私、異世界で魔族になりました!〜恋愛嫌いなのに、どうしろと?〜

星宮歌

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第一章 どうして魔族なんかに……

第二十九話 邪魔者は(ライト視点)

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 オリアナ様から、食事に誘われた。
 恐らく、それは、誰に聞いても間違いではないと答えてくれるだろう。ただ、オリアナ様がどういう目的で誘ってくれたのかまでは分からない。


「これでデートじゃないとか言われたら……いや、でも、これは心の持ちようでなんとでもっ! デートなんだ。デート。オリアナ様との……」


 そう思ってみると単純なもので、どんどんと自分の顔が熱くなってくることを自覚する。


 どうやら、僕は、攻めるより攻められることに弱いらしい。


 そんな気づきを得ながらも、職務を必死に終わらせた僕は、オリアナ様とのデートのためにと、職場に保管しておいた衣装に着替える。


「どこに行くかまでは聞いてないけど、それなりにきっちりとした格好なら問題ないかな?」


 魔族で片翼同士ならば、会ったその日に格式高いホテルでディナー、なんてこともあり得るが、相手はオリアナ様だ。それだけはない……はずだ。

 準備を手早く整えて、浮足立ちながらもオリアナ様と待ち合わせている広場まで行く。しかし、さすがに僕の方が早かったのか、まだオリアナ様が到着している様子はなかった。


 オリアナ様とデート……今更ながら、緊張してきた。


 一度はデートをすることに成功はしている。しかし、そのデートは、途中で台無しになってしまったという苦い思い出もある。


 今度こそは、失敗のないようにしないと。……今からでも、安全確認するべきかな?


 また、オリアナ様を悲しませるわけにはいかない。そう思って、僕は周囲をその場で軽く探って……。


「…………何で、邪魔するかなぁ?」


 明らかに、こちらを伺っている気配を五つ、感知してしまった。それも、出歯亀とかではなく、明らかに何らかの害意を持っていると思われる気配だ。
 本音を言えば、今すぐにでも排除してしまいたいところだが、オリアナ様がいつ来てもおかしくない時間でもある。
 デートの邪魔をされたくないし、オリアナ様を待たせたくもない。と、なれば、誰かを頼るしかないということで……。


「邪魔者の排除を頼めるかな?」

「はっ、仰せのままに」


 調査に向かわせていた者とは別の者だが、頼りになる姿の見えないその存在へ、そっと命令を下した。


「お待たせ、しました」


 それから数分の後、オリアナ様が僕の元へ到着した。
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