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第一章 三団子、異世界に立つ
第二十三話 歓迎された三団子?
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『ようこそ』
扉が開いた瞬間、そんな言葉がどこからともなく聞こえたかと思えば、その場にはあの存在感たっぷりで誰もが無視できないはずの三団子の姿と、その近くに居たはずの子狼の姿は消えていた。
その後、バタンと音がして、先程三団子が開いた扉がひとりでに閉まった。
「「「えっ!?」」」
「キャンッ!」
三団子は、突如として変わった景色に、ただ一言の驚嘆しかもらすことができず、対して子狼は尻尾をフリフリ嬉しそうに鳴く。
三団子が居るその場所は、恐らくは先程の小屋の中なのだろう。木造の床は明るいベージュ色で、壁には天井に届くくらいの本棚がびっしりと敷き詰められている。
もちろん、奥の方には洗面所やお手洗い、リビングやキッチンらしき部屋も見受けられるが、ひとまず、三団子は全く見覚えもなければ入った記憶もない場所で棒立ちとなっていた。
「キャンッ、キャンッ!」
そうこうしているうちに、子狼が駆け出して、本棚ばかりのこの部屋のど真ん中にあったテーブルの上に椅子を伝って飛び乗る。そして、中心にあった紙をテシテシと叩く。
「ど、どどど、どうしようっ!」
「不法侵入!? 僕達、不法侵入っ!?」
「い、いや、でも、不可抗力だったよね!? 僕達、自分で入ってないよね!?」
頬の肉をタプタプと揺らしながら動揺する三団子。とはいえ、末っ子赤団子の言葉通り、不可抗力だったことは確かだ。
ただ、三団子よ。子狼が懸命にこっちを見てアピールをしているのだから、少しは気にする素振りを見せた方が良い。でなければ、また子狼が拗ねてしまうし、三団子自身の無神経レベルがアップしてしまうではないか。
「キャンッ! キャンキャンッ!!」
ひとしきり動揺して『捕まっちゃうーっ』と慌てた三団子だったが、騒ぎ疲れたのか、ようやく子狼が呼びかけていることに気づく。
「何だろう? ……手紙?」
やはり、一番色々なことに気がつくのは末っ子赤団子。そして、その言葉通り、子狼がテシテシと叩くそれは手紙だった。それも……。
「『異世界から召喚された方へ』って……え? どういうこと!?」
そう、その手紙の宛先は、そんな風に書いてあった。
赤団子の叫びに、青団子や黄団子も集まってテーブルを取り囲む。そして、自然な流れで直ぐ側にあった椅子を引き寄せて……。
ミシリ、ピシピシッ。
……三団子が座った瞬間、そんな不穏な音がする。しかし、三団子の注意は完全に手紙に向いていて、誰も椅子の悲鳴を気にしていない。
きっと、椅子が小さいな、くらいの感想は抱いているとは思うものの、椅子が壊れそうだということには全く気づいていないようだった。
これまでにいくつもの椅子を壊してきたであろう三団子にとって、椅子が壊れるかどうかは気にするだけ無駄なのかもしれない。
そんな中、手紙の内容を赤団子が読み上げることとなった。
扉が開いた瞬間、そんな言葉がどこからともなく聞こえたかと思えば、その場にはあの存在感たっぷりで誰もが無視できないはずの三団子の姿と、その近くに居たはずの子狼の姿は消えていた。
その後、バタンと音がして、先程三団子が開いた扉がひとりでに閉まった。
「「「えっ!?」」」
「キャンッ!」
三団子は、突如として変わった景色に、ただ一言の驚嘆しかもらすことができず、対して子狼は尻尾をフリフリ嬉しそうに鳴く。
三団子が居るその場所は、恐らくは先程の小屋の中なのだろう。木造の床は明るいベージュ色で、壁には天井に届くくらいの本棚がびっしりと敷き詰められている。
もちろん、奥の方には洗面所やお手洗い、リビングやキッチンらしき部屋も見受けられるが、ひとまず、三団子は全く見覚えもなければ入った記憶もない場所で棒立ちとなっていた。
「キャンッ、キャンッ!」
そうこうしているうちに、子狼が駆け出して、本棚ばかりのこの部屋のど真ん中にあったテーブルの上に椅子を伝って飛び乗る。そして、中心にあった紙をテシテシと叩く。
「ど、どどど、どうしようっ!」
「不法侵入!? 僕達、不法侵入っ!?」
「い、いや、でも、不可抗力だったよね!? 僕達、自分で入ってないよね!?」
頬の肉をタプタプと揺らしながら動揺する三団子。とはいえ、末っ子赤団子の言葉通り、不可抗力だったことは確かだ。
ただ、三団子よ。子狼が懸命にこっちを見てアピールをしているのだから、少しは気にする素振りを見せた方が良い。でなければ、また子狼が拗ねてしまうし、三団子自身の無神経レベルがアップしてしまうではないか。
「キャンッ! キャンキャンッ!!」
ひとしきり動揺して『捕まっちゃうーっ』と慌てた三団子だったが、騒ぎ疲れたのか、ようやく子狼が呼びかけていることに気づく。
「何だろう? ……手紙?」
やはり、一番色々なことに気がつくのは末っ子赤団子。そして、その言葉通り、子狼がテシテシと叩くそれは手紙だった。それも……。
「『異世界から召喚された方へ』って……え? どういうこと!?」
そう、その手紙の宛先は、そんな風に書いてあった。
赤団子の叫びに、青団子や黄団子も集まってテーブルを取り囲む。そして、自然な流れで直ぐ側にあった椅子を引き寄せて……。
ミシリ、ピシピシッ。
……三団子が座った瞬間、そんな不穏な音がする。しかし、三団子の注意は完全に手紙に向いていて、誰も椅子の悲鳴を気にしていない。
きっと、椅子が小さいな、くらいの感想は抱いているとは思うものの、椅子が壊れそうだということには全く気づいていないようだった。
これまでにいくつもの椅子を壊してきたであろう三団子にとって、椅子が壊れるかどうかは気にするだけ無駄なのかもしれない。
そんな中、手紙の内容を赤団子が読み上げることとなった。
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