを見て、なぜかロドフも困惑の表情を浮かべていた。
「っ、カイじいっ! メトばあちゃんっ! リリーおばさんっ! 父さんっ、母さんっ!!」
三団子が止める間もなく、ロドフは駆け出す。そして、それぞれの家の扉を開けて、誰かの名前を呼びながら、必死に必死に捜す。
三団子はもちろん、何が何だか分からない。ただ、この村が随分と長く放置されていたように見えるのは、きっと気の所為ではないだろう。
ノロノロとただでさえ重い足取りなのにさらに重くなったような足を動かして、三団子はゆっくりと村の中を歩く。
時折、ロドフの誰かを呼ぶ悲痛な叫びが聞こえるものの、三団子もまた、どうすれば良いのか分かってはいない。
そうして歩き続けていると、一軒だけ、比較的最近まで人が住んでいたらしき家へと到着する。
「っ、父さんっ、母さんっ!」
どうやら、そこはロドフの家だったらしい。ロドフは、三団子を追い抜いて、家に駆け込むと何度も何度も両親を呼ぶ。しかし、それに応える声はどこからも聞こえてはこない。
「どうして……どうして、皆、居ないんだ……」
「ロドフ君? 僕達も、入るよぉ?」
呆然とした様子のロドフ。三団子は、勝手に入っても良いものかとまた考えている様子ではあったものの、聞こえているかどうかも分からないロドフに一応の許可を求めて、ゆっくりと、床をミシミシ言わせながら家の中へ入る。
「ここに、皆居たはずなんです。俺、皆に守られてて、でも、このままこの村に居たら死んでしまうからって、口減らしもあったけど、でも、それでも、本当は、俺が生き残るために……」
思いつくままに言葉を口にするロドフに、三団子はずっと黙ったままの子狼とともに寄り添って、ただただ静かに話を聞く。
三団子とて、状況は分からない。それでも、今一番困惑して、苦しんでいるのが誰なのかくらいは分かっていた。
欲を言うなら、こんな丸々とした三団子よりも、可愛い女の子辺りが寄り添っていればビジュアル的にも良かったかもしれないが、残念ながら、ここには三団子と子狼しか居ない。視界の暴力はまだまだ続く。
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