【R18】肉食聖女と七人のワケあり夫たち

千咲

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第二夜

051.橙の君との第二夜(一)

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「この苺酒とオレンジ水の組み合わせが最高だったのよ」
「わぁ、綺麗なグラデーション! アールシュ、カクテル作るの上手だねぇ」
「ぐら? かく? まぁいいわ。飲みましょ、飲みましょ」

 今夜のアールシュは割と大人し目の服を着ている。鎖とかはついていないけれど、十分露出度は高い。踊り子みたいな、お母さんの衣装は初夜だけのものだったみたい。またどこかで見てみたいな。

「毎日毎晩、果実酒と果実水の組み合わせを考えたのよ。おかげで、毎日酔っ払い。でも、楽しかったわぁ」
「ありがとう、アールシュ。原酒だと酔いすぎるから、割る方法を考えてくれたんだね」

 苺とオレンジの組み合わせは、すごくさっぱりしている。程良い酸味と甘さのハーモニー。アールシュが苺酒のほうを少なめにしてくれたから、たぶん、度は高くない。すごく飲みやすい。

「イズミちゃん、その紙とペンは何に使うの?」
「アールシュに聞きたいことがあるの。ぷるぷるつやつやの肌を保つ努力をしているでしょう? だから、それを聞きたくて」
「なるほどねぇ」

 隣に座るアールシュは「そんなことしなくても十分可愛いわよ」とわたしの頬を撫でてくれるけれど、わたしより綺麗で美人な夫に言われても説得力がないんだよ。わたしも綺麗になりたいなぁ。
 そういう美容に関することは宮女官よりアールシュに聞いたほうが早いと思ったんだけど、案の定。

「毎日洗顔をしたあとはサトラェ産の化粧水とクリームを使っているの。化粧水はたっぷり使うのよ。休みの日はナヴァースィ産の泥でパックをして湯にゆっくり浸かるわ。泥は最後に落とすのよ」
「えっ、どこ産? サトウ産?」
「サトラェ産。いいわよ、ゆっくり書きなさい。夜は長いんだから」

 うふふ、と微笑んでアールシュはわたしの頬に口づける。ソファに並んで座って正解。たっぷりいちゃいちゃできるもん。
 お返しとしてアールシュの頬にキスをして、そのまま唇もぺろりと舐める。二人、笑い合ってキスをする。苺とオレンジの甘いキス。舌を絡めればくらくらしそうなほど気持ちいい。
 あぁ、幸せだ。
 でも、なんか、肩のあたりがめっちゃ冷たいんだけど。冷たい……ひゃあ、冷たい!

「アールシュ?」
「うふふ、ごめんなさい、零しちゃった」

 アールシュがわたしの肩のあたりでグラスを傾け、カクテルでびしゃびしゃにしているところだ。んもー、もう酔ったの? 濡れちゃったじゃん。

「脱がしてあげる」

 微笑んで、アールシュはわたしの首筋に舌を這わせ始める。くすぐったい。ボタンを外しながら、夫はわたしの肌に落ちたお酒をペロペロと舐め取っていく。

「アールシュ、わざとでしょ」
「あら、わかっちゃった? イズミちゃんの肌、とっても甘くて美味しい」
「……えっち」

 ずるりと背中が滑る。ペンが取り上げられ、アールシュに組み伏せられる。ベタベタになった寝間着を脱がしながら、夫は薄くなりつつあったキスマークの上から肌を吸い上げていく。

「好きでしょ、こういうの」
「うん、好き」
「ねぇ、イズミちゃん」

 アールシュの吐息が耳元で聞こえる。ぞくぞくする。

「挿れたい」

 その低い声に痺れる。これ、堪らなく好き。求められてるって感じがする。わたしはアールシュを抱きしめ、「挿れて」と応じる。別に同意なんて取らなくても構わないのに、アールシュのそういう律儀なところが好き。
 舌を求め合い、お互いの衣服を脱がし合う。笑い合って、抱き合って、アールシュの舌と声に翻弄される。堪らなく幸せな時間だ。
 鎖骨や乳房を吸い上げられ、また赤い痕ができる。乳首は優しく吸われ、甘く噛まれる。そのたびに腰ははしたなく揺れ、アールシュの腰を求めて足が動いてしまう。

「欲しいの?」
「欲しい」
「夜は長いのに、もう出来上がっちゃったの?」
「アールシュのせいだよ。お酒零したりするから」
「うふふ。ごめん」

 アールシュの指がわたしの腹を這い、割れ目にたどり着く。濡れたあわいを往復させながら、アールシュはわたしの耳介を甘く食む。

「挿れてかき混ぜてもいいの?」
「いいよ。ちょっとくらい乱暴にされてもいいよ」
「ふふ。犯されたいの?」
「アールシュになら」

 夫にならきっと何をされても構わない。痛いのは嫌だけれど、それ以外なら、きっと何でも受け入れてしまう。

「ダメよ、イズミちゃん。あたしはあなたを優しく抱きたいのに」
「アールシュ、抱いて。挿れて。我慢できない」

 正直、昨夜から欲求不満をこじらせてしまっている。リヤーフが抱いてくれなかったんだもん。
 アールシュはわたしの足、膝の後ろを持ち上げる。濡れた蜜口に熱い尖端が添えられる。あぁ、そう、それが欲しい。
 夫は微笑みながら、グラスを取ってカクテルを口に含む。そうして、わたしにキスをしてくれる。夫の口から移されたそれを嚥下した瞬間に、熱杭が隘路を割った。

「っあ、あぁ……んっ」
「可愛い声で啼くのね、イズミちゃん」
「ア、ルシュ、ひど、っあぁ」
「うふふ。もっと飲む?」

 どっちを? どっちも? どっちも好き。アールシュの口から飲むお酒も、彼の肉杭も。

「元の世界では中に出せば妊娠するんだったかしら?」
「そうだよ、っんん」
「イズミちゃんの奥に出せばいいの?」
「あっ、奥、とどい、っ」

 ぐ、と尖端が奥を突く。アールシュの顔が歪む。その吐息は反則。ちょー色っぽい。
 キスをねだると、ついでにお酒も流し込まれる。うぅ、これ、めっちゃ酔いそう。幸せな酔い方なんだけど、せっかくアールシュがたくさんお酒を準備してくれたのに、他のは全然飲めていないや。
 アールシュは執拗に奥を穿つ。ずっと深いところを抉る。痛いようで、気持ちいい。

「イズミちゃん、可愛い」
「アール、シュも、綺麗っん」
「ねぇ、奥に出すわよ」
「ん、来てっ」

 夫をぎゅうと抱きしめる。頭がくらくらする。あ、やだ、キスしていたいのに。アールシュの唇が離れちゃう。

「アール、シュ」
「イズミちゃん――」

 耳元で囁かれた言葉に、体が素直に反応した。夫の熱杭を一気に締め上げる。アールシュが最奥で吐精したのと同時。あぁ、同時にイクの、気持ち良すぎ。

「――っ、アールシュ!」
「うふふ。すごいわねぇ、すぐ達しちゃったじゃないの」
「だって! だって、アールシュが!」

 夫を睨む。彼の言葉でイッちゃったんだもん。

「ねーぇ、そんなに気持ち良かったの?」
「……うん」
「じゃ、何度だって言ってあげるわよ」

 アールシュはわたしにキスをしたあと、額をこつんと合わせて微笑んだ。

「……あたしの子を孕んで」

 そんなこと言われたら、すぐイッちゃうに決まってるでしょ! アールシュのえっち!


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