31 / 173
第二章 訪問者
第三十話 意志疎通の会(リドル視点)
しおりを挟む
「さぁっ、やってやろうじゃないっ。第一回、意志疎通の会よっ」
昨日、ジーク達と話をしたワタシは、とにかく意志疎通をしなければならないと判断して、まずはワタシが両翼ちゃんと仲良くなることにした。もちろん、専属侍女達の協力は仰ぐものの、性別の境が曖昧とはいえ、ジーク達と同じ男であるワタシが仲良くなることには意味があるはずだった。
準備のためにジークとハミルを伴って街に繰り出し、必要なものを買い揃えた頃には、随分と外は暗くなっていた。それでも、満足のいくものをそれぞれ買えたという自覚があるため、ワタシ達は晴れやかな表情でマリノア城へと戻り…………ジークとハミルは、あの双子の専属侍女達に遅いと叱られ、猫姿に強制的に変化させられて連れていかれたのだった。
(両翼ちゃんの専属侍女達は、敵に回しちゃダメね)
何というか、両翼ちゃんのためなら主人にすら噛みつきそうな勢いがあって、若干怖かった。
そんなこんながあって、色々おかしなこともあったけれど、今日のための準備は万端だ。後は、専属侍女達に頼んで、馬車の中のものを運び込んでもらうだけだ。
「では、これより運び込みます」
「えぇ、よろしくね」
魔族の専属侍女、メアリーに荷運びを頼めば、双子の専属侍女、ララとリリの二人と協力してせっせと両翼ちゃんの部屋へと運びはじめる。
「さて、それじゃあ、ジークとハミルはまだ待機しておくこと、良いわね?」
「あぁ」
「うん」
本来だったら、ジーク達こそ両翼ちゃんと仲良くなるべきであるものの、二人に最初から恐怖を感じているらしい両翼ちゃんを相手に無理はさせられない。まずは、男という存在に慣れさせることが大切だ。少しでもワタシに慣れてくれれば、次はジーク達をけしかけることもできる。
「運び込み、終了致しました」
にこやかに告げるメアリーを見て、ワタシはいよいよかと気合いを入れる。今回の作戦は、簡単に言えば物で釣る作戦だ。見るからに幼い両翼ちゃんなら、それなりの効果が見込めそうだとの考えから、この作戦を立案したのだ。
「なら、行ってくるわね」
そう言って、肩で風を切るようにして意気揚々と進んだのが、約十分前。そして、今現在はというと……。
「ほ、ほらっ、警戒しないで、ね?」
ベッドの後ろにしゃがみ、顔だけを出す両翼ちゃん。じとーっという視線をワタシに向けて、全力で警戒する両翼ちゃんを、必死に宥めていた。
(どうしてこうなったのかしら?)
ワタシは、特に警戒されるようなことをした覚えはない。買ってきたドレスや小物、アクセサリーを一緒に見ようと誘ったら、確かにこちらに来てくれたのだ。ただ、いくつかのドレスや小物を見た後、両翼ちゃんは随分と警戒をした様子でワタシから距離を取っていた。
「ユーカお嬢様? お気に召しませんでしたか?」
そして、そんな両翼ちゃんの様子に戸惑っているのはワタシだけではない。メアリーやララ、リリも、なぜ警戒されているのか分からずに途方に暮れている。けれど、いくら問いかけても両翼ちゃんは口を閉ざしたまま、何かを話してくれる様子はない。
「……ユーカお嬢様? 何が、そんなにショックだったんですか?」
(ショック!? えっ? そんな風には見えなかったわよっ!?)
両翼ちゃんをジーっと見つめていたララは、なぜかそんな一言を放つ。けれど、どうやらそれは的を射ていたらしい。両翼ちゃんは、そこで初めて視線を逸らす。
「ユーカお嬢様っ?」
心配そうに両翼ちゃんを見つめるワタシ達。特に、リリは両翼ちゃんが心配でたまらないといった具合だ。と、そこで、両翼ちゃんはようやく口を開いた。
「(――――――――?)」
何を言ったのかは分からないものの、それが分かるワタシ以外の三人はどうにも戸惑っている様子だ。
「い、いえ、さすがにそれはないと存じますが……」
メアリーなどは、いつものにこやかな表情が崩れて、頬を引きつらせている。
(何を言われたのかしら?)
物凄く気になる。そう思って、説明を求めるべく専属侍女達に視線を向けると、なぜか全員に視線を逸らされる。
「両翼ちゃんは、何を言ったの?」
答えたくなさそうな彼女達を問い詰めるようなことはしたくない。けれど、今は聞かなければならないはずだ。
「その…………リドル様は、幼女趣味なのかと、聞かれました」
「……はっ?」
それはいったいどういうことだろうか?
思考が一時的に停止したワタシは、汚名返上のために慌てて口を開く。
「違うわよっ!? どうしてそうなったのかは知らないけれど、幼女趣味なんてないわっ! ワタシはレティ一筋よ!」
あまりの興奮に、ワタシ自身の片翼の名前も出してしまったけれど、問題はないだろう。とにかく、幼女趣味なんていうとんでもない誤解を解く方が先だ。
「(――――――――)」
「あの? 何もおかしくはないと存じますが……?」
「(――――――――っ!)」
「「「はっ?」」」
どうか誤解が解けてほしいと祈りながら、メアリーと交わす分からない会話を見守っていると、唐突に専属侍女の三人が声を上げて固まった。
「……今度は、どうしたの?」
聞いても大丈夫なのか分からないものの、聞かなければどうしようもない。せめて、誤解が進んでいないことを必死に、今まで祈ったことなんてほとんどない神にまたしても祈っていると、何やら専属侍女達は互いに目配せし始める。
「(――――――――?)」
「……申し訳ございません。その通りです」
「(――――)」
何やら挙動不審気味の専属侍女達に、ワタシはもう一度問いかける。
「ねぇ、何の話?」
すると、メアリーが覚悟を決めたような表情でワタシを見上げてきた。
「十八です」
「はっ?」
「ユーカお嬢様の年齢は、十八だそうです」
「…………嘘だろ?」
つい男に戻ってしまったワタシは、今までのやり取りを即座に振り返って、納得する。
「……つまりは、ドレスや小物類が明らかに子供向けなのを見て、幼女趣味だと誤解した?」
「はい」
「両翼ちゃんは、年齢を誤解されていることに気づいてなかった?」
「そのようです」
淡々と答えるメアリーを前に、ワタシは情報不足の恐ろしさを思い知り、うなだれる。
「ごめんなさいね。ワタシ、両翼ちゃんのこと、せいぜい十歳くらいの子供だと思ってたのよ」
「(――――――?)」
「はい、わたくし達も同じです」
ワタシと専属侍女達をそれぞれ見つめる両翼ちゃんは、きっと相当にショックだったのだろう。枕を抱き締めてうつむいたかと思えば、そのままじっと固まってしまう。
(作戦は失敗ね)
せめて、最初に年齢を聞いておけばよかったものの、まさか身長が百五十センチもない彼女が、十八の大人だとは思わない。
(きっと、今まで食べられないことが多かったのね)
その低すぎる身長から導き出された答えに、ワタシは胸が悪くなる。けれど、それをぶつける相手は今はまだ調査中でどうにもならない。
(今日のところは退散するしかないわね)
動く様子のない両翼ちゃんを前に、悪いことをしてしまったと後悔しながら、そう決める。
(次は絶対、失敗しないわ)
そう意気込むと、ワタシはもう一度両翼ちゃんに謝って、ドレスや小物を運び出してもらうのだった。
昨日、ジーク達と話をしたワタシは、とにかく意志疎通をしなければならないと判断して、まずはワタシが両翼ちゃんと仲良くなることにした。もちろん、専属侍女達の協力は仰ぐものの、性別の境が曖昧とはいえ、ジーク達と同じ男であるワタシが仲良くなることには意味があるはずだった。
準備のためにジークとハミルを伴って街に繰り出し、必要なものを買い揃えた頃には、随分と外は暗くなっていた。それでも、満足のいくものをそれぞれ買えたという自覚があるため、ワタシ達は晴れやかな表情でマリノア城へと戻り…………ジークとハミルは、あの双子の専属侍女達に遅いと叱られ、猫姿に強制的に変化させられて連れていかれたのだった。
(両翼ちゃんの専属侍女達は、敵に回しちゃダメね)
何というか、両翼ちゃんのためなら主人にすら噛みつきそうな勢いがあって、若干怖かった。
そんなこんながあって、色々おかしなこともあったけれど、今日のための準備は万端だ。後は、専属侍女達に頼んで、馬車の中のものを運び込んでもらうだけだ。
「では、これより運び込みます」
「えぇ、よろしくね」
魔族の専属侍女、メアリーに荷運びを頼めば、双子の専属侍女、ララとリリの二人と協力してせっせと両翼ちゃんの部屋へと運びはじめる。
「さて、それじゃあ、ジークとハミルはまだ待機しておくこと、良いわね?」
「あぁ」
「うん」
本来だったら、ジーク達こそ両翼ちゃんと仲良くなるべきであるものの、二人に最初から恐怖を感じているらしい両翼ちゃんを相手に無理はさせられない。まずは、男という存在に慣れさせることが大切だ。少しでもワタシに慣れてくれれば、次はジーク達をけしかけることもできる。
「運び込み、終了致しました」
にこやかに告げるメアリーを見て、ワタシはいよいよかと気合いを入れる。今回の作戦は、簡単に言えば物で釣る作戦だ。見るからに幼い両翼ちゃんなら、それなりの効果が見込めそうだとの考えから、この作戦を立案したのだ。
「なら、行ってくるわね」
そう言って、肩で風を切るようにして意気揚々と進んだのが、約十分前。そして、今現在はというと……。
「ほ、ほらっ、警戒しないで、ね?」
ベッドの後ろにしゃがみ、顔だけを出す両翼ちゃん。じとーっという視線をワタシに向けて、全力で警戒する両翼ちゃんを、必死に宥めていた。
(どうしてこうなったのかしら?)
ワタシは、特に警戒されるようなことをした覚えはない。買ってきたドレスや小物、アクセサリーを一緒に見ようと誘ったら、確かにこちらに来てくれたのだ。ただ、いくつかのドレスや小物を見た後、両翼ちゃんは随分と警戒をした様子でワタシから距離を取っていた。
「ユーカお嬢様? お気に召しませんでしたか?」
そして、そんな両翼ちゃんの様子に戸惑っているのはワタシだけではない。メアリーやララ、リリも、なぜ警戒されているのか分からずに途方に暮れている。けれど、いくら問いかけても両翼ちゃんは口を閉ざしたまま、何かを話してくれる様子はない。
「……ユーカお嬢様? 何が、そんなにショックだったんですか?」
(ショック!? えっ? そんな風には見えなかったわよっ!?)
両翼ちゃんをジーっと見つめていたララは、なぜかそんな一言を放つ。けれど、どうやらそれは的を射ていたらしい。両翼ちゃんは、そこで初めて視線を逸らす。
「ユーカお嬢様っ?」
心配そうに両翼ちゃんを見つめるワタシ達。特に、リリは両翼ちゃんが心配でたまらないといった具合だ。と、そこで、両翼ちゃんはようやく口を開いた。
「(――――――――?)」
何を言ったのかは分からないものの、それが分かるワタシ以外の三人はどうにも戸惑っている様子だ。
「い、いえ、さすがにそれはないと存じますが……」
メアリーなどは、いつものにこやかな表情が崩れて、頬を引きつらせている。
(何を言われたのかしら?)
物凄く気になる。そう思って、説明を求めるべく専属侍女達に視線を向けると、なぜか全員に視線を逸らされる。
「両翼ちゃんは、何を言ったの?」
答えたくなさそうな彼女達を問い詰めるようなことはしたくない。けれど、今は聞かなければならないはずだ。
「その…………リドル様は、幼女趣味なのかと、聞かれました」
「……はっ?」
それはいったいどういうことだろうか?
思考が一時的に停止したワタシは、汚名返上のために慌てて口を開く。
「違うわよっ!? どうしてそうなったのかは知らないけれど、幼女趣味なんてないわっ! ワタシはレティ一筋よ!」
あまりの興奮に、ワタシ自身の片翼の名前も出してしまったけれど、問題はないだろう。とにかく、幼女趣味なんていうとんでもない誤解を解く方が先だ。
「(――――――――)」
「あの? 何もおかしくはないと存じますが……?」
「(――――――――っ!)」
「「「はっ?」」」
どうか誤解が解けてほしいと祈りながら、メアリーと交わす分からない会話を見守っていると、唐突に専属侍女の三人が声を上げて固まった。
「……今度は、どうしたの?」
聞いても大丈夫なのか分からないものの、聞かなければどうしようもない。せめて、誤解が進んでいないことを必死に、今まで祈ったことなんてほとんどない神にまたしても祈っていると、何やら専属侍女達は互いに目配せし始める。
「(――――――――?)」
「……申し訳ございません。その通りです」
「(――――)」
何やら挙動不審気味の専属侍女達に、ワタシはもう一度問いかける。
「ねぇ、何の話?」
すると、メアリーが覚悟を決めたような表情でワタシを見上げてきた。
「十八です」
「はっ?」
「ユーカお嬢様の年齢は、十八だそうです」
「…………嘘だろ?」
つい男に戻ってしまったワタシは、今までのやり取りを即座に振り返って、納得する。
「……つまりは、ドレスや小物類が明らかに子供向けなのを見て、幼女趣味だと誤解した?」
「はい」
「両翼ちゃんは、年齢を誤解されていることに気づいてなかった?」
「そのようです」
淡々と答えるメアリーを前に、ワタシは情報不足の恐ろしさを思い知り、うなだれる。
「ごめんなさいね。ワタシ、両翼ちゃんのこと、せいぜい十歳くらいの子供だと思ってたのよ」
「(――――――?)」
「はい、わたくし達も同じです」
ワタシと専属侍女達をそれぞれ見つめる両翼ちゃんは、きっと相当にショックだったのだろう。枕を抱き締めてうつむいたかと思えば、そのままじっと固まってしまう。
(作戦は失敗ね)
せめて、最初に年齢を聞いておけばよかったものの、まさか身長が百五十センチもない彼女が、十八の大人だとは思わない。
(きっと、今まで食べられないことが多かったのね)
その低すぎる身長から導き出された答えに、ワタシは胸が悪くなる。けれど、それをぶつける相手は今はまだ調査中でどうにもならない。
(今日のところは退散するしかないわね)
動く様子のない両翼ちゃんを前に、悪いことをしてしまったと後悔しながら、そう決める。
(次は絶対、失敗しないわ)
そう意気込むと、ワタシはもう一度両翼ちゃんに謝って、ドレスや小物を運び出してもらうのだった。
85
お気に入り登録や感想を、ありがとうございます。これを励みに楽しく更新していきますね。
お気に入りに追加
8,219
あなたにおすすめの小説

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。


おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23

転生先は男女比50:1の世界!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。
「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」
デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・
どうなる!?学園生活!!

私、確かおばさんだったはずなんですが
花野はる
恋愛
不憫系男子をこよなく愛するヒロインの恋愛ストーリーです。
私は確か、日本人のおばさんだったはずなんですが、気がついたら西洋風異世界の貴族令嬢になっていました。
せっかく美しく若返ったのだから、人生勝ち組で楽しんでしまいましょう。
そう思っていたのですが、自分らしき令嬢の日記を見ると、クラスメイトの男の子をいじめていた事が分かって……。
正義感強いおばさんなめんな!
その男の子に謝って、きっとお友達になってみせましょう!
画像はフリー素材のとくだ屋さんからお借りしました。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。

転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。

異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる