16 / 91
第一夜
016.黄の君との初夜(二)
しおりを挟む
「イズミさん、イズミさんっ、私、初めて、中に……!」
「うん、出たね。いっぱい出た?」
「はい! 一瞬、頭の中が真っ白になり、下腹部が脈打つのだけが感じ取れました。あぁ、もう、本当に気持ちがいい……! 欲の解放、とはよく考えてつけられた名称ですね。感服いたしました。それにしても、このような快感が世の中にあったとは」
興奮するとお喋りになるのか、元がお喋りなのか、さっぱりわからない。ヒューゴは嬉しそうに初めての膣内射精の感想を述べている。可愛い。
中のものはまだ硬いような気がする。……二回目もイケるのかしら? わたしの興味はそこだけだ。
「ヒューゴ、まだ出そう? 収まらない?」
「……恥ずかしながら収まる気配がございません」
「じゃ、腰動かしてみるね」
少し腰を上げてみても、ふにゃふにゃにはならない。まだ硬いままだ。素晴らしい。二回戦開幕である。
「イズミ、さん、あの、お願いが」
「なぁに?」
「あのその、裸が、見たくて」
わたしはヒューゴの手を引っ張り、起き上がらせる。対面座位のまま、ワンピースのボタンを外してもらう。夫はもたつきながらも上からボタンを一つずつ外していき、Dカップを見て「なんて綺麗なんでしょう」と感嘆の声を漏らした。「触ってもいいですか?」なんて許可制にしたら大変なことになるので、わたしは先回りする。
「ヒューゴの好きにしていいのよ。わたしはあなたの妻なんだから」
「つ、つま」
「ヒューゴはわたしの夫よね」
だから、好きにして。好きなように触って、舐めて、撫でて、突いて、出して、いいの。受け止めてあげるから。
ヒューゴにキスをすると、今度は彼のほうから舌を絡めてきた。熱い手はわたしの寝間着を取り払い、体の線をたどりながら、柔らかな双丘に優しく触れる。
その間、わたしもヒューゴのシャツを脱がしている。多少鍛えてはいるようだけれど、オーウェンと比べるとまだまだ胸板が薄い。
「どう、動けばいい、ですか?」
「あ、じゃあ動いてあげようか?」
「いえ、ダメです。一緒にしたい。一緒に、気持ち良くなりたい」
ヒューゴがわたしの腰を抱く。ぐ、と奥まで硬い熱杭が穿たれる。気持ち良くて体がピリピリする。わたし、奥好きだわ。
「わかった。じゃあ、一緒にね。わたしが少し腰を上げるから、ヒューゴは腰を掴んでぐっと抱き寄せて」
「はい」
素直なヒューゴは、ちょっと難しいかもしれない対面座位でも「難しい」なんて泣き言は言わずに、ぐいぐいと上手に剛直を打ち込んでくる。少し痛いんだけど、それもまた少しずつ快感に変わっていく。
ぐちゅぐちゅと、精液と愛液が混ざり合う音が響く。いやらしくて卑猥な水音が、さらにお互いの興奮を呼ぶ。
「イズミ、イズミさん、気持ち、いい」
「わたしも。ヒューゴのが、奥に、届いてる」
ヒューゴは繋がりながらのディープキスを気に入ったようで、ずっと舌を求めてくる。唾液が溢れ、顎を伝い落ちていく。
「あぁ……イズミさん、もう一度、いいですか?」
「いいよ、何回でも。おいで」
ヒューゴをぎゅうと抱きしめると、彼は一層腰を振り、わたしの腰を掻き抱く。「あぁ、出る」と呟いた直後、また体を震わせ、何度もわたしの奥を穿ち、欲を吐き出した。
荒い息をしたままヒューゴを抱きしめると、彼はふらりとベッドに倒れ込む。枕を背に、夫はとろんとした表情で「何でこんなに気持ちいいんですか」とわたしを見上げてくる。ふわふわの金髪が汗で額に張り付いているの。イッたあとのイケメンはめちゃくちゃエロくて……いいね。
「気持ち良かった? 良かったねぇ」
「……イズミさんは? 達していないでしょう?」
「イッてないけど気持ちいいよ」
それは事実だ。女は別にイケなくても、セックスが充実していたらそれだけで満足だ。わたしは満足している。何しろ二日もお預けを食らっていたのだから、太くて硬いもので奥をガンガンと突かれて、体は大変喜んでいる。めちゃくちゃ気持ち良かった。大満足である。
「どうしたら昇ることができますか? 教えてください、イズミさんの気持ちいいところ、ぜんぶ」
「え」
「一晩で覚えます。お願いします。二人で気持ち良くなりたい。あなたを気持ち良くさせてあげたい」
「一晩?」
え、わたしを寝かせてくれないの? ちょっと待って、ヒューゴ。あなた、そんなに勉強熱心なの? そんなに真面目な人なの!?
「イズミさん、もっとあなたを抱きたい」
ぞくり、鳥肌が立つ。わたしの中の杭が、徐々に硬く張っていくことに、気づいてしまった。
童貞の回復力と性欲と探究心を舐めていた。彼は、出せば終わり、という夫じゃない。次を求められるなんて、満足しないなんて、予想外だ。
「ヒューゴ、あの、落ち着こう。わたしは明日も」
「明日は緑の国の夫に抱かれるのでしょうか? でも、私は七日もあなたに会えない。今日しかないんです。あなたを独占できる日は、今夜しか」
これから先、まだまだ長い年月があるじゃない、と言おうとしたら、視界がぐるりと反転した。今度は、ヒューゴに組み伏せられている。まだ、繋がったまま。……器用にひっくり返してくれたわねぇ。ほんとに童貞?
「『何回でも』と言いましたよね?」
「い、言った? かなぁ?」
「言いました。何回でも抱きます。何十回でも出します。あなたの中を、私のものでいっぱいにしたい」
もういっぱいだと思うよ? ほら、硬いし、太いし、長いもの。奥までいっぱいだよ。
「イズミさん」
「は、はい」
少しずつ明かりが弱くなっていくランプに、浮かび上がる妖艶な夫。彼は腰をぐいと割り入れて、静かに微笑んだ。
「今夜の夫は、私です」
わたしはどうやら、ヒューゴの何かに火をつけてしまったようだ。セックスをしたかったのは事実だけれど一晩中というのはつらい、とは言い出せないまま、夫に抱かれる羽目になってしまった。
「うん、出たね。いっぱい出た?」
「はい! 一瞬、頭の中が真っ白になり、下腹部が脈打つのだけが感じ取れました。あぁ、もう、本当に気持ちがいい……! 欲の解放、とはよく考えてつけられた名称ですね。感服いたしました。それにしても、このような快感が世の中にあったとは」
興奮するとお喋りになるのか、元がお喋りなのか、さっぱりわからない。ヒューゴは嬉しそうに初めての膣内射精の感想を述べている。可愛い。
中のものはまだ硬いような気がする。……二回目もイケるのかしら? わたしの興味はそこだけだ。
「ヒューゴ、まだ出そう? 収まらない?」
「……恥ずかしながら収まる気配がございません」
「じゃ、腰動かしてみるね」
少し腰を上げてみても、ふにゃふにゃにはならない。まだ硬いままだ。素晴らしい。二回戦開幕である。
「イズミ、さん、あの、お願いが」
「なぁに?」
「あのその、裸が、見たくて」
わたしはヒューゴの手を引っ張り、起き上がらせる。対面座位のまま、ワンピースのボタンを外してもらう。夫はもたつきながらも上からボタンを一つずつ外していき、Dカップを見て「なんて綺麗なんでしょう」と感嘆の声を漏らした。「触ってもいいですか?」なんて許可制にしたら大変なことになるので、わたしは先回りする。
「ヒューゴの好きにしていいのよ。わたしはあなたの妻なんだから」
「つ、つま」
「ヒューゴはわたしの夫よね」
だから、好きにして。好きなように触って、舐めて、撫でて、突いて、出して、いいの。受け止めてあげるから。
ヒューゴにキスをすると、今度は彼のほうから舌を絡めてきた。熱い手はわたしの寝間着を取り払い、体の線をたどりながら、柔らかな双丘に優しく触れる。
その間、わたしもヒューゴのシャツを脱がしている。多少鍛えてはいるようだけれど、オーウェンと比べるとまだまだ胸板が薄い。
「どう、動けばいい、ですか?」
「あ、じゃあ動いてあげようか?」
「いえ、ダメです。一緒にしたい。一緒に、気持ち良くなりたい」
ヒューゴがわたしの腰を抱く。ぐ、と奥まで硬い熱杭が穿たれる。気持ち良くて体がピリピリする。わたし、奥好きだわ。
「わかった。じゃあ、一緒にね。わたしが少し腰を上げるから、ヒューゴは腰を掴んでぐっと抱き寄せて」
「はい」
素直なヒューゴは、ちょっと難しいかもしれない対面座位でも「難しい」なんて泣き言は言わずに、ぐいぐいと上手に剛直を打ち込んでくる。少し痛いんだけど、それもまた少しずつ快感に変わっていく。
ぐちゅぐちゅと、精液と愛液が混ざり合う音が響く。いやらしくて卑猥な水音が、さらにお互いの興奮を呼ぶ。
「イズミ、イズミさん、気持ち、いい」
「わたしも。ヒューゴのが、奥に、届いてる」
ヒューゴは繋がりながらのディープキスを気に入ったようで、ずっと舌を求めてくる。唾液が溢れ、顎を伝い落ちていく。
「あぁ……イズミさん、もう一度、いいですか?」
「いいよ、何回でも。おいで」
ヒューゴをぎゅうと抱きしめると、彼は一層腰を振り、わたしの腰を掻き抱く。「あぁ、出る」と呟いた直後、また体を震わせ、何度もわたしの奥を穿ち、欲を吐き出した。
荒い息をしたままヒューゴを抱きしめると、彼はふらりとベッドに倒れ込む。枕を背に、夫はとろんとした表情で「何でこんなに気持ちいいんですか」とわたしを見上げてくる。ふわふわの金髪が汗で額に張り付いているの。イッたあとのイケメンはめちゃくちゃエロくて……いいね。
「気持ち良かった? 良かったねぇ」
「……イズミさんは? 達していないでしょう?」
「イッてないけど気持ちいいよ」
それは事実だ。女は別にイケなくても、セックスが充実していたらそれだけで満足だ。わたしは満足している。何しろ二日もお預けを食らっていたのだから、太くて硬いもので奥をガンガンと突かれて、体は大変喜んでいる。めちゃくちゃ気持ち良かった。大満足である。
「どうしたら昇ることができますか? 教えてください、イズミさんの気持ちいいところ、ぜんぶ」
「え」
「一晩で覚えます。お願いします。二人で気持ち良くなりたい。あなたを気持ち良くさせてあげたい」
「一晩?」
え、わたしを寝かせてくれないの? ちょっと待って、ヒューゴ。あなた、そんなに勉強熱心なの? そんなに真面目な人なの!?
「イズミさん、もっとあなたを抱きたい」
ぞくり、鳥肌が立つ。わたしの中の杭が、徐々に硬く張っていくことに、気づいてしまった。
童貞の回復力と性欲と探究心を舐めていた。彼は、出せば終わり、という夫じゃない。次を求められるなんて、満足しないなんて、予想外だ。
「ヒューゴ、あの、落ち着こう。わたしは明日も」
「明日は緑の国の夫に抱かれるのでしょうか? でも、私は七日もあなたに会えない。今日しかないんです。あなたを独占できる日は、今夜しか」
これから先、まだまだ長い年月があるじゃない、と言おうとしたら、視界がぐるりと反転した。今度は、ヒューゴに組み伏せられている。まだ、繋がったまま。……器用にひっくり返してくれたわねぇ。ほんとに童貞?
「『何回でも』と言いましたよね?」
「い、言った? かなぁ?」
「言いました。何回でも抱きます。何十回でも出します。あなたの中を、私のものでいっぱいにしたい」
もういっぱいだと思うよ? ほら、硬いし、太いし、長いもの。奥までいっぱいだよ。
「イズミさん」
「は、はい」
少しずつ明かりが弱くなっていくランプに、浮かび上がる妖艶な夫。彼は腰をぐいと割り入れて、静かに微笑んだ。
「今夜の夫は、私です」
わたしはどうやら、ヒューゴの何かに火をつけてしまったようだ。セックスをしたかったのは事実だけれど一晩中というのはつらい、とは言い出せないまま、夫に抱かれる羽目になってしまった。
0
感想募集中。更新中は励みになりますし、完結後は次回作への糧になります。
お気に入りに追加
1,639
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団の異色男子
ジャスティン・レスターの意外なお話
矢代木の実(23歳)
借金地獄の元カレから身をひそめるため
友達の家に居候のはずが友達に彼氏ができ
今はネットカフェを放浪中
「もしかして、君って、家出少女??」
ある日、ビルの駐車場をうろついてたら
金髪のイケメンの外人さんに
声をかけられました
「寝るとこないないなら、俺ん家に来る?
あ、俺は、ここの27階で働いてる
ジャスティンって言うんだ」
「………あ、でも」
「大丈夫、何も心配ないよ。だって俺は…
女の子には興味はないから」
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる