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第五章 戻った日常?
第八十話 事の顛末と護衛達(ジークフリート視点)
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ハミルトンがこの城に来ると聞いて、俺は覚悟を決めて待っていた。
ユーカが拐われた時、俺の対策が機能していなかったことを怒っていたハミルトン。ご丁寧に、全てが終わったら殴ると宣言までしているのだから、それを違えることはないだろう。
書類を片付け、しばらく待っていると、ハミルトンが入室してくる。
「数日ぶりだね。ジーク」
「あぁ」
「僕が、ユーカに会いに行く前にここに来た理由は分かってるよね」
「あぁ」
ニコニコと笑みを浮かべるハミルトンだったが、その目は笑ってなどいない。一歩間違えれば、ユーカを失っていたのだから、それも当然だろう。
「まぁ、殴る前に報告しておくけど、拘束した奴らは、全員鉱山送りにして、ゴーストを取り憑かせたよ。ガークは結構粘ったけど、それでも、目の前にあの女を置いて取り憑かせる実験をしてやったら、もたなかったみたい。何を話したかまでは知らないけどね」
「そうか……」
ハミルトンの容赦のなさに、俺は魔王としても、片翼を狙われた者としても納得する。それくらいでなければ、気が治まらないほどに、ガーク達のことを恨んでいたらしい。
「それじゃあ、殴らせて」
「あぁ、分かった」
淡々と言うハミルトンに、俺も淡々と返す。一応、執務室の中でも、ものが壊れる心配のない場所に移動すると、直後、頬に強烈な衝撃が走る。
さすがの一撃に、床に倒れ込む形となった俺は、すぐに体を起こして……。
「ジークさんっ、ハミルトン様っ!?」
「えっ?」
「ん?」
ユーカが飛び込んできたことで、一気に張り詰めた空気が霧散するのを感じ取った。
(まぁ、その後のユーカは恐ろしかったが……)
ユーカの静かな怒りは、魔王である俺達をも震え上がらせた。とりわけハミルトンは、俺を殴ってしまったものだから、大いに取り乱していた。
しかし、ひとまずは、これでケジメがついた。本当なら、しばらくは治療するつもりなどなかったのだが、ユーカに治療するように言われては仕方がない。ハミルトンも率先して治療をしてくれたから、そこを責めてくることはないだろう。
ケーキを受け取り、幸せいっぱいの空気の中、ふと、ハミルトンが問いかける。
「そういえば、ユーカ、この部屋に来る前に何かしたかい?」
「何か、ですか?」
ハミルトンの言葉で、俺は扉の前までユーカが来ていても気づかなかったことを思い出す。
「ユーカちゃん、ハミルの真似をして、魔力の気配を絶ってみたそうよ。よかったわね、ユーカちゃん。実験は成功みたいよ」
何のことか分からない様子で首をかしげていたユーカは、リドルの言葉に『そういえば、そうだった』と呟く。と、いうより……。
「居たのか、リド」
「ちょっ、失礼ねっ。ワタシもユーカちゃんと一緒に居たのよ?」
「うん、居るのは知ってたけど、僕達が居るんだから、付き添いはもう必要ないよ」
「あ、あんた達ねぇ」
ヒクリと口角をひくつかせるリドルだったが、正直、俺も邪魔者はほしくない。そう思っていると、リドルの側に居たリリが反応する。
「それでは、失礼しますっ!」
「って、ちょっと、リリ!? 何でワタシの腕を掴んで引きずるの!? ワタシはまだあのポンコツどもにって、ギャアァァアッ」
勢い良くリドルの腕を掴んで扉を閉めたリリは、リドルを連行し、途中で悲鳴を上げられるような何かをしたらしい。
「えっ? リド姉さん!?」
ユーカが焦ったように反応するものの、他の男の心配など、面白くない。
「きゃあっ」
ハミルトンが動く前に、俺はユーカを素早く抱き上げると、執務室の数少ない椅子に一緒になって座る。膝の上に居るユーカは可愛くて、至福だ。
「ジーク……それはズルくない?」
「ハミルのために椅子を一つ空けてやってるんだ。文句を言われる筋合いはないな」
「ジジジジ、ジークさんっ!?」
わざと筋違いの反論をした俺は、赤くなったユーカの頬を優しく撫でる。
「何だ? ユーカ?」
可愛くて可愛くて仕方がないユーカ。そのユーカは、口をパクパクさせて声も出せない様子だった。
「はぁ。そういえば、ユーカの護衛はもう紹介したの?」
しばらくは恨みがましげな視線を送っていたハミルトンだったが、俺が動かないと分かると、あからさまに話題を変えてくる。
「今日、ちょうど選抜が終わった。本来なら、訓練後に紹介する予定だったが……ふむ、今でも良さそうだな」
今までの片翼であれば、魔族というだけで拒絶反応を起こしていたため、ろくに護衛もつけられなかった。もちろん、影からの護衛はあったものの、それにも限界はある。しかし、ユーカなら、魔族というだけで嫌うことはないはずだ。だから、俺はユーカのための護衛を慎重に選んでいた。
「ルティアス・バルトラン、ライナード・デリク、ジェド・オブリコの三名は、即座に執務室へ来い」
伝音魔法を使って命令を伝えると、それぞれからの返事が伝音魔法で返ってくる。
『分かりましたっ』
『承知』
『御意』
「今のは……?」
伝音魔法の声を聞いた後、不思議そうな表情を浮かべるユーカに、俺は説明をすることにする。
「この城でユーカが動く際、護衛として付き従ってくれるものを呼んだ。これで、二度と誘拐されるようなことはない」
「そ、そうですか……って、待ってくださいっ、もしかして、今からその人達がここに来るんですか!?」
「あぁ」
「お、下ろしてくださいっ」
ユーカからの拒絶に、俺は、一瞬言葉を失う。
「……どうしてもか?」
「どうしてもですっ」
恐らくは恥ずかしいだけなのだろうが、地味にダメージが大きい。そして、その様子を満足そうに見るハミルトンを見て、俺はようやく、これがハミルトンの描いたシナリオの上だったことに気づき、今度は俺がハミルトンを恨みがましく睨む。
「さぁ、ユーカ。ユーカはこっちの椅子に座ると良いよ」
椅子を勧めるハミルトンに、ユーカはそそくさとそちらへ向かってしまう。ユーカを抱いていた腕が、妙に寂しかった。
「ルティアス・バルトラン、ライナード・デリク、ジェド・オブリコの三名、到着しました!」
そうこうしていると、執務室に護衛達が到着する。
「入れ」
若干不機嫌にそう告げれば、三人の男達が入ってきた。
ルティアス・バルトランは、アクアマリンの髪に、黄金の瞳、白い巻き角を持った人懐っこい顔立ちの青年で、治癒魔法と暗殺に優れた魔族だ。
ライナード・デリクは、翡翠の髪に、ルビーの瞳、翡翠の角を持った、強面の男。腕力はピカイチで、その豪腕を活かして振るう戦鎚は恐ろしい威力だ。ただ、普段は長剣を装備している。一応、俺の従兄弟でもある。
ジェド・オブリコは、桃色の髪に桃色の瞳、桃色の角を持つ、人形のように整った顔をした特殊な魔族だ。主に呪いに精通しているのだが、戦闘の腕も確かなもので、剣での勝負なら、先の二人にもひけを取らない。
彼らを一人一人紹介すると、ユーカは丁寧に『よろしくお願いします』と告げる。
「こちらこそ、よろしくお願いしますね。ユーカ様っ」
「よろしくお頼み申す」
「よろしく」
ルティアス、ライナード、ジェドの順に応えていき、これで、とりあえずの顔合わせは終了したのだった。
ユーカが拐われた時、俺の対策が機能していなかったことを怒っていたハミルトン。ご丁寧に、全てが終わったら殴ると宣言までしているのだから、それを違えることはないだろう。
書類を片付け、しばらく待っていると、ハミルトンが入室してくる。
「数日ぶりだね。ジーク」
「あぁ」
「僕が、ユーカに会いに行く前にここに来た理由は分かってるよね」
「あぁ」
ニコニコと笑みを浮かべるハミルトンだったが、その目は笑ってなどいない。一歩間違えれば、ユーカを失っていたのだから、それも当然だろう。
「まぁ、殴る前に報告しておくけど、拘束した奴らは、全員鉱山送りにして、ゴーストを取り憑かせたよ。ガークは結構粘ったけど、それでも、目の前にあの女を置いて取り憑かせる実験をしてやったら、もたなかったみたい。何を話したかまでは知らないけどね」
「そうか……」
ハミルトンの容赦のなさに、俺は魔王としても、片翼を狙われた者としても納得する。それくらいでなければ、気が治まらないほどに、ガーク達のことを恨んでいたらしい。
「それじゃあ、殴らせて」
「あぁ、分かった」
淡々と言うハミルトンに、俺も淡々と返す。一応、執務室の中でも、ものが壊れる心配のない場所に移動すると、直後、頬に強烈な衝撃が走る。
さすがの一撃に、床に倒れ込む形となった俺は、すぐに体を起こして……。
「ジークさんっ、ハミルトン様っ!?」
「えっ?」
「ん?」
ユーカが飛び込んできたことで、一気に張り詰めた空気が霧散するのを感じ取った。
(まぁ、その後のユーカは恐ろしかったが……)
ユーカの静かな怒りは、魔王である俺達をも震え上がらせた。とりわけハミルトンは、俺を殴ってしまったものだから、大いに取り乱していた。
しかし、ひとまずは、これでケジメがついた。本当なら、しばらくは治療するつもりなどなかったのだが、ユーカに治療するように言われては仕方がない。ハミルトンも率先して治療をしてくれたから、そこを責めてくることはないだろう。
ケーキを受け取り、幸せいっぱいの空気の中、ふと、ハミルトンが問いかける。
「そういえば、ユーカ、この部屋に来る前に何かしたかい?」
「何か、ですか?」
ハミルトンの言葉で、俺は扉の前までユーカが来ていても気づかなかったことを思い出す。
「ユーカちゃん、ハミルの真似をして、魔力の気配を絶ってみたそうよ。よかったわね、ユーカちゃん。実験は成功みたいよ」
何のことか分からない様子で首をかしげていたユーカは、リドルの言葉に『そういえば、そうだった』と呟く。と、いうより……。
「居たのか、リド」
「ちょっ、失礼ねっ。ワタシもユーカちゃんと一緒に居たのよ?」
「うん、居るのは知ってたけど、僕達が居るんだから、付き添いはもう必要ないよ」
「あ、あんた達ねぇ」
ヒクリと口角をひくつかせるリドルだったが、正直、俺も邪魔者はほしくない。そう思っていると、リドルの側に居たリリが反応する。
「それでは、失礼しますっ!」
「って、ちょっと、リリ!? 何でワタシの腕を掴んで引きずるの!? ワタシはまだあのポンコツどもにって、ギャアァァアッ」
勢い良くリドルの腕を掴んで扉を閉めたリリは、リドルを連行し、途中で悲鳴を上げられるような何かをしたらしい。
「えっ? リド姉さん!?」
ユーカが焦ったように反応するものの、他の男の心配など、面白くない。
「きゃあっ」
ハミルトンが動く前に、俺はユーカを素早く抱き上げると、執務室の数少ない椅子に一緒になって座る。膝の上に居るユーカは可愛くて、至福だ。
「ジーク……それはズルくない?」
「ハミルのために椅子を一つ空けてやってるんだ。文句を言われる筋合いはないな」
「ジジジジ、ジークさんっ!?」
わざと筋違いの反論をした俺は、赤くなったユーカの頬を優しく撫でる。
「何だ? ユーカ?」
可愛くて可愛くて仕方がないユーカ。そのユーカは、口をパクパクさせて声も出せない様子だった。
「はぁ。そういえば、ユーカの護衛はもう紹介したの?」
しばらくは恨みがましげな視線を送っていたハミルトンだったが、俺が動かないと分かると、あからさまに話題を変えてくる。
「今日、ちょうど選抜が終わった。本来なら、訓練後に紹介する予定だったが……ふむ、今でも良さそうだな」
今までの片翼であれば、魔族というだけで拒絶反応を起こしていたため、ろくに護衛もつけられなかった。もちろん、影からの護衛はあったものの、それにも限界はある。しかし、ユーカなら、魔族というだけで嫌うことはないはずだ。だから、俺はユーカのための護衛を慎重に選んでいた。
「ルティアス・バルトラン、ライナード・デリク、ジェド・オブリコの三名は、即座に執務室へ来い」
伝音魔法を使って命令を伝えると、それぞれからの返事が伝音魔法で返ってくる。
『分かりましたっ』
『承知』
『御意』
「今のは……?」
伝音魔法の声を聞いた後、不思議そうな表情を浮かべるユーカに、俺は説明をすることにする。
「この城でユーカが動く際、護衛として付き従ってくれるものを呼んだ。これで、二度と誘拐されるようなことはない」
「そ、そうですか……って、待ってくださいっ、もしかして、今からその人達がここに来るんですか!?」
「あぁ」
「お、下ろしてくださいっ」
ユーカからの拒絶に、俺は、一瞬言葉を失う。
「……どうしてもか?」
「どうしてもですっ」
恐らくは恥ずかしいだけなのだろうが、地味にダメージが大きい。そして、その様子を満足そうに見るハミルトンを見て、俺はようやく、これがハミルトンの描いたシナリオの上だったことに気づき、今度は俺がハミルトンを恨みがましく睨む。
「さぁ、ユーカ。ユーカはこっちの椅子に座ると良いよ」
椅子を勧めるハミルトンに、ユーカはそそくさとそちらへ向かってしまう。ユーカを抱いていた腕が、妙に寂しかった。
「ルティアス・バルトラン、ライナード・デリク、ジェド・オブリコの三名、到着しました!」
そうこうしていると、執務室に護衛達が到着する。
「入れ」
若干不機嫌にそう告げれば、三人の男達が入ってきた。
ルティアス・バルトランは、アクアマリンの髪に、黄金の瞳、白い巻き角を持った人懐っこい顔立ちの青年で、治癒魔法と暗殺に優れた魔族だ。
ライナード・デリクは、翡翠の髪に、ルビーの瞳、翡翠の角を持った、強面の男。腕力はピカイチで、その豪腕を活かして振るう戦鎚は恐ろしい威力だ。ただ、普段は長剣を装備している。一応、俺の従兄弟でもある。
ジェド・オブリコは、桃色の髪に桃色の瞳、桃色の角を持つ、人形のように整った顔をした特殊な魔族だ。主に呪いに精通しているのだが、戦闘の腕も確かなもので、剣での勝負なら、先の二人にもひけを取らない。
彼らを一人一人紹介すると、ユーカは丁寧に『よろしくお願いします』と告げる。
「こちらこそ、よろしくお願いしますね。ユーカ様っ」
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ルティアス、ライナード、ジェドの順に応えていき、これで、とりあえずの顔合わせは終了したのだった。
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