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第一章 神嫌いの最凶神
第五十六話 殺気放出
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デルロへの制裁を行ってからすぐに帰宅したルカは、家に入った直後、立ち止まる。
「……なんだ?」
普段は静かな家の中。しかし、今日に限っては、やたらと騒がしい。そして、その声を耳にした瞬間、ルカは駆け出していた。
ほぼ一瞬で、移り変わる光景。それが止まった直後、ルカはひゅっと息を呑んで……すぐに、強烈な殺気をばら撒く。
「何、してんの?」
ルカが見た光景。それは、シグルドが縛りあげられ、服を脱がされかけ、犯される寸前という光景だ。しかも、シグルドを犯そうとしているのは、ルカの天使達。そんなものを見て、ルカが大人しくしているはずがなかった。ただし……。
「ぁ……ルカ……」
ルカが意識して放出した殺気は、天使達には強過ぎたらしい。シグルドを残して、他の天使達は完全に意識を失う。そして、シグルドは、犯されかけたせいか、それとも、ルカの殺気に怯えたせいか、青ざめてブルブルと震えている。
「何があった?」
そんなシグルドを前に、とりあえず、拘束を解いて服を整えてやれば、シグルドはギュウっとルカにしがみつく。
「わ、分からない。突然、襲われ始めて……」
涙ぐむシグルドの尻尾は、完全に丸まって、股に挟まれている状態だ。
「……これは?」
「……? あ、ルカの部屋で、いきなり現れて、触れたら外れなくなったんだ」
ルカが見つけたのは、ハートのチャームとバラ柄のアミュレットが一体化して、ブレスレットへと変じたもの。シグルドの腕に巻きつくそれを、ルカはじっと見つめる。
「……神力、流した?」
「? 分からないが、もしかしたら、流したかもしれない」
「なるほど、よく分かった」
その直後、ルカはブレスレットへ手を当てて、膨大な神力を流し込んで、破壊する。
「っ、え? ル、ルカ?」
「さっきのやつは、魅了と精力増強の効果があるらしいから、破壊しておいた。これで、襲われることはないはずだ」
「そう、なのか?」
そう言いながらも、まだ不安なのか、シグルドはルカから離れようとしない。
「……チッ、おい、行くぞ」
「え? お、おぅ?」
シグルドの手を引いて立ち上がるよう促すルカ。シグルドは、そんなルカに戸惑いながら、どうにか立ち上がろうとするものの、足までブルブルと震えているせいで、中々立てない。
「……チッ」
もちろん、その様子をルカが気づかないわけもなく……数秒の間を置いて、ルカは、スッとしゃがみ込む。
「嫌だったら言え」
「えっ?」
ブルブルと震えていたシグルドは、次の瞬間には、ルカに抱きかかえられることとなる。そう、お姫様抱っこだ。
遅れて状況を理解したシグルドは、そのまま、顔をボンッと赤らめた。
「……なんだ?」
普段は静かな家の中。しかし、今日に限っては、やたらと騒がしい。そして、その声を耳にした瞬間、ルカは駆け出していた。
ほぼ一瞬で、移り変わる光景。それが止まった直後、ルカはひゅっと息を呑んで……すぐに、強烈な殺気をばら撒く。
「何、してんの?」
ルカが見た光景。それは、シグルドが縛りあげられ、服を脱がされかけ、犯される寸前という光景だ。しかも、シグルドを犯そうとしているのは、ルカの天使達。そんなものを見て、ルカが大人しくしているはずがなかった。ただし……。
「ぁ……ルカ……」
ルカが意識して放出した殺気は、天使達には強過ぎたらしい。シグルドを残して、他の天使達は完全に意識を失う。そして、シグルドは、犯されかけたせいか、それとも、ルカの殺気に怯えたせいか、青ざめてブルブルと震えている。
「何があった?」
そんなシグルドを前に、とりあえず、拘束を解いて服を整えてやれば、シグルドはギュウっとルカにしがみつく。
「わ、分からない。突然、襲われ始めて……」
涙ぐむシグルドの尻尾は、完全に丸まって、股に挟まれている状態だ。
「……これは?」
「……? あ、ルカの部屋で、いきなり現れて、触れたら外れなくなったんだ」
ルカが見つけたのは、ハートのチャームとバラ柄のアミュレットが一体化して、ブレスレットへと変じたもの。シグルドの腕に巻きつくそれを、ルカはじっと見つめる。
「……神力、流した?」
「? 分からないが、もしかしたら、流したかもしれない」
「なるほど、よく分かった」
その直後、ルカはブレスレットへ手を当てて、膨大な神力を流し込んで、破壊する。
「っ、え? ル、ルカ?」
「さっきのやつは、魅了と精力増強の効果があるらしいから、破壊しておいた。これで、襲われることはないはずだ」
「そう、なのか?」
そう言いながらも、まだ不安なのか、シグルドはルカから離れようとしない。
「……チッ、おい、行くぞ」
「え? お、おぅ?」
シグルドの手を引いて立ち上がるよう促すルカ。シグルドは、そんなルカに戸惑いながら、どうにか立ち上がろうとするものの、足までブルブルと震えているせいで、中々立てない。
「……チッ」
もちろん、その様子をルカが気づかないわけもなく……数秒の間を置いて、ルカは、スッとしゃがみ込む。
「嫌だったら言え」
「えっ?」
ブルブルと震えていたシグルドは、次の瞬間には、ルカに抱きかかえられることとなる。そう、お姫様抱っこだ。
遅れて状況を理解したシグルドは、そのまま、顔をボンッと赤らめた。
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