【R18】肉食聖女と七人のワケあり夫たち

千咲

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第二夜

042.赤の君との第二夜(二)

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 自分の下腹部からフローラルな花の匂いがするって、すごい不思議な感じ。潤滑油をたっぷり塗り込んで、オーウェンに跨る。

「大っきい……」

 親指と中指で作る輪っかでさえも凌駕する凶悪な太さの肉杭なんて初めて。尖端を蜜口に宛てがい、揺らしながら腰を落としていく。尖端……は、挿入った。痛みは大丈夫。耐えられないものではない。動かないものなら、ね。
「つらくなったら言ってくれ」とオーウェンは言うけれど、多少痛くても、根元まで飲み込めなくても、頑張ってみるつもり。ゆっくりと、腰を揺らしながら、奥へと招き入れていく。

「っあ」

 オーウェンが我慢している。声を出すのも、射精も。堪らなく色っぽい。マッチョな男の人を喘がせるのは楽しい。
 まぁ、わたしもあんまり余裕ないんだけどね。わたしの中は結構広いんじゃないかと思っていたけど、そんなことはないんだろうな。

「オーウェン、我慢しなくてもいいからね」
「イズミ、どの、そんなこ、言っ……今でも、かなり、我慢、をっ」
「そうだよねぇ」

 言って、わたしは寝転んで我慢している夫の厚い胸に鎮座している乳首をペロリと舐めた。完全な不意打ちだったため、「あぁっ」という大変色っぽい声を出して、オーウェンは……果てた。あら、出ちゃったかぁ。

「イズミ殿、それは、あんまりだ」
「ごめん、ごめん。感度が知りたかったんだけど、割といいみたいね?」

 ちょっとショックを受けているオーウェンだけど、前回よりは何センチかは奥で射精したため、多少中の滑りは良くなっている。萎えていない剛直に、これ幸いと奥を目指す。

「いっ、イズミ殿、っ」
「イッたばかりだけど、ごめんね。奥まで欲しいの」

 敏感になっているであろう尖端を、ゆっくり膣壁で扱き上げていく。オーウェンは目を閉じ、眉間に皺を寄せながら、我慢を続けている。いい眺め。男の人が我慢している様子がわかるから、騎乗位は結構好きなんだよね。

「オーウェン、見える? 繋がってるよ」

 少し上体を起こしたオーウェンが、下腹部を見て「本当だ」と呟く。わたしは目の前にやってきた夫の右肩の傷口を舐める。

「イズミ殿!?」
「ひゃ、っ、あ、んんんっ!?」

 オーウェンがいきなり起き上がったから、角度が変わり、一気に熱杭を飲み込んでしまった。痛い、痛い痛い。でも思ったほどの激痛じゃない。一回イッてるからかな? 裂けそうなのに裂けない。

「あぁ、悪い、すまない、イズミ殿! ……ん?」
「そこ、奥。当たってるの、わかる?」
「あ、ああ……これが、イズミ殿の」

 オーウェンがわたしの腰を抱き、キスをする。わたしも夫に抱きつく。舌を求め合い、しばらくキスだけに没頭する。堪らなく幸せな時間だ。
 馴染むと痛みより圧迫感のほうが強い。ここにあるぞ、と主張してくる。さすがに大きすぎて根元までは挿入らなかったみたい。
 動こうとすると、腰を止められる。「動かないでくれないか」とオーウェンにねだられたから、少し揺するだけにする。

「オーウェン?」
「恥ずかしながら……動いたら、すぐにまた出る。出したくない。まだイズミ殿の中に、いたい」
「わかった。じゃあ、グリグリするのは?」

 強めに腰を沈み込ませて最奥に尖端を招き入れる。オーウェンは慌てた様子でぶるぶると頭を左右に振っていたから、これは刺激が強いみたい。ちぇっ。

「オーウェン、動きたいな」
「すまない、出てしまう」
「いいよ、出して。わたしの奥まで、あなたのものでいっぱいにして」
「イズミ殿……すまない」

 やっぱダメかぁ、と残念に思っていたら、いきなり腰をぎゅうと抱きしめられた。深いところでの交わりに、思わず声が漏れる。ちょっとイッちゃったかも。
 オーウェンはすぐにわたしの腰を掴み、自らの欲望の赴くままに腰を動かし始める。ちょっと浅めの動きなのに痛い、けど気持ちいい。奥が抉られる感じ。頭の中が真っ白になる。この快楽だけ貪っていたい。

「あぁ、イズミ、ど、出る」
「来て、オーウェン。いっぱい出して」

 わたしの腕の中で、オーウェンが震える。何度も、何度も。夫は最奥で精を放った。わたしはイッたのかそうじゃないのか自分でもよくわからない。膣内がいっぱいすぎて、感覚が鈍い感じ。でも、めっちゃ気持ちいい。
 しばらくして、夫はわたしを抱きしめながら、力なく微笑んだ。

「こんな幸せがあるとは、知らなかった」

 奇遇だね。わたしもそう思っているところだよ。わたしも微笑んで、夫の唇に噛みつくようなキスをするのだ。



「宮武官には弓を使う人もいたよ。オーウェンは剣を使っていたんだよね?」
「ああ。だが、弓も使えるし、体術も使える。体をすべて武器にするのが武官だ」
「へえぇ、すごい。わたし、運動苦手だからなぁ」

 オーウェンの左腕の腕枕で、時折キスをしながら話をする。わたしの体は満足している。昨日はウィルフレドと舐め合っただけだし、明日は足フェチセルゲイだから挿入はないだろう。ヒューゴは回数制限をつけておけば翌日しんどくならないはず。

「宮武官はすごい人たちなの? オーウェンより強い?」
「そうとも限らない。黒翼地帯に近い赤と紫の国には屈強な武官が集められるが、宮武官の中には魔物と戦ったことのない者たちが多数存在しているはずだ。もちろん弱いわけではないが、実戦慣れしていない彼らの強さを過信するのは勧めない」
「……なるほど。じゃあ、聖女宮から出るのはやっぱり危ないね」

 ラルスが言っていた通り、スサンナを伴っていても、危ないときは危ないということか。じゃあ、ラルスの執務室へ行くのはもうやめておこう。来ないのなら、呼びつけてやるんだ。ふふん。

「外に出たいのか?」
「時々ね。でも、オーウェンを連れ出すわけにはいかないからなぁ」
「そうだな、自分は邸宅からは出られない。人質のようなものだからな。……あぁ、ならば、自分の従者を連れていけばいい。イーサンも赤の国の聖武官をしていた男だ。あの赤色の扉からは出入りができないが、一度外に出て、表から出入りするなら大丈夫だろう」

 なるほど、そんな手があるのか! 国境を守っていた聖武官なら大丈夫そうだなぁ。宮武官よりもずっと強いんだろうし。頼りになりそうだなぁ。

「じゃあ、必要に迫られたら、お願いしようかな。それから、オーウェンには体術を教えてもらいたいんだけど」
「体術を? 構わないが……明日の朝にでも始めるか」
「わぁ、ありがとう! 手が痛くならない殴り方とかめっちゃ知りたい!」

 エレミアスに会ったら殴ってやらないと気がすまないんだよねー。オーウェンは「殴りたい夫がいるのか」と苦笑している。

「夫じゃないよ……ええと、聖職者だよ」
「聖職者? 大丈夫なのか? あまり心配になるようなことはしないでくれ。自分はイズミ殿を失いたくない」
「わかってる……命の実が宿らなくなるもんねぇ」
「……イズミ殿、そうじゃない」

 オーウェン、ごめん、めっちゃ眠くなってきた。体は思った以上にしんどかったみたい。さすが巨根。

「自分は聖女……イズミ殿を好いて……のでは……」

 あ、だいじょぶ、知ってるよー。うん、知ってるよー。

「あなただから……そばに……愛して……」

 おやすみ、オーウェン。いい夢を。


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