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第一章 出会い
第四話 過去と今
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「(『ヴァイランマコク』……『マリノアジョウ』……?)」
「お嬢様は、ご主人様の片翼としてここに滞在していただくことになりました」
「(かたよく……?)」
理解できない言葉をただただ繰り返す私に、メアリーさんは悲しげに笑いかける。
「わたくしどもは、お嬢様が心安らかに過ごしていただくための道具でございますので、何なりとお申し付けください」
そうして、『訪れは本日となります』とだけ言い残したメアリーさんは、ワゴンを引いて退出してしまう。取り残された私は、本格的に何が何だか分からない状態で、ベッドの上に座り込む。
(とりあえず、『ヴァイランマコク』なんて名前の国も『マリノアジョウ』って地名も、聞いたことがないから、やっぱり異世界か死後の世界で間違いなさそうだけど……『かたよく』とか、『訪れ』とか……何なんだろう?)
この際、ここが異世界だろうと死後の世界だろうとどうでも良い。重要なのは、自分の立場がどんなものなのかということだ。
(痛い思いをするのは、やだなぁ。苦しいのも、勘弁してほしい。でも、食事は、美味しかったなぁ。ここ、天国だと良いなぁ)
食事が美味しかったことで、私は少しだけ、この状況を楽観視できた。痛い思いをしたり、苦しい思いをすることは嫌だったものの、もし、食事があれほどまでに充実しているというならば、多少は我慢できるかもしれない。
それに、今までの対応を思い返せば、けっしてメアリーさんは私を邪険に扱おうとはしていなかったようにも思える。もしかしたら、私は人並みに扱ってもらえるかもしれない。暴力や罵倒から解放されるかもしれない。
けれど、どこまでも楽観視してしまうその心に気づいて、私は苦笑を浮かべる。
(そんなに、都合の良い話があるわけない、よね)
そう。いつだって、世界は私に優しくなどなかった。初めて手に入れた温もりだって、すぐになくなってしまったのだから。
(ここが天国なら、お祖母ちゃんも居るのかな?)
世界でたった一人だけ、自分に優しくしてくれた人。一年という短い、けれど、とても幸せな時間を一緒に過ごし、呆気なく殺されてしまった人。
(お祖母ちゃん……会いたいなぁ)
世界でたった一人の大切な人を、目の前で殺された私は、犯人が憎かった。けれど、犯人が捕まることはなかったし、私の環境はどんどん悪くなる一方だった。
私を生んで、新たな男と出ていった母親は戻らなかった。父親は母親に似た顔立ちの私をとことん嫌い、毎日暴力を振るった。最低限のボロボロの服、ほとんど残飯しか食べられない日常。小学校でも、中学でも、みすぼらしい私はいじめられた。
高校に入ってからは、更に過激ないじめとなって、怪我をするのは日常茶飯事、時には性的な目で見られることもあって、何度か危ない目にも遭ってきた。幸いなことに、そういった現場からはどうにか逃げ出せていたけれど……。
家に帰れば、家事と暴力が待っている。ちょっとでも気にくわないことがあれば、殴られる。お酒が回ると殴られる。少しでも失敗すれば殴られる。フラついて倒れ込めば殴られる。
絶望しかなくて、何度も死にたいと願った。それでも、私の命は祖母に救われていた。殺人犯から私を守ろうとして、祖母は死んだのだから、守られた私が命を無駄にすることはできなかった。
(状況の理解が先。それで、できれば働かせてもらおう)
働ければ、大人として一人前になれば、きっと最悪な環境から逃れられる。今までは、それだけを目標に生きてきた。本当は、中学を卒業した時点で働きたかったけれど、妙なところで体面を気にする父親によって、高校へと進学することになってしまった。しかも、個人的には生活に困っていても、親の資産があったせいで、アルバイトの許可も下りなかった。例え、許可が下りたとしても、きっと父親は家事を理由に離してはくれなかっただろうけれど……。
(まずは、『かたよく』と『訪れ』の意味から質問しなきゃ)
きっと、メアリーさんなら答えてくれるだろう。
そう、方針を決めて顔を上げると、扉が軽くノックされる。
(? メアリーさんかな?)
随分と早くに戻ってきたような気もするけれど、そもそもここからどのくらい歩いたところにあの食器を返しに行ったのかも知らない。案外、近い場所なのかもしれなかった。
「(どうぞ)」
声は出ないから、聞こえるわけもないのだけれど、それでも気分的にノックに応える。
「「失礼します」」
けれど、入ってきたのは、メアリーさんではなかった。そこに居たのは、チョコレート色の髪を後ろで括り上げた二人のメイド。表情が対称的ではあるが、それがなければ見分けがつかないくらいに良く似た、姉妹らしき女性だった。一人はニコニコ、一人は無表情。それが、造りの良い顔で行われているものだから、そういう人形のようにも見える。
ただし、どんなに人形のように見えても、彼女らは人間だ。……例え、頭の上に熊のような耳がついているように見えても。
(……人間、だよね?)
ちょうど、その耳がピクッと動くのを目の当たりにしてしまった私は、ちょっと自信をなくす。さすがに、人間以外の人間に近い種族が居るとなると、ここは異世界だと断言せざるを得ない。
「初めまして、お嬢様。私はメアリーと同じく本日よりお嬢様の専属侍女となりましたララでございます。見ての通り、獣人でございますが、よろしくお願い致します」
(『獣人』?)
まずは、無表情な方の女性が自己紹介する。ただ、その自己紹介はあまり抑揚が感じられず、ちょっと怖い。しかも、どこか警戒しているように私を見つめてくる。
それでも、一つ分かったことはあった。
(ファンタジー、そして、異世界、だね)
きっと、『獣人』という脳内での漢字変換は間違っていないだろう。人間以外の人型の種族が居るという事実に、私は即座にここがファンタジーな異世界なのだと確信する。
「初めまして。私もメアリー、ララと同じくお嬢様の専属侍女になりました、獣人族のリリですっ。よろしくお願いしますっ」
次に自己紹介してきたのは、ニコニコと笑顔を浮かべている女性だ。こちらは抑揚もあって、弾むような自己紹介だったけれど、何となく、その笑顔は無理に浮かべたものであることが分かってしまう。そして、ララさんと同じようにこちらを警戒していることも、その目を見て理解できてしまった。
(ファンタジーな世界でも、私は歓迎されてはいない、みたい)
最初に会ったのがメアリーさんで、普通に接してもらえていたために、少し舞い上がっていたらしい。私はきっと、どこに居ても嫌われ者なのだろう。
「(よろしく、お願いします)」
声は出ないものの、もしかしたらこの二人も読唇術が使えるかもしれないと思って口パクでそう伝えると、ララさんもリリさんも少し目を見張った後に、すぐ、表情を戻す。
(そういえば、私、自己紹介してなかったなぁ)
警戒されているのは分かっているし、けっして歓迎されていないことも分かる。ファンタジーな異世界に来てしまったということへのショックもあったものの、それでも、恐らく私は助けてもらってここに居るのだから、自己紹介をしないわけにはいかない。
そうして口を開こうとすると、その前にララさんが言葉を発する。
「間もなく訪れがございます。お嬢様におかれましては、お逃げになりませんよう」
「(えっ?)」
どうして逃げるだなんて言葉を使われたのかが分からず、そう声にならない声を上げたものの、二人は一礼してさっさと退出してしまう。
(自己紹介、できなかった……)
普通、自分が自己紹介した後には、相手にもそれを求めるものではないだろうかと思うものの、どうやらメアリーさんも含め、私の専属侍女となったらしい女性達はそれを失念しているらしい。
(それか、すぐに追い出すつもりで、自己紹介は必要ないと思ってるとか?)
そうだとするなら、少しばかり寂しい。追い出されるにしても、ちゃんと名前を名乗って、お礼を伝えるくらいはしたいところだ。
(目下の目標は、『訪れ』とか、『かたよく』の意味を知ること。あと、自己紹介して、お礼を言うこと)
そう決めて、私は手持ち無沙汰になったまま、部屋でじっとする。さすがに、知らない人の家を勝手にウロウロするほど常識知らずではない。
ただ、その結果として、私は何も知らないまま、その時を迎えることになるのだった。
「お嬢様は、ご主人様の片翼としてここに滞在していただくことになりました」
「(かたよく……?)」
理解できない言葉をただただ繰り返す私に、メアリーさんは悲しげに笑いかける。
「わたくしどもは、お嬢様が心安らかに過ごしていただくための道具でございますので、何なりとお申し付けください」
そうして、『訪れは本日となります』とだけ言い残したメアリーさんは、ワゴンを引いて退出してしまう。取り残された私は、本格的に何が何だか分からない状態で、ベッドの上に座り込む。
(とりあえず、『ヴァイランマコク』なんて名前の国も『マリノアジョウ』って地名も、聞いたことがないから、やっぱり異世界か死後の世界で間違いなさそうだけど……『かたよく』とか、『訪れ』とか……何なんだろう?)
この際、ここが異世界だろうと死後の世界だろうとどうでも良い。重要なのは、自分の立場がどんなものなのかということだ。
(痛い思いをするのは、やだなぁ。苦しいのも、勘弁してほしい。でも、食事は、美味しかったなぁ。ここ、天国だと良いなぁ)
食事が美味しかったことで、私は少しだけ、この状況を楽観視できた。痛い思いをしたり、苦しい思いをすることは嫌だったものの、もし、食事があれほどまでに充実しているというならば、多少は我慢できるかもしれない。
それに、今までの対応を思い返せば、けっしてメアリーさんは私を邪険に扱おうとはしていなかったようにも思える。もしかしたら、私は人並みに扱ってもらえるかもしれない。暴力や罵倒から解放されるかもしれない。
けれど、どこまでも楽観視してしまうその心に気づいて、私は苦笑を浮かべる。
(そんなに、都合の良い話があるわけない、よね)
そう。いつだって、世界は私に優しくなどなかった。初めて手に入れた温もりだって、すぐになくなってしまったのだから。
(ここが天国なら、お祖母ちゃんも居るのかな?)
世界でたった一人だけ、自分に優しくしてくれた人。一年という短い、けれど、とても幸せな時間を一緒に過ごし、呆気なく殺されてしまった人。
(お祖母ちゃん……会いたいなぁ)
世界でたった一人の大切な人を、目の前で殺された私は、犯人が憎かった。けれど、犯人が捕まることはなかったし、私の環境はどんどん悪くなる一方だった。
私を生んで、新たな男と出ていった母親は戻らなかった。父親は母親に似た顔立ちの私をとことん嫌い、毎日暴力を振るった。最低限のボロボロの服、ほとんど残飯しか食べられない日常。小学校でも、中学でも、みすぼらしい私はいじめられた。
高校に入ってからは、更に過激ないじめとなって、怪我をするのは日常茶飯事、時には性的な目で見られることもあって、何度か危ない目にも遭ってきた。幸いなことに、そういった現場からはどうにか逃げ出せていたけれど……。
家に帰れば、家事と暴力が待っている。ちょっとでも気にくわないことがあれば、殴られる。お酒が回ると殴られる。少しでも失敗すれば殴られる。フラついて倒れ込めば殴られる。
絶望しかなくて、何度も死にたいと願った。それでも、私の命は祖母に救われていた。殺人犯から私を守ろうとして、祖母は死んだのだから、守られた私が命を無駄にすることはできなかった。
(状況の理解が先。それで、できれば働かせてもらおう)
働ければ、大人として一人前になれば、きっと最悪な環境から逃れられる。今までは、それだけを目標に生きてきた。本当は、中学を卒業した時点で働きたかったけれど、妙なところで体面を気にする父親によって、高校へと進学することになってしまった。しかも、個人的には生活に困っていても、親の資産があったせいで、アルバイトの許可も下りなかった。例え、許可が下りたとしても、きっと父親は家事を理由に離してはくれなかっただろうけれど……。
(まずは、『かたよく』と『訪れ』の意味から質問しなきゃ)
きっと、メアリーさんなら答えてくれるだろう。
そう、方針を決めて顔を上げると、扉が軽くノックされる。
(? メアリーさんかな?)
随分と早くに戻ってきたような気もするけれど、そもそもここからどのくらい歩いたところにあの食器を返しに行ったのかも知らない。案外、近い場所なのかもしれなかった。
「(どうぞ)」
声は出ないから、聞こえるわけもないのだけれど、それでも気分的にノックに応える。
「「失礼します」」
けれど、入ってきたのは、メアリーさんではなかった。そこに居たのは、チョコレート色の髪を後ろで括り上げた二人のメイド。表情が対称的ではあるが、それがなければ見分けがつかないくらいに良く似た、姉妹らしき女性だった。一人はニコニコ、一人は無表情。それが、造りの良い顔で行われているものだから、そういう人形のようにも見える。
ただし、どんなに人形のように見えても、彼女らは人間だ。……例え、頭の上に熊のような耳がついているように見えても。
(……人間、だよね?)
ちょうど、その耳がピクッと動くのを目の当たりにしてしまった私は、ちょっと自信をなくす。さすがに、人間以外の人間に近い種族が居るとなると、ここは異世界だと断言せざるを得ない。
「初めまして、お嬢様。私はメアリーと同じく本日よりお嬢様の専属侍女となりましたララでございます。見ての通り、獣人でございますが、よろしくお願い致します」
(『獣人』?)
まずは、無表情な方の女性が自己紹介する。ただ、その自己紹介はあまり抑揚が感じられず、ちょっと怖い。しかも、どこか警戒しているように私を見つめてくる。
それでも、一つ分かったことはあった。
(ファンタジー、そして、異世界、だね)
きっと、『獣人』という脳内での漢字変換は間違っていないだろう。人間以外の人型の種族が居るという事実に、私は即座にここがファンタジーな異世界なのだと確信する。
「初めまして。私もメアリー、ララと同じくお嬢様の専属侍女になりました、獣人族のリリですっ。よろしくお願いしますっ」
次に自己紹介してきたのは、ニコニコと笑顔を浮かべている女性だ。こちらは抑揚もあって、弾むような自己紹介だったけれど、何となく、その笑顔は無理に浮かべたものであることが分かってしまう。そして、ララさんと同じようにこちらを警戒していることも、その目を見て理解できてしまった。
(ファンタジーな世界でも、私は歓迎されてはいない、みたい)
最初に会ったのがメアリーさんで、普通に接してもらえていたために、少し舞い上がっていたらしい。私はきっと、どこに居ても嫌われ者なのだろう。
「(よろしく、お願いします)」
声は出ないものの、もしかしたらこの二人も読唇術が使えるかもしれないと思って口パクでそう伝えると、ララさんもリリさんも少し目を見張った後に、すぐ、表情を戻す。
(そういえば、私、自己紹介してなかったなぁ)
警戒されているのは分かっているし、けっして歓迎されていないことも分かる。ファンタジーな異世界に来てしまったということへのショックもあったものの、それでも、恐らく私は助けてもらってここに居るのだから、自己紹介をしないわけにはいかない。
そうして口を開こうとすると、その前にララさんが言葉を発する。
「間もなく訪れがございます。お嬢様におかれましては、お逃げになりませんよう」
「(えっ?)」
どうして逃げるだなんて言葉を使われたのかが分からず、そう声にならない声を上げたものの、二人は一礼してさっさと退出してしまう。
(自己紹介、できなかった……)
普通、自分が自己紹介した後には、相手にもそれを求めるものではないだろうかと思うものの、どうやらメアリーさんも含め、私の専属侍女となったらしい女性達はそれを失念しているらしい。
(それか、すぐに追い出すつもりで、自己紹介は必要ないと思ってるとか?)
そうだとするなら、少しばかり寂しい。追い出されるにしても、ちゃんと名前を名乗って、お礼を伝えるくらいはしたいところだ。
(目下の目標は、『訪れ』とか、『かたよく』の意味を知ること。あと、自己紹介して、お礼を言うこと)
そう決めて、私は手持ち無沙汰になったまま、部屋でじっとする。さすがに、知らない人の家を勝手にウロウロするほど常識知らずではない。
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