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第一夜
016.黄の君との初夜(二)
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「イズミさん、イズミさんっ、私、初めて、中に……!」
「うん、出たね。いっぱい出た?」
「はい! 一瞬、頭の中が真っ白になり、下腹部が脈打つのだけが感じ取れました。あぁ、もう、本当に気持ちがいい……! 欲の解放、とはよく考えてつけられた名称ですね。感服いたしました。それにしても、このような快感が世の中にあったとは」
興奮するとお喋りになるのか、元がお喋りなのか、さっぱりわからない。ヒューゴは嬉しそうに初めての膣内射精の感想を述べている。可愛い。
中のものはまだ硬いような気がする。……二回目もイケるのかしら? わたしの興味はそこだけだ。
「ヒューゴ、まだ出そう? 収まらない?」
「……恥ずかしながら収まる気配がございません」
「じゃ、腰動かしてみるね」
少し腰を上げてみても、ふにゃふにゃにはならない。まだ硬いままだ。素晴らしい。二回戦開幕である。
「イズミ、さん、あの、お願いが」
「なぁに?」
「あのその、裸が、見たくて」
わたしはヒューゴの手を引っ張り、起き上がらせる。対面座位のまま、ワンピースのボタンを外してもらう。夫はもたつきながらも上からボタンを一つずつ外していき、Dカップを見て「なんて綺麗なんでしょう」と感嘆の声を漏らした。「触ってもいいですか?」なんて許可制にしたら大変なことになるので、わたしは先回りする。
「ヒューゴの好きにしていいのよ。わたしはあなたの妻なんだから」
「つ、つま」
「ヒューゴはわたしの夫よね」
だから、好きにして。好きなように触って、舐めて、撫でて、突いて、出して、いいの。受け止めてあげるから。
ヒューゴにキスをすると、今度は彼のほうから舌を絡めてきた。熱い手はわたしの寝間着を取り払い、体の線をたどりながら、柔らかな双丘に優しく触れる。
その間、わたしもヒューゴのシャツを脱がしている。多少鍛えてはいるようだけれど、オーウェンと比べるとまだまだ胸板が薄い。
「どう、動けばいい、ですか?」
「あ、じゃあ動いてあげようか?」
「いえ、ダメです。一緒にしたい。一緒に、気持ち良くなりたい」
ヒューゴがわたしの腰を抱く。ぐ、と奥まで硬い熱杭が穿たれる。気持ち良くて体がピリピリする。わたし、奥好きだわ。
「わかった。じゃあ、一緒にね。わたしが少し腰を上げるから、ヒューゴは腰を掴んでぐっと抱き寄せて」
「はい」
素直なヒューゴは、ちょっと難しいかもしれない対面座位でも「難しい」なんて泣き言は言わずに、ぐいぐいと上手に剛直を打ち込んでくる。少し痛いんだけど、それもまた少しずつ快感に変わっていく。
ぐちゅぐちゅと、精液と愛液が混ざり合う音が響く。いやらしくて卑猥な水音が、さらにお互いの興奮を呼ぶ。
「イズミ、イズミさん、気持ち、いい」
「わたしも。ヒューゴのが、奥に、届いてる」
ヒューゴは繋がりながらのディープキスを気に入ったようで、ずっと舌を求めてくる。唾液が溢れ、顎を伝い落ちていく。
「あぁ……イズミさん、もう一度、いいですか?」
「いいよ、何回でも。おいで」
ヒューゴをぎゅうと抱きしめると、彼は一層腰を振り、わたしの腰を掻き抱く。「あぁ、出る」と呟いた直後、また体を震わせ、何度もわたしの奥を穿ち、欲を吐き出した。
荒い息をしたままヒューゴを抱きしめると、彼はふらりとベッドに倒れ込む。枕を背に、夫はとろんとした表情で「何でこんなに気持ちいいんですか」とわたしを見上げてくる。ふわふわの金髪が汗で額に張り付いているの。イッたあとのイケメンはめちゃくちゃエロくて……いいね。
「気持ち良かった? 良かったねぇ」
「……イズミさんは? 達していないでしょう?」
「イッてないけど気持ちいいよ」
それは事実だ。女は別にイケなくても、セックスが充実していたらそれだけで満足だ。わたしは満足している。何しろ二日もお預けを食らっていたのだから、太くて硬いもので奥をガンガンと突かれて、体は大変喜んでいる。めちゃくちゃ気持ち良かった。大満足である。
「どうしたら昇ることができますか? 教えてください、イズミさんの気持ちいいところ、ぜんぶ」
「え」
「一晩で覚えます。お願いします。二人で気持ち良くなりたい。あなたを気持ち良くさせてあげたい」
「一晩?」
え、わたしを寝かせてくれないの? ちょっと待って、ヒューゴ。あなた、そんなに勉強熱心なの? そんなに真面目な人なの!?
「イズミさん、もっとあなたを抱きたい」
ぞくり、鳥肌が立つ。わたしの中の杭が、徐々に硬く張っていくことに、気づいてしまった。
童貞の回復力と性欲と探究心を舐めていた。彼は、出せば終わり、という夫じゃない。次を求められるなんて、満足しないなんて、予想外だ。
「ヒューゴ、あの、落ち着こう。わたしは明日も」
「明日は緑の国の夫に抱かれるのでしょうか? でも、私は七日もあなたに会えない。今日しかないんです。あなたを独占できる日は、今夜しか」
これから先、まだまだ長い年月があるじゃない、と言おうとしたら、視界がぐるりと反転した。今度は、ヒューゴに組み伏せられている。まだ、繋がったまま。……器用にひっくり返してくれたわねぇ。ほんとに童貞?
「『何回でも』と言いましたよね?」
「い、言った? かなぁ?」
「言いました。何回でも抱きます。何十回でも出します。あなたの中を、私のものでいっぱいにしたい」
もういっぱいだと思うよ? ほら、硬いし、太いし、長いもの。奥までいっぱいだよ。
「イズミさん」
「は、はい」
少しずつ明かりが弱くなっていくランプに、浮かび上がる妖艶な夫。彼は腰をぐいと割り入れて、静かに微笑んだ。
「今夜の夫は、私です」
わたしはどうやら、ヒューゴの何かに火をつけてしまったようだ。セックスをしたかったのは事実だけれど一晩中というのはつらい、とは言い出せないまま、夫に抱かれる羽目になってしまった。
「うん、出たね。いっぱい出た?」
「はい! 一瞬、頭の中が真っ白になり、下腹部が脈打つのだけが感じ取れました。あぁ、もう、本当に気持ちがいい……! 欲の解放、とはよく考えてつけられた名称ですね。感服いたしました。それにしても、このような快感が世の中にあったとは」
興奮するとお喋りになるのか、元がお喋りなのか、さっぱりわからない。ヒューゴは嬉しそうに初めての膣内射精の感想を述べている。可愛い。
中のものはまだ硬いような気がする。……二回目もイケるのかしら? わたしの興味はそこだけだ。
「ヒューゴ、まだ出そう? 収まらない?」
「……恥ずかしながら収まる気配がございません」
「じゃ、腰動かしてみるね」
少し腰を上げてみても、ふにゃふにゃにはならない。まだ硬いままだ。素晴らしい。二回戦開幕である。
「イズミ、さん、あの、お願いが」
「なぁに?」
「あのその、裸が、見たくて」
わたしはヒューゴの手を引っ張り、起き上がらせる。対面座位のまま、ワンピースのボタンを外してもらう。夫はもたつきながらも上からボタンを一つずつ外していき、Dカップを見て「なんて綺麗なんでしょう」と感嘆の声を漏らした。「触ってもいいですか?」なんて許可制にしたら大変なことになるので、わたしは先回りする。
「ヒューゴの好きにしていいのよ。わたしはあなたの妻なんだから」
「つ、つま」
「ヒューゴはわたしの夫よね」
だから、好きにして。好きなように触って、舐めて、撫でて、突いて、出して、いいの。受け止めてあげるから。
ヒューゴにキスをすると、今度は彼のほうから舌を絡めてきた。熱い手はわたしの寝間着を取り払い、体の線をたどりながら、柔らかな双丘に優しく触れる。
その間、わたしもヒューゴのシャツを脱がしている。多少鍛えてはいるようだけれど、オーウェンと比べるとまだまだ胸板が薄い。
「どう、動けばいい、ですか?」
「あ、じゃあ動いてあげようか?」
「いえ、ダメです。一緒にしたい。一緒に、気持ち良くなりたい」
ヒューゴがわたしの腰を抱く。ぐ、と奥まで硬い熱杭が穿たれる。気持ち良くて体がピリピリする。わたし、奥好きだわ。
「わかった。じゃあ、一緒にね。わたしが少し腰を上げるから、ヒューゴは腰を掴んでぐっと抱き寄せて」
「はい」
素直なヒューゴは、ちょっと難しいかもしれない対面座位でも「難しい」なんて泣き言は言わずに、ぐいぐいと上手に剛直を打ち込んでくる。少し痛いんだけど、それもまた少しずつ快感に変わっていく。
ぐちゅぐちゅと、精液と愛液が混ざり合う音が響く。いやらしくて卑猥な水音が、さらにお互いの興奮を呼ぶ。
「イズミ、イズミさん、気持ち、いい」
「わたしも。ヒューゴのが、奥に、届いてる」
ヒューゴは繋がりながらのディープキスを気に入ったようで、ずっと舌を求めてくる。唾液が溢れ、顎を伝い落ちていく。
「あぁ……イズミさん、もう一度、いいですか?」
「いいよ、何回でも。おいで」
ヒューゴをぎゅうと抱きしめると、彼は一層腰を振り、わたしの腰を掻き抱く。「あぁ、出る」と呟いた直後、また体を震わせ、何度もわたしの奥を穿ち、欲を吐き出した。
荒い息をしたままヒューゴを抱きしめると、彼はふらりとベッドに倒れ込む。枕を背に、夫はとろんとした表情で「何でこんなに気持ちいいんですか」とわたしを見上げてくる。ふわふわの金髪が汗で額に張り付いているの。イッたあとのイケメンはめちゃくちゃエロくて……いいね。
「気持ち良かった? 良かったねぇ」
「……イズミさんは? 達していないでしょう?」
「イッてないけど気持ちいいよ」
それは事実だ。女は別にイケなくても、セックスが充実していたらそれだけで満足だ。わたしは満足している。何しろ二日もお預けを食らっていたのだから、太くて硬いもので奥をガンガンと突かれて、体は大変喜んでいる。めちゃくちゃ気持ち良かった。大満足である。
「どうしたら昇ることができますか? 教えてください、イズミさんの気持ちいいところ、ぜんぶ」
「え」
「一晩で覚えます。お願いします。二人で気持ち良くなりたい。あなたを気持ち良くさせてあげたい」
「一晩?」
え、わたしを寝かせてくれないの? ちょっと待って、ヒューゴ。あなた、そんなに勉強熱心なの? そんなに真面目な人なの!?
「イズミさん、もっとあなたを抱きたい」
ぞくり、鳥肌が立つ。わたしの中の杭が、徐々に硬く張っていくことに、気づいてしまった。
童貞の回復力と性欲と探究心を舐めていた。彼は、出せば終わり、という夫じゃない。次を求められるなんて、満足しないなんて、予想外だ。
「ヒューゴ、あの、落ち着こう。わたしは明日も」
「明日は緑の国の夫に抱かれるのでしょうか? でも、私は七日もあなたに会えない。今日しかないんです。あなたを独占できる日は、今夜しか」
これから先、まだまだ長い年月があるじゃない、と言おうとしたら、視界がぐるりと反転した。今度は、ヒューゴに組み伏せられている。まだ、繋がったまま。……器用にひっくり返してくれたわねぇ。ほんとに童貞?
「『何回でも』と言いましたよね?」
「い、言った? かなぁ?」
「言いました。何回でも抱きます。何十回でも出します。あなたの中を、私のものでいっぱいにしたい」
もういっぱいだと思うよ? ほら、硬いし、太いし、長いもの。奥までいっぱいだよ。
「イズミさん」
「は、はい」
少しずつ明かりが弱くなっていくランプに、浮かび上がる妖艶な夫。彼は腰をぐいと割り入れて、静かに微笑んだ。
「今夜の夫は、私です」
わたしはどうやら、ヒューゴの何かに火をつけてしまったようだ。セックスをしたかったのは事実だけれど一晩中というのはつらい、とは言い出せないまま、夫に抱かれる羽目になってしまった。
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