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42.兄弟の提携(六)
しおりを挟む 熱く熱を持った先端がヌルと膣壁を擦る。腰を引いて、進めて、蜜口の近くで浅く繰り返される抽挿は、焦れったくて仕方ない。
ああ、いっそ貫いてくれたら――。
そんなことを恥ずかしげもなく考えてしまう。
「もっと、奥に――っ、んむん」
唇が塞がれ、奥に欲しいとねだることができなかった。塞いだのはもちろん健吾くんで、相変わらず指は胸を愛撫している。こちらも乳首が摘まれるたび、中がひくひく蠢(うごめ)いてしまう。
ぐちゅりと音を立て、翔吾くんの肉棒が奥へと進んでいく。くぐもった嬌声は、健吾くんに吸い取られていく。
「……中、すごいよ、あかり。愛液も量がすごくて……わかる? お尻まで垂れてるの」
「んむ、んんっ、ん!」
「大丈夫、慌てないで。いっぱい犯してあげるから」
ずぶ、と奥に肉棒が到達し、その甘い痛みを伴う快感に体がふるりと震える。
もっと奥まで。もっと犯して。もっと――。
翔吾くんに腰を掴まれ、体が揺すられる。奥だけを執拗に穿つ抽挿に、体がしびれる。
「んっ、ん、んっ、んん」
健吾くんは揺れる乳房に食らいつき、その先端を貪っている。口には健吾くんの指が挿れられ、私はそれを吸ったり舐めたりしながら嬌声を我慢している。
でも、指……指、でいいのかな、健吾くんは。
「けん、ふ、あっ、けんごっ、く」
「ん?」
胸をしゃぶったままこちらを向いた健吾くんは、満足そうに私に微笑みかけてくれる。おっぱい、好きだね……だんだん触るのも吸うのも上手になってきた気がするよ。
「舐め、たい……っ!」
「何を?」
「健吾、くんの、を」
翔吾くんが抽挿を抑えてくれる。翔吾くんから目で促され、健吾くんがトランクスを脱いでベッドの端に放り投げる。
「っあ、あぁん」
健吾くんが足を伸ばしたまま膝枕をしてくれた瞬間に、翔吾くんが意地悪く奥をノックする。酷い。
私が寝た――気を失ったあとシャワーを浴びたのか、健吾くんの硬い肉棒からはソープの匂いしかしない。残念。
上体を少し捻って、健吾くんの鈴口に舌を這わせる。ヌラヌラとぬめっていた先走りを丁寧に舐め取って、先端を口に含む。健吾くんが顔をしかめて、甘い吐息を漏らす。
「っふ……」
「あかり、それしんどくない?」
「翔吾く、後ろから、して」
足を持って翔吾くんの体をまたがせ、体を反転させると、後背位。健吾くんのものを咥えやすくなる。そして、翔吾くんも奥を目指しやすくなる。
二つの口で双子の肉棒を咥え込むのは、なんて官能的な行為なんだろう。
じゅぷじゅぷと派手な水音を立てながら、翔吾くんは腰を掴んで抽挿を開始する。私はその体の揺れを利用して、健吾くんの肉棒を口内で犯す。歯を当てないように気をつけながら。
あぁ、気持ち良くて、美味しい。
「んっ、んっ、む、ん」
喉の奥まで挿れてしまうとしんどいので、健吾くんのは浅めに咥え、唾液でヌルヌルにしながら亀頭を舐(ねぶ)る。先端をいじめられるだけでも健吾くんは気持ちがいいらしく、我慢しきれずに出てしまった声が、私の嗜虐心を煽る。
けれど、健吾くんへの口淫だけに集中しないでと言わんばかりに、翔吾くんが背後から攻め立ててくる。
気持ち良くなればいいのか、気持ち良くさせてあげればいいのか、とろけきった頭では考えることができない。
欲に従うだけだ。
ただ、精液が欲しい、という欲に。
複数人で行なうセックスは別にこれが初めてではない。酔っ払った会社員二人をラブホテルに連れ込んだことも、ナンパしてきた二人組としたこともある。
けれど、兄弟、ましてや双子とセックスをするのは初めてだ。双子をセフレに加えるのも、初めてだったけど。
「やっ、あ!!」
翔吾くんが内股の奥に手を伸ばし、肉芽を擦った刺激に、思わず健吾くんのものから口を離してあられもない声を上げてしまう。うぅ、ごめん、健吾くん。
「あかり、俺イキそう」
背後から聞こえてきた声に、だから「一緒にイこう」という合図だったのかとぐずぐずの頭で理解する。
「あ、もうダメ。あかり、ごめん、出る」
私が達するのを待たずして、翔吾くんは私をベッドに押し付けるようにして腰を打ち付けてくる。強く、強く。
そして、健吾くんはそんな私の髪を撫で、翔吾くんに揺さぶられて喘ぐ私の痴態を見下ろしている。笑顔か、寂しそうな顔か……寂しそうな顔、かな。見えないけど、そうに違いない。咥えられなくて、ごめん、健吾くん。
「っ、ふ……!」
一番奥で、白濁液が吐き出される。ひくひくと震える膣壁が、翔吾くんの精液を搾り取る。お尻を高く上げていたし、大丈夫、翔吾くんの精液はぜんぶ受け止めきれた。
美味しい。ご馳走様。
「あっ、やだっ」
いきなり翔吾くんの陰茎が抜き取られ、熱が埋まっていた場所が切なくひくつく。まだ余韻を楽しんでいたかったのに、とお尻を上げたまま抗議の視線を翔吾くんに向けると、「次が待ってるから」と笑顔が返された。
……次。
先ほどまで舐めていた肉棒が目の前から離れていく。健吾くんを見上げると、「正常位がいい」と翔吾くんに指示を出しているところだった。
「ひゃっ、あ」
ごろりとひっくり返されて、両足の間に割って入ってきたのは健吾くん。後処理をした翔吾くんは私の頭上に座る。
そして、逆さまの位置から、額に、ほおに、唇に、優しいキス。その間に、ひくつく蜜口に熱く反り立った健吾くんの肉棒がくちゅりと宛てがわれ、一気に奥まで貫かれる。
「んんんっ!」
痛みはない。ただ、しびれるほどに、気持ちいい。
翔吾くんはキスをしながら、両手で私の胸の突起を優しく転がす。その繊細な動きに、はしたなくも、もっと強い刺激を望んでしまう。ぎゅうと摘んで、噛むほどに強い刺激が欲しい。
健吾くんは最初こそ我慢できずに奥まで進んできたけれど、徐々に腰を引いて、隘路の中程を穿ち始める。私の好きなところ、翔吾くんにでも聞いたのか、健吾くんが自分で見つけたのか、わからない。すごく、気持ちいい。
「あかり、気持ちいい?」
「んんっ」
「そっか、良かった」
健吾くんの声は聞こえるけど、顔は見えない。けれど、ほっと微笑んだような声だ。
次の瞬間、健吾くんのぬるりと濡れた指が肉芽を擦り上げた。
「んんっ、んー!」
翔吾くんの唾液を嚥下しながら、悲鳴を上げる。驚くほどびくんと体が跳ね、背中がしなる。
健吾くんは少し驚いたのか、指を離す。また、びくりと腰が動く。
「大丈夫か?」
「大丈夫。気持ちいいだけだから」
私の代わりに翔吾くんが応じる。私は既に嬌声以外の声を上げることができなくなっている。再度肉芽に遠慮がちに触れられ、荒く息を吐き出すだけ。
「やっ、あっん!」
「あかりはクリトリス好きだから」
「乳首も好きだろ」
「中もね」
「奥も」
二人が、確認しているのか、張り合っているのか、私にはわからない。空気を求めて、荒い呼吸を繰り返す。
セフレと三人でするのは初めてだ。こんなに気持ちの良いセックスは、久しぶりだ。
行きずりの相手とは違う。精液を求めるだけのセックスとは、明らかに違う。
二人は丁寧に私を高め、悦ばせ、ただひたすらに私との快楽を求めている。私を気持ち良くしようとしてくれている。それがわかるのが、嬉しい。
「あああっ!!」
翔吾くんが、胸の赤く腫れた突起をいきなり口に含んだ。待ちに待った強い刺激に、体が悦び、弾む。
「これ、気持ちいいね、あかり」
「あっ、あ、ん、きもち、い」
挿れられたまま舐められるのは、好き。気持ち良くて、一気に高まってしまう。
「……あかり、ヒクヒクしてる。イキそう?」
「んっ、イッちゃ、い、そ、あぁんっ!」
「じゃあ、一緒にイこうか」
ぐ、と肉棒が奥まで挿入され、少しお尻が持ち上がる。健吾くんが前のめりに屈んだのだ、とわかった、次の瞬間には。
「やああっ!!」
翔吾くんの指にいじめられていたもう片方の突起に、生温い舌の感触。少し窮屈そうだけど、健吾くんが舐めているのだと、とろけた頭で理解する。
二人の舌が、間断なく快楽を与えてくれる。しびれるほどの、一気に絶頂に達してしまうほどの、強烈な快楽。
「しょーごっ、けん、ごっ」
「ここにいるよ、二人とも」
「おいで、あかり。俺も一緒に」
両手で二人を抱きしめたいのに、それが叶わない。けれど、私が少し手をさまよわせた意図を理解して、二人がほぼ同時に両手を握ってくれる。
「んっ、あ、やだ、イク、イッちゃう」
健吾くんの肉棒が膣内を引っ掻き回す。痛いくらいに乱暴にされる。二人の舌が、私を快楽の頂きへ押し上げてくれる。
「あっ、あん、あ……い、イッ……っあああ!」
気持ち良いのは、好き。
このセックスは、好き。
ただの食事じゃない。お腹を満たすためのセックスじゃない。
じゃあ、このセックスは――何?
目をぎゅうと閉じながら、快楽の大波に耐える。ビクビクと膣内が健吾くんの肉棒を締め上げ、奥で弾けた熱い精液を搾り取る。
「っ、ふ……」
「あっ、あ……っ、あぁ……ん」
「長いね」
「まだ、締め付けてる。相当気持ちいいな、二人でイクの」
「だろ? 俺も好き」
二人が会話の合間に胸の頂きを舐めるたび、まだ体が跳ねる。強い快楽は、その波が引くのも時間がかかる。
「……抜く? 翔吾、挿れる?」
「そうだな。抜いてあげて。さすがにあかりがしんどいでしょ」
健吾くんがじわじわと肉棒を抜き取っていくのを、体を震わせながら見守る。名残惜しそうに何度か浅く抽挿したあと、健吾くんの陰茎が引き抜かれる。
その瞬間に、こぽと音を立てて、一緒に熱いものが蜜口から零れ出る。
「あ、珍しい。あかり、わかる?」
言われなくてもわかる。だって既に満腹なんだもの。これ以上は、食べることができないんだもの。
精液がお尻を伝っていく寸前に、ティッシュが宛てがわれる。シーツを汚さなくてほっとしたけれど、二人がじぃっと私の秘部を見ていることに気づいて、一気に恥ずかしくなる。
「あ、こら、あかり! 足閉じちゃダメだって!」
「やだっ! 見ないでっ!」
「めちゃくちゃエロい」
「うん、エロいね。写真撮りたいくらい」
翔吾くんはスマートフォンに手を伸ばそうとするし、健吾くんは精液を掻き出そうと指を挿入しようとするし、本当に、もう、やめなさいっ!
「ダメ! 写真はダメ!」
「動画は?」
「もっとダメ!!」
二人は顔を見合わせたあと、ふいと視線を逸らす。
え、何、その態度。何、何なの?
「……既に録画済み」
健吾くんの言葉に、私は青ざめる。
どこ、から、どこ、まで? セックスを始める前に二人が何か操作したような形跡はなかったから、寝ていたところから? そして、今も?
「俺たちのオカズにしか使わないから」
「そうそう、流出させないようにするから!」
「消して! 今すぐ消しなさい!」
カメラを探そうと起き上がった私を、二人が「まぁまぁ」と押さえつける。何が、まぁまぁ、よ! 人でなし!
私が騒ぐと、健吾くんが「うるさい」とばかりにキスで口を塞ぐ。
「で、あかり、気持ち良かった?」
にこやかな笑みを浮かべた翔吾くんの質問に、私は真っ赤になるしかない。
「気持ち良かっ……た、よ」
二人が満面の笑みで私を見つめてくるから、尻すぼみになってしまう。健吾くんにぎゅうと抱きつかれて、翔吾くんに足の甲にキスをされて、私はただ、いいな、と思う。この関係は、居心地がいい。
「二人とも、気持ち良かった」
録画に関してはすぐ消去させなきゃいけないけど、セックスは、気持ち良かった。
「じゃあ、第二ラウンド?」
「それは無理」
即答である。
もう無理。無理なものは無理。頼まれても無理。
「あ、俺、シャワー連れてくから、翔吾は回収ね」
「了解。よろしく」
「ひゃあ!?」
健吾くんに横抱きにされて、ベッドからお風呂まで連れて行かれる。健吾くんにそんな力があったなんて、知らなかった。
じゃなくて!
私は廊下で翔吾くんに向かって叫ぶ。
「消して! 絶対消して!」
「鑑賞会したあとでね」
「人でなし! ろくでなし! サイテー!」
「あかり、うるさい。お風呂でまた挿れるよ。抱き潰すよ」
「……んぐ」
健吾くんのささやかな脅しに、私は決意する。
次から二人とするときは、ちゃんとカメラを探してからセックスしよう!
「絶対二人とはしてあげない!」と思わないあたり、私は彼らのことを嫌いにはなれないし、十分、絆されていると思うのだ。
ああ、いっそ貫いてくれたら――。
そんなことを恥ずかしげもなく考えてしまう。
「もっと、奥に――っ、んむん」
唇が塞がれ、奥に欲しいとねだることができなかった。塞いだのはもちろん健吾くんで、相変わらず指は胸を愛撫している。こちらも乳首が摘まれるたび、中がひくひく蠢(うごめ)いてしまう。
ぐちゅりと音を立て、翔吾くんの肉棒が奥へと進んでいく。くぐもった嬌声は、健吾くんに吸い取られていく。
「……中、すごいよ、あかり。愛液も量がすごくて……わかる? お尻まで垂れてるの」
「んむ、んんっ、ん!」
「大丈夫、慌てないで。いっぱい犯してあげるから」
ずぶ、と奥に肉棒が到達し、その甘い痛みを伴う快感に体がふるりと震える。
もっと奥まで。もっと犯して。もっと――。
翔吾くんに腰を掴まれ、体が揺すられる。奥だけを執拗に穿つ抽挿に、体がしびれる。
「んっ、ん、んっ、んん」
健吾くんは揺れる乳房に食らいつき、その先端を貪っている。口には健吾くんの指が挿れられ、私はそれを吸ったり舐めたりしながら嬌声を我慢している。
でも、指……指、でいいのかな、健吾くんは。
「けん、ふ、あっ、けんごっ、く」
「ん?」
胸をしゃぶったままこちらを向いた健吾くんは、満足そうに私に微笑みかけてくれる。おっぱい、好きだね……だんだん触るのも吸うのも上手になってきた気がするよ。
「舐め、たい……っ!」
「何を?」
「健吾、くんの、を」
翔吾くんが抽挿を抑えてくれる。翔吾くんから目で促され、健吾くんがトランクスを脱いでベッドの端に放り投げる。
「っあ、あぁん」
健吾くんが足を伸ばしたまま膝枕をしてくれた瞬間に、翔吾くんが意地悪く奥をノックする。酷い。
私が寝た――気を失ったあとシャワーを浴びたのか、健吾くんの硬い肉棒からはソープの匂いしかしない。残念。
上体を少し捻って、健吾くんの鈴口に舌を這わせる。ヌラヌラとぬめっていた先走りを丁寧に舐め取って、先端を口に含む。健吾くんが顔をしかめて、甘い吐息を漏らす。
「っふ……」
「あかり、それしんどくない?」
「翔吾く、後ろから、して」
足を持って翔吾くんの体をまたがせ、体を反転させると、後背位。健吾くんのものを咥えやすくなる。そして、翔吾くんも奥を目指しやすくなる。
二つの口で双子の肉棒を咥え込むのは、なんて官能的な行為なんだろう。
じゅぷじゅぷと派手な水音を立てながら、翔吾くんは腰を掴んで抽挿を開始する。私はその体の揺れを利用して、健吾くんの肉棒を口内で犯す。歯を当てないように気をつけながら。
あぁ、気持ち良くて、美味しい。
「んっ、んっ、む、ん」
喉の奥まで挿れてしまうとしんどいので、健吾くんのは浅めに咥え、唾液でヌルヌルにしながら亀頭を舐(ねぶ)る。先端をいじめられるだけでも健吾くんは気持ちがいいらしく、我慢しきれずに出てしまった声が、私の嗜虐心を煽る。
けれど、健吾くんへの口淫だけに集中しないでと言わんばかりに、翔吾くんが背後から攻め立ててくる。
気持ち良くなればいいのか、気持ち良くさせてあげればいいのか、とろけきった頭では考えることができない。
欲に従うだけだ。
ただ、精液が欲しい、という欲に。
複数人で行なうセックスは別にこれが初めてではない。酔っ払った会社員二人をラブホテルに連れ込んだことも、ナンパしてきた二人組としたこともある。
けれど、兄弟、ましてや双子とセックスをするのは初めてだ。双子をセフレに加えるのも、初めてだったけど。
「やっ、あ!!」
翔吾くんが内股の奥に手を伸ばし、肉芽を擦った刺激に、思わず健吾くんのものから口を離してあられもない声を上げてしまう。うぅ、ごめん、健吾くん。
「あかり、俺イキそう」
背後から聞こえてきた声に、だから「一緒にイこう」という合図だったのかとぐずぐずの頭で理解する。
「あ、もうダメ。あかり、ごめん、出る」
私が達するのを待たずして、翔吾くんは私をベッドに押し付けるようにして腰を打ち付けてくる。強く、強く。
そして、健吾くんはそんな私の髪を撫で、翔吾くんに揺さぶられて喘ぐ私の痴態を見下ろしている。笑顔か、寂しそうな顔か……寂しそうな顔、かな。見えないけど、そうに違いない。咥えられなくて、ごめん、健吾くん。
「っ、ふ……!」
一番奥で、白濁液が吐き出される。ひくひくと震える膣壁が、翔吾くんの精液を搾り取る。お尻を高く上げていたし、大丈夫、翔吾くんの精液はぜんぶ受け止めきれた。
美味しい。ご馳走様。
「あっ、やだっ」
いきなり翔吾くんの陰茎が抜き取られ、熱が埋まっていた場所が切なくひくつく。まだ余韻を楽しんでいたかったのに、とお尻を上げたまま抗議の視線を翔吾くんに向けると、「次が待ってるから」と笑顔が返された。
……次。
先ほどまで舐めていた肉棒が目の前から離れていく。健吾くんを見上げると、「正常位がいい」と翔吾くんに指示を出しているところだった。
「ひゃっ、あ」
ごろりとひっくり返されて、両足の間に割って入ってきたのは健吾くん。後処理をした翔吾くんは私の頭上に座る。
そして、逆さまの位置から、額に、ほおに、唇に、優しいキス。その間に、ひくつく蜜口に熱く反り立った健吾くんの肉棒がくちゅりと宛てがわれ、一気に奥まで貫かれる。
「んんんっ!」
痛みはない。ただ、しびれるほどに、気持ちいい。
翔吾くんはキスをしながら、両手で私の胸の突起を優しく転がす。その繊細な動きに、はしたなくも、もっと強い刺激を望んでしまう。ぎゅうと摘んで、噛むほどに強い刺激が欲しい。
健吾くんは最初こそ我慢できずに奥まで進んできたけれど、徐々に腰を引いて、隘路の中程を穿ち始める。私の好きなところ、翔吾くんにでも聞いたのか、健吾くんが自分で見つけたのか、わからない。すごく、気持ちいい。
「あかり、気持ちいい?」
「んんっ」
「そっか、良かった」
健吾くんの声は聞こえるけど、顔は見えない。けれど、ほっと微笑んだような声だ。
次の瞬間、健吾くんのぬるりと濡れた指が肉芽を擦り上げた。
「んんっ、んー!」
翔吾くんの唾液を嚥下しながら、悲鳴を上げる。驚くほどびくんと体が跳ね、背中がしなる。
健吾くんは少し驚いたのか、指を離す。また、びくりと腰が動く。
「大丈夫か?」
「大丈夫。気持ちいいだけだから」
私の代わりに翔吾くんが応じる。私は既に嬌声以外の声を上げることができなくなっている。再度肉芽に遠慮がちに触れられ、荒く息を吐き出すだけ。
「やっ、あっん!」
「あかりはクリトリス好きだから」
「乳首も好きだろ」
「中もね」
「奥も」
二人が、確認しているのか、張り合っているのか、私にはわからない。空気を求めて、荒い呼吸を繰り返す。
セフレと三人でするのは初めてだ。こんなに気持ちの良いセックスは、久しぶりだ。
行きずりの相手とは違う。精液を求めるだけのセックスとは、明らかに違う。
二人は丁寧に私を高め、悦ばせ、ただひたすらに私との快楽を求めている。私を気持ち良くしようとしてくれている。それがわかるのが、嬉しい。
「あああっ!!」
翔吾くんが、胸の赤く腫れた突起をいきなり口に含んだ。待ちに待った強い刺激に、体が悦び、弾む。
「これ、気持ちいいね、あかり」
「あっ、あ、ん、きもち、い」
挿れられたまま舐められるのは、好き。気持ち良くて、一気に高まってしまう。
「……あかり、ヒクヒクしてる。イキそう?」
「んっ、イッちゃ、い、そ、あぁんっ!」
「じゃあ、一緒にイこうか」
ぐ、と肉棒が奥まで挿入され、少しお尻が持ち上がる。健吾くんが前のめりに屈んだのだ、とわかった、次の瞬間には。
「やああっ!!」
翔吾くんの指にいじめられていたもう片方の突起に、生温い舌の感触。少し窮屈そうだけど、健吾くんが舐めているのだと、とろけた頭で理解する。
二人の舌が、間断なく快楽を与えてくれる。しびれるほどの、一気に絶頂に達してしまうほどの、強烈な快楽。
「しょーごっ、けん、ごっ」
「ここにいるよ、二人とも」
「おいで、あかり。俺も一緒に」
両手で二人を抱きしめたいのに、それが叶わない。けれど、私が少し手をさまよわせた意図を理解して、二人がほぼ同時に両手を握ってくれる。
「んっ、あ、やだ、イク、イッちゃう」
健吾くんの肉棒が膣内を引っ掻き回す。痛いくらいに乱暴にされる。二人の舌が、私を快楽の頂きへ押し上げてくれる。
「あっ、あん、あ……い、イッ……っあああ!」
気持ち良いのは、好き。
このセックスは、好き。
ただの食事じゃない。お腹を満たすためのセックスじゃない。
じゃあ、このセックスは――何?
目をぎゅうと閉じながら、快楽の大波に耐える。ビクビクと膣内が健吾くんの肉棒を締め上げ、奥で弾けた熱い精液を搾り取る。
「っ、ふ……」
「あっ、あ……っ、あぁ……ん」
「長いね」
「まだ、締め付けてる。相当気持ちいいな、二人でイクの」
「だろ? 俺も好き」
二人が会話の合間に胸の頂きを舐めるたび、まだ体が跳ねる。強い快楽は、その波が引くのも時間がかかる。
「……抜く? 翔吾、挿れる?」
「そうだな。抜いてあげて。さすがにあかりがしんどいでしょ」
健吾くんがじわじわと肉棒を抜き取っていくのを、体を震わせながら見守る。名残惜しそうに何度か浅く抽挿したあと、健吾くんの陰茎が引き抜かれる。
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「あ、珍しい。あかり、わかる?」
言われなくてもわかる。だって既に満腹なんだもの。これ以上は、食べることができないんだもの。
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「あ、こら、あかり! 足閉じちゃダメだって!」
「やだっ! 見ないでっ!」
「めちゃくちゃエロい」
「うん、エロいね。写真撮りたいくらい」
翔吾くんはスマートフォンに手を伸ばそうとするし、健吾くんは精液を掻き出そうと指を挿入しようとするし、本当に、もう、やめなさいっ!
「ダメ! 写真はダメ!」
「動画は?」
「もっとダメ!!」
二人は顔を見合わせたあと、ふいと視線を逸らす。
え、何、その態度。何、何なの?
「……既に録画済み」
健吾くんの言葉に、私は青ざめる。
どこ、から、どこ、まで? セックスを始める前に二人が何か操作したような形跡はなかったから、寝ていたところから? そして、今も?
「俺たちのオカズにしか使わないから」
「そうそう、流出させないようにするから!」
「消して! 今すぐ消しなさい!」
カメラを探そうと起き上がった私を、二人が「まぁまぁ」と押さえつける。何が、まぁまぁ、よ! 人でなし!
私が騒ぐと、健吾くんが「うるさい」とばかりにキスで口を塞ぐ。
「で、あかり、気持ち良かった?」
にこやかな笑みを浮かべた翔吾くんの質問に、私は真っ赤になるしかない。
「気持ち良かっ……た、よ」
二人が満面の笑みで私を見つめてくるから、尻すぼみになってしまう。健吾くんにぎゅうと抱きつかれて、翔吾くんに足の甲にキスをされて、私はただ、いいな、と思う。この関係は、居心地がいい。
「二人とも、気持ち良かった」
録画に関してはすぐ消去させなきゃいけないけど、セックスは、気持ち良かった。
「じゃあ、第二ラウンド?」
「それは無理」
即答である。
もう無理。無理なものは無理。頼まれても無理。
「あ、俺、シャワー連れてくから、翔吾は回収ね」
「了解。よろしく」
「ひゃあ!?」
健吾くんに横抱きにされて、ベッドからお風呂まで連れて行かれる。健吾くんにそんな力があったなんて、知らなかった。
じゃなくて!
私は廊下で翔吾くんに向かって叫ぶ。
「消して! 絶対消して!」
「鑑賞会したあとでね」
「人でなし! ろくでなし! サイテー!」
「あかり、うるさい。お風呂でまた挿れるよ。抱き潰すよ」
「……んぐ」
健吾くんのささやかな脅しに、私は決意する。
次から二人とするときは、ちゃんとカメラを探してからセックスしよう!
「絶対二人とはしてあげない!」と思わないあたり、私は彼らのことを嫌いにはなれないし、十分、絆されていると思うのだ。
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感想募集中。更新中は励みになりますし、完結後は次回作への糧になります。
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