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第二章 どうして今更……
第十二話 再び来襲
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ハリオール家の封印のみを継いで、家の爵位を徐々に上げてもらうことが決まった後は、比較的穏やかな日々が続いていた。
魔族の中には、片翼を見つけたらその翌日には結婚式を挙げる者も多い。しかしもちろん、ゆっくりと結婚式の準備に時間をかける魔族も居るわけで、オリアナ様の場合、結婚式は色々と準備をしたい方だったらしい。
「ライトさん、式場はどこが良いでしょうか?」
「オリアナ様が良いと思う場所はどこかありますか? 僕は……そうですね、こことここ、あとここは見学に行ってみたいと思いますが」
そんなふうに、穏やかな時間を過ごしながら、このまま、オリアナ様と結婚できることに喜びを感じていた、そんな時だった。
「見つけましたっ、ライト様っ!!」
デートで喫茶店に来ていた僕達は、どうにも覚えのある……しかし、完全に忘れてしまいたい人物の声に、一瞬固まる。
……無視したいところだけど、そうもいきそうにない、かなぁ……。
そう思って顔をそちらへ向けてみれば、やはりというか何というか、そこには、ハリオール家の執事であるアバル・シェーザーが居た。
しかも、なぜか怒りの表情を浮かべている。
「どういうことですかっ! なぜっ、ライト様が後継者になっておられないのですかっ!」
……一応、封印の後継者にはなったけど、コイツが言っているのは、ハリオール家の後継者、ということだろうな。
「すみません、オリアナ様。何度も僕の事情に巻き込んでしまって……」
「いえ、問題ありません。……ライトさんの事情であれば、私の事情でもあるのですから、ね」
「オリアナ様……」
言外に、僕はオリアナ様のものであると言われて、僕は嬉しさに舞い上がる。ただし、ここには無粋な存在が居るわけで……。
「ライト様っ、どうかお答えくださいっ!」
前回とは違い、今は多くの客が訪れる喫茶店の中。と、なれば、不用意に威圧するわけにもいかない。
「ライト様っ」
「お静かに、ここは、他のお客様もいらっしゃる喫茶店ですよ?」
しかし、そんな状況を冷静に判断して黙らせられるのがオリアナ様のすごいところだ。
その言葉だけで、自分が周囲から注目を浴びていると理解したらしき執事は、『す、すみません』と頭を下げる。
「それで? その話はここでしなければならないようなものなのですか?」
それから、追加で告げられた内容に、執事は黙り込んで、深々と頭を下げる。
「申し訳ありません。少々気が動転しておりました。よろしければ、この後、私に同行していただけないでしょうか?」
そんな言葉に、僕達は、今後もまたこうして詰め寄られるのも面倒だということで意見が一致して、彼についていくこととなった。
魔族の中には、片翼を見つけたらその翌日には結婚式を挙げる者も多い。しかしもちろん、ゆっくりと結婚式の準備に時間をかける魔族も居るわけで、オリアナ様の場合、結婚式は色々と準備をしたい方だったらしい。
「ライトさん、式場はどこが良いでしょうか?」
「オリアナ様が良いと思う場所はどこかありますか? 僕は……そうですね、こことここ、あとここは見学に行ってみたいと思いますが」
そんなふうに、穏やかな時間を過ごしながら、このまま、オリアナ様と結婚できることに喜びを感じていた、そんな時だった。
「見つけましたっ、ライト様っ!!」
デートで喫茶店に来ていた僕達は、どうにも覚えのある……しかし、完全に忘れてしまいたい人物の声に、一瞬固まる。
……無視したいところだけど、そうもいきそうにない、かなぁ……。
そう思って顔をそちらへ向けてみれば、やはりというか何というか、そこには、ハリオール家の執事であるアバル・シェーザーが居た。
しかも、なぜか怒りの表情を浮かべている。
「どういうことですかっ! なぜっ、ライト様が後継者になっておられないのですかっ!」
……一応、封印の後継者にはなったけど、コイツが言っているのは、ハリオール家の後継者、ということだろうな。
「すみません、オリアナ様。何度も僕の事情に巻き込んでしまって……」
「いえ、問題ありません。……ライトさんの事情であれば、私の事情でもあるのですから、ね」
「オリアナ様……」
言外に、僕はオリアナ様のものであると言われて、僕は嬉しさに舞い上がる。ただし、ここには無粋な存在が居るわけで……。
「ライト様っ、どうかお答えくださいっ!」
前回とは違い、今は多くの客が訪れる喫茶店の中。と、なれば、不用意に威圧するわけにもいかない。
「ライト様っ」
「お静かに、ここは、他のお客様もいらっしゃる喫茶店ですよ?」
しかし、そんな状況を冷静に判断して黙らせられるのがオリアナ様のすごいところだ。
その言葉だけで、自分が周囲から注目を浴びていると理解したらしき執事は、『す、すみません』と頭を下げる。
「それで? その話はここでしなければならないようなものなのですか?」
それから、追加で告げられた内容に、執事は黙り込んで、深々と頭を下げる。
「申し訳ありません。少々気が動転しておりました。よろしければ、この後、私に同行していただけないでしょうか?」
そんな言葉に、僕達は、今後もまたこうして詰め寄られるのも面倒だということで意見が一致して、彼についていくこととなった。
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