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第二章 本当の心

第四十八話 エピローグ

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 私はスイーツ学院を、ケインはナイト学院を卒業してから、結婚しようということで、魅了魔法の事件が起きたその年に婚約した。

 学院入学時の私達の年齢は二十二歳と十歳。それぞれが最短で卒業したとしても、ケインの方は六年制の学院であるため十六歳。それに合わせようとするなら、四年制の学院を卒業した後、二年待って、私は二十八歳で結婚ということになる。
 まだまだケインとの年齢差を意識してしまう状態ではあるものの、一応、十六歳から結婚できるという法律があるため、ケインが十六歳になって、ナイト学院を卒業したら結婚しようということになった。

 ちなみに、なぜケインがナイト学院に入ったのかを後で確認すると、かつて私を助けてくれた騎士に嫉妬したとのことだった。つまりは、ジルベルト様のことなのだろうが……ケインに、ジルベルト様は完全に範囲対象外だし、妻子が居ると話せば、安心したようだった。


「ロレーヌ、お待たせ!」

「ミオ! 今日は来てくれてありがとう! さぁ、早速、マークの誕生日プレゼント選びに行くわよ!」


 ロレーヌとも、あれから友人として、良い関係が築けていた。
 ロレーヌの片翼の方は、マークという名前らしいのだが、魅了魔法の影響が長く残り、あの謁見の日から半年もの間、ロレーヌはマークと面会すらできなかった。
 それでも、ロレーヌの周りで魅了魔法に掛けられていた人達の方は掛かり方が浅かったらしく、次々にロレーヌへ謝罪の手紙やら贈り物やらを送ってきていたために、その対処が大変だったらしい。
 面会が可能になってからは、マークは自殺せんばかりの勢いで反省してロレーヌに謝罪していたらしいのだが、それも今は落ち着いて、仲の良い片翼同士の関係を取り戻しているようだった。


「私も、まだ先だけど、ケインに誕生日プレゼントをあげたいから、色々見れるのはありがたいけど……ロレーヌ、急がなくても店は逃げないから!」


 元気よく走るロレーヌを追いかけながら、私はの幸せを噛み締める。

 結局、私の母親のことは何も分からず仕舞いだったものの、今は、この愛しい日々を堪能したい。そして、ケインとの結婚を楽しみにしながら、ケインと毎日触れ合いたかった。

 今の私の目標は、幸せになること。家のための政略結婚なんかではなく、私自身が、ケインと共に幸せになることが一番重要だ。
 幸せな日々のためならば、どんなことでも頑張ってみせよう。それが、今の私の決意だった。
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