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02.情事と事情(二)
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土曜日の夜はたいてい、湯川先生に会う。先生はホテルを予約しておいてくれるから、指定されたホテルへ向かうだけだ。日曜日の昼までゆっくりして、昼食をご馳走になることもあれば、朝食だけ食べて解散することもある。
先生が出張で会えなければ、他の人に会う。大学生の翔吾くんは平日の夜、会社員の宮野さんや相馬さんは土曜日か日曜日。
食事は最低でも週に一度、誰かとセックスできればよい。誰とも予定が合わないときは、仕方がないのでナンパをすることが多い。
来週、誰かと予定を合わせなければ。
湯川先生との相性はバッチリだけど、出張で会えないこともあるのが難点。大きな病院の先生は大変だ。
「あかり」
「あ、一口食べたかった?」
「いや、大丈夫」
ラウンジでベリータルトケーキを食べながら、眺めの良い外を見る。快晴。今日は富士山も見える。その他目に入るのは同じような高層の建物。素敵な眺めだ。
このあたりが一面焼け野原だった頃を知っているけれど、ここまでビルがにょきにょき建つとは思わなかった。時代は変わる。
先生が頼んだコーヒーが置かれる。今日もコーヒーだけ。
「それ、今日も食べてるの?」
「好きなの。美味しいよ」
リンゴのシブーストも、クレームブリュレも好き。季節のタルトも。
私の主食は精液だけど、甘いものは別。エネルギーにはならないから、心置きなく食べることができる。
このホテルの上階ラウンジは静かで、タダで美味しいケーキが食べられるから気に入っている。
「今日は暇?」
「……先生は暇なんだね?」
少し温くなったダージリンティーをコクリと飲んで、隣に座る先生を見つめる。襟と袖に藍色のラインが入ったシャツ、私が選んだものだ。
「今日は暇。夜まで一緒にいる?」
「ううん、帰る。ご馳走になったし」
「つれないなぁ」
夜まで一緒にいるメリットがない。すでに満腹だ。理由もない。私は先生が好きだけど、それは食事相手としての好意でしかない。
私と湯川先生との間に、愛だの恋だのといった艶のある関係は必要ない。私はそう思っている。
先生はデートをして私にいろいろ買い与えたいみたいだけど、ブランド物のバッグも財布もアクセサリーも興味はない。甘いものめぐりなら喜んで付き合うけど、先生は甘いものが苦手なはずだ。
「私はオトモダチだからね」
「わかってるよ。オトモダチとして、二つお節介」
先生がメモ用紙を差し出してきた。折り畳まれたそれを開くと、名前と番号が書いてある。
「いい医者、の連絡先」
「別に治したいわけじゃないんだけど」
「お守り。何かあったら連絡してみなよ。俺の同期で友人の精神科医だから、安心だよ」
仕方ないなぁとポケットに入れ、ダージリンを飲み干す。
先生は過保護だ。私を甘やかしてくれる。その理由も何となくわかる。先生が言わない言葉の続きは想像できる。
「でも、そいつとはセックスしないで」
「善処するね」
「んー、まぁ、あかりとしては及第点か」
「で、二つ目のお節介は?」
また紙が手渡される。映画か何かのチケットだろうかと思って目を落とすと。
「ケーキ、バイキングっ!?」
「タダ券もらったけど、俺は行けないから。日にち限定だけど、代わりに行ける?」
「行く! 有給取って行く!」
名のあるホテルで実施されるケーキバイキングのチケット。しかもタダ! 今仕事は忙しくないし、休みも取れるはず。行かない手はない。
どうしよう、ほんとは甘いもの好きの荒木さんを誘いたいけど……一人分みたいだし。一人で楽しむしかないかなぁ。
「あかりは甘いものが好きだからね」
うん、好き。大好き。
「先生ありがとう!」
どういたしまして、と笑う先生の意図に、結局、私は気づかなかった。
◆◇◆◇◆
私がいつ生まれたのか、なんて遠い記憶すぎて覚えていない。
戦争があったり、時代が変わったり……いろんなことがあったけれど、食べるものには困らなかった。いつの世も、「女」を武器にすれば食事にありつける。そういうものだ。
しかし、老いない体は存外、今の世では生きづらい。
偽造された身分証を使って、私は「普通」の暮らしを手に入れた。けれど、二十歳そこそこの体の私は、化粧を施してもさすがに四十代までが限度。身分証を新しくすると同時に、生活も人間関係も、すべてリセットしている。
私は、今、二十五歳。東京で派遣社員をやっている。
「荒木さん、頼まれていた資料できました」
「ありがとう、月野さん。今朝頼んだのにもうできたの?」
「仕事ですから」
株式会社サキタの営業部を補佐するのが私の仕事だ。プレゼン用の資料を作ったり、見積書や納品書を作ったりする。営業部の社員から頼まれたことを淡々とこなすこの仕事は、悪くない。そう思って半年が過ぎた。
荒木さんは営業部の若手社員で、かなり人懐こい性格の爽やか青年だ。しかもイケメン。
常に後光が差しているかのように、キラキラと輝いている――のは、隣の席の美山さんの頭頂部も関係しているのかもしれない。美しく何もない山、だ。
荒木さんは資料を確認して、頷く。そして笑顔を私に向けてくれる。その、困ったように笑う顔が、たまらなく好きだ。
「相変わらず月野さんの資料は見やすくてミスがないね。ありがとう、また頼むよ」
「い、いえ、そんな」
褒められると嬉しい。それが、好きな人なら、特に。
あぁ、やっぱ、一緒にケーキバイキング行きたいなぁ。チケットが二枚あると嘘をついて誘おうかな。彼と一緒にケーキを食べられるなら、チケットが高くても我慢しよう。
「あ、あの、荒木さん」
「うん?」
「そ、その」
一緒にケーキバイキングに行きませんか?
どうして、その一言が言えないのだろう。
私とセックスして、なら簡単に言えるのに。
「ケーキ……」
「荒木くーん!」
私のなけなしの勇気は、総務部の日向陽子さんの声によって打ち消された。手を振りながらこちらへ駆けてくる彼女の姿を見つけて、すぐに荒木さんに頭を下げて自分の席へと戻る。
日向さんに目をつけられたくはない。
荒木さんと同期の日向さんは、彼のことが大好きなのだ。
荒木さんへの好意を隠そうともしない彼女は、ライバルの存在を許さない人だ。目をつけられたら、派遣社員なんてすぐ首を切られてしまう。
総務部と人事部は部署も隣で風通しが良い。実際、何人も、根も葉もない噂を理由に辞めさせられている。先輩の派遣社員さんから、彼女の仕業だと聞いてから、彼女とは距離を取っている。
美人で笑顔がかわいくて、オシャレでモテるのに、ものすごく恐ろしい人――それが日向さんだ。
「ねぇねぇ、今日は外回り?」
「いや、内勤だけど」
「じゃあ、ランチ一緒に行かない? 美味しいデザートビュッフェがあるとこ見つけちゃって」
「デザートビュッフェ……」
「種類も豊富なの」
「じゃあ、行く」
荒木さんはあっさりと承諾し、日向さんは私ができなかったことをあんなに簡単に成し遂げた。
彼女の底なしの積極性は、羨ましいとさえ思う。本当に、羨ましい。どうすれば荒木さんを誘えるんだろう。本当に、見習いたい。
『週末、暇? 土曜日なら空いてる』
宮野さんからのメッセージに、すぐ返事する。
『私も暇。土曜日の昼にいつものところでいい?』
好きでもない人を誘うことならこんなに簡単なのに、どうしてうまくいかないんだろう。
まだ仲良く喋っている二人を見て、ちょっとのヤキモチを押し込めて、深呼吸。
お仕事、お仕事。
週末の甘いものとホテル代のために、稼がなくちゃ!
先生が出張で会えなければ、他の人に会う。大学生の翔吾くんは平日の夜、会社員の宮野さんや相馬さんは土曜日か日曜日。
食事は最低でも週に一度、誰かとセックスできればよい。誰とも予定が合わないときは、仕方がないのでナンパをすることが多い。
来週、誰かと予定を合わせなければ。
湯川先生との相性はバッチリだけど、出張で会えないこともあるのが難点。大きな病院の先生は大変だ。
「あかり」
「あ、一口食べたかった?」
「いや、大丈夫」
ラウンジでベリータルトケーキを食べながら、眺めの良い外を見る。快晴。今日は富士山も見える。その他目に入るのは同じような高層の建物。素敵な眺めだ。
このあたりが一面焼け野原だった頃を知っているけれど、ここまでビルがにょきにょき建つとは思わなかった。時代は変わる。
先生が頼んだコーヒーが置かれる。今日もコーヒーだけ。
「それ、今日も食べてるの?」
「好きなの。美味しいよ」
リンゴのシブーストも、クレームブリュレも好き。季節のタルトも。
私の主食は精液だけど、甘いものは別。エネルギーにはならないから、心置きなく食べることができる。
このホテルの上階ラウンジは静かで、タダで美味しいケーキが食べられるから気に入っている。
「今日は暇?」
「……先生は暇なんだね?」
少し温くなったダージリンティーをコクリと飲んで、隣に座る先生を見つめる。襟と袖に藍色のラインが入ったシャツ、私が選んだものだ。
「今日は暇。夜まで一緒にいる?」
「ううん、帰る。ご馳走になったし」
「つれないなぁ」
夜まで一緒にいるメリットがない。すでに満腹だ。理由もない。私は先生が好きだけど、それは食事相手としての好意でしかない。
私と湯川先生との間に、愛だの恋だのといった艶のある関係は必要ない。私はそう思っている。
先生はデートをして私にいろいろ買い与えたいみたいだけど、ブランド物のバッグも財布もアクセサリーも興味はない。甘いものめぐりなら喜んで付き合うけど、先生は甘いものが苦手なはずだ。
「私はオトモダチだからね」
「わかってるよ。オトモダチとして、二つお節介」
先生がメモ用紙を差し出してきた。折り畳まれたそれを開くと、名前と番号が書いてある。
「いい医者、の連絡先」
「別に治したいわけじゃないんだけど」
「お守り。何かあったら連絡してみなよ。俺の同期で友人の精神科医だから、安心だよ」
仕方ないなぁとポケットに入れ、ダージリンを飲み干す。
先生は過保護だ。私を甘やかしてくれる。その理由も何となくわかる。先生が言わない言葉の続きは想像できる。
「でも、そいつとはセックスしないで」
「善処するね」
「んー、まぁ、あかりとしては及第点か」
「で、二つ目のお節介は?」
また紙が手渡される。映画か何かのチケットだろうかと思って目を落とすと。
「ケーキ、バイキングっ!?」
「タダ券もらったけど、俺は行けないから。日にち限定だけど、代わりに行ける?」
「行く! 有給取って行く!」
名のあるホテルで実施されるケーキバイキングのチケット。しかもタダ! 今仕事は忙しくないし、休みも取れるはず。行かない手はない。
どうしよう、ほんとは甘いもの好きの荒木さんを誘いたいけど……一人分みたいだし。一人で楽しむしかないかなぁ。
「あかりは甘いものが好きだからね」
うん、好き。大好き。
「先生ありがとう!」
どういたしまして、と笑う先生の意図に、結局、私は気づかなかった。
◆◇◆◇◆
私がいつ生まれたのか、なんて遠い記憶すぎて覚えていない。
戦争があったり、時代が変わったり……いろんなことがあったけれど、食べるものには困らなかった。いつの世も、「女」を武器にすれば食事にありつける。そういうものだ。
しかし、老いない体は存外、今の世では生きづらい。
偽造された身分証を使って、私は「普通」の暮らしを手に入れた。けれど、二十歳そこそこの体の私は、化粧を施してもさすがに四十代までが限度。身分証を新しくすると同時に、生活も人間関係も、すべてリセットしている。
私は、今、二十五歳。東京で派遣社員をやっている。
「荒木さん、頼まれていた資料できました」
「ありがとう、月野さん。今朝頼んだのにもうできたの?」
「仕事ですから」
株式会社サキタの営業部を補佐するのが私の仕事だ。プレゼン用の資料を作ったり、見積書や納品書を作ったりする。営業部の社員から頼まれたことを淡々とこなすこの仕事は、悪くない。そう思って半年が過ぎた。
荒木さんは営業部の若手社員で、かなり人懐こい性格の爽やか青年だ。しかもイケメン。
常に後光が差しているかのように、キラキラと輝いている――のは、隣の席の美山さんの頭頂部も関係しているのかもしれない。美しく何もない山、だ。
荒木さんは資料を確認して、頷く。そして笑顔を私に向けてくれる。その、困ったように笑う顔が、たまらなく好きだ。
「相変わらず月野さんの資料は見やすくてミスがないね。ありがとう、また頼むよ」
「い、いえ、そんな」
褒められると嬉しい。それが、好きな人なら、特に。
あぁ、やっぱ、一緒にケーキバイキング行きたいなぁ。チケットが二枚あると嘘をついて誘おうかな。彼と一緒にケーキを食べられるなら、チケットが高くても我慢しよう。
「あ、あの、荒木さん」
「うん?」
「そ、その」
一緒にケーキバイキングに行きませんか?
どうして、その一言が言えないのだろう。
私とセックスして、なら簡単に言えるのに。
「ケーキ……」
「荒木くーん!」
私のなけなしの勇気は、総務部の日向陽子さんの声によって打ち消された。手を振りながらこちらへ駆けてくる彼女の姿を見つけて、すぐに荒木さんに頭を下げて自分の席へと戻る。
日向さんに目をつけられたくはない。
荒木さんと同期の日向さんは、彼のことが大好きなのだ。
荒木さんへの好意を隠そうともしない彼女は、ライバルの存在を許さない人だ。目をつけられたら、派遣社員なんてすぐ首を切られてしまう。
総務部と人事部は部署も隣で風通しが良い。実際、何人も、根も葉もない噂を理由に辞めさせられている。先輩の派遣社員さんから、彼女の仕業だと聞いてから、彼女とは距離を取っている。
美人で笑顔がかわいくて、オシャレでモテるのに、ものすごく恐ろしい人――それが日向さんだ。
「ねぇねぇ、今日は外回り?」
「いや、内勤だけど」
「じゃあ、ランチ一緒に行かない? 美味しいデザートビュッフェがあるとこ見つけちゃって」
「デザートビュッフェ……」
「種類も豊富なの」
「じゃあ、行く」
荒木さんはあっさりと承諾し、日向さんは私ができなかったことをあんなに簡単に成し遂げた。
彼女の底なしの積極性は、羨ましいとさえ思う。本当に、羨ましい。どうすれば荒木さんを誘えるんだろう。本当に、見習いたい。
『週末、暇? 土曜日なら空いてる』
宮野さんからのメッセージに、すぐ返事する。
『私も暇。土曜日の昼にいつものところでいい?』
好きでもない人を誘うことならこんなに簡単なのに、どうしてうまくいかないんだろう。
まだ仲良く喋っている二人を見て、ちょっとのヤキモチを押し込めて、深呼吸。
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