49 / 49
049.
しおりを挟む
「あぁ素敵! 今年の葡萄酒も美味しいわぁ!」
葡萄園そばの試飲会場のベンチに座り、グラスを傾けながら黒い髪の美女が笑う。あたりには葡萄酒を心待ちにしていた人々が集い、ベンチやテーブルで飲み、芝生の上で笑っている。子どもたちは葡萄水を片手に、大人の真似をしてはしゃいでいる。
美女のそばで寝そべる赤毛の犬は退屈そうにあくびをしていたが、近づいてくる足音に気づいて耳をピクピクと動かした。
「お隣、空いてる?」
「ええ、どうぞ」
何杯も葡萄酒を飲んだ美女は、頬をほんのり赤く染めながら、隣に座る青年を見やる。同じようにグラスを手にした彼は、昔、恋をした男にどこか似ているような気がする。
「あら、もしかして、あなた」
「もう気づかれちゃった?」
青年はポケットからキラキラ輝く黒色の魔石を取り出し、犬の前に置く。犬――緋色の魔獣は上質な魔石の誘惑に抗えず、思わずかぶりつく。
「あなたの魔法は解けていないのね?」
「うん、そう。弟と妹は、問題なく解けちゃったけど」
「解き方がわかっているなら、ここに来なくてもいいのに」
「俺は割と気に入ってるんだよね、犬になるの。だから、魔法を持続させる方法を知りたくて」
青年――ジラルド第四王子は、魔女の足元にいる魔獣を見て微笑む。魔石が美味しかったのか、魔獣はジラルドを見上げて笑っているように見える。
『我の魔法を解きたくない、だと?』
「できれば、自由に人間と犬に切り替えられるようにしてもらいたいんだよね。獣人とは違った感じで。できる? 難しい?」
『……なぜ、そのようなことを望むのだ?』
「自由に犬化できたら便利じゃん? エミリーも犬好きだし、諜報活動もしやすいし、色々便利なんだよね」
次は虹色の魔石を取り出し、手のひらの上で弄ぶジラルドだ。魔獣はよだれを垂らす。魔女は葡萄酒をお代わりしている。
『それは無理だ。かけた魔法を変質させる術はない』
「そうなんだ? じゃあ、子どもが生まれたらもう犬にはなれないかぁ」
弟夫婦と妹夫婦は、子どもが生まれたら呪いが解けた。ジラルドにもそろそろ子どもが生まれるため、犬になることができるのはあと少しだ。
「なんで、魔法なんかかけたの? そんなに陛下にムカついた?」
『……子を、奪われる苦しみを同じように味わわせてやりたかったのだ。だが、憎むべき相手とは言え、宿った命を奪うわけにはいかぬ。だから、あの男から平穏を奪ってやった』
「確かに、平穏無事じゃなかったよ、俺たち。親にとっても、すごく波乱万丈だった」
ジラルドは笑う。
彼は母親からの愛を一身に受けたわけではない。動物嫌いの母妃からは遠ざけられていた。だが、彼を愛する者は多かった。二妃からも兄弟姉妹たちからも十分に愛され、自由に過ごすことができていた。
ゆえに、ジラルドにとっては幸福な人生であったと言える。それは、魔法をかけられた三兄妹が皆感じていることだ。
「楽しかったよ、俺は。俺はね。弟と妹は悩み、苦しんだ時期があったみたいだけど」
『そうか』
「どうして期限付きの魔法にしたの? 一生魔法がかかったままでも良かったのに」
ジラルドは心底不思議だった。
魔獣に魔法を解いてもらうほうが先か、国民に告知するほうが先か、王家は随分と悩んだ。優柔不断な国王に、何度も何度も談判しに行ったくらいだ。
だが、弟妹が結婚して、子どもが生まれた瞬間から、それぞれの魔法が消えたのだ。親になると、呪いが解けたのだ。
弟妹――フィオリーノとアデリーナは手放しで喜んだが、ジラルドには呪いが解けた理由がわからなかった。
『……お前たちの子どもに罪はない。親になったお前たちになら、我の苦しみも恨みも理解できるだろう。我の気持ちがわかるなら、魔法はもう必要ない』
「俺の子どもはそろそろ生まれるから、その気持ちは何となくわかるよ。つまり、緋色さんは、自分の気持ちを理解してほしかったんだね」
『さよう』
なるほどねぇ、と呟いてジラルドは葡萄酒を飲む。芳醇な香りが喉を通っていく。
「でも、父が緋色さんの気持ちを理解していたかと問われると、疑問が残るなぁ。俺たちの魔法のせいであの人の心労が絶えなくなったとは妃殿下たちから聞いたけど、緋色さんに謝罪をするわけではなかったし、結局俺たちの望みを叶えてくれたわけでもなかったし」
「あら。あの人は昔からそうだったわよ」
「ねえ、魔女さん、あの男のどこがよかったの。俺にはさっぱりわからないんだけど」
魔女は葡萄酒を飲み切り、グラスを空にして微笑む。
「あの人、わたくしにどれだけ魅了されていても『愛している』とは決して言わなかったの。わたくしはただの遊び相手。籠絡できない男が目の前にいると、興奮しちゃうのよねぇ」
「……へえ」
「結局、あの人の心の奥底には触れることができなかったわ。底の見えない男が好きなのよ、わたくし」
男を簡単に魅了できる魔女にとって、簡単には屈しない国王は新鮮だった。それは愛ではなかったのかもしれないが、確かに浮ついた気持ちではあったのだろう。
だからこそ、三妃は国王の火遊びを許したし、魔獣は酌量して期限付きの魔法をかけたのだろう。国王の非を責め憎むのは、魔法をかけられた子どもたちだけでいいとしたのだろう。
「……じゃあ、やっぱり俺は犬のままではいられないというわけか」
「残念ねぇ」
「そうだなぁ。すごく残念」
虹色の魔石を緋色の魔獣にあげて、ジラルドは席を立つ。魔女は少し寂しげな表情を浮かべる。
「あら。あなたがわたくしの相手をしてくれるのではないの?」
「俺には愛する妻がいるからね。一夜限りの遊びで、生まれてくる子どもにまで迷惑はかけられないよ」
「賢明な判断だわ」
「父は判断を誤った。俺は、俺たち三兄妹は判断を誤らない。そういうことだね」
虹色の魔石を食べ終えた魔獣は、ジラルドのポケットの匂いを嗅ぐ。もう魔石を持っていないと判断したのか、また寝そべってあくびをする。
「ごきげんよう、魔女さん、緋色さん」
「ごきげんよう、犬王子」
ジラルドは「犬王子って呼ばれてキャーキャー言われてみたかったなぁ」などと呟きながら、会場をあとにする。魔女はまた素知らぬ顔で葡萄酒をお代わりし、魔獣は何も言わずにそばにいる。
父の不貞がもとで呪われた三兄妹は、それぞれに「昼と夜で姿形が変わっても、あなたを愛している」と誓ってくれる伴侶を得た。そして、親になることで、その呪縛から解き放たれることとなった。
そうして、呪いが解けた三兄妹は、新たな家族と幸せを得る。波乱に満ちた二十数年など、あっという間のことだったと回顧できるくらいに、それはそれは幸せな日々を過ごすのだった。
了
(番外編などは気が向いたら追加していきます)
葡萄園そばの試飲会場のベンチに座り、グラスを傾けながら黒い髪の美女が笑う。あたりには葡萄酒を心待ちにしていた人々が集い、ベンチやテーブルで飲み、芝生の上で笑っている。子どもたちは葡萄水を片手に、大人の真似をしてはしゃいでいる。
美女のそばで寝そべる赤毛の犬は退屈そうにあくびをしていたが、近づいてくる足音に気づいて耳をピクピクと動かした。
「お隣、空いてる?」
「ええ、どうぞ」
何杯も葡萄酒を飲んだ美女は、頬をほんのり赤く染めながら、隣に座る青年を見やる。同じようにグラスを手にした彼は、昔、恋をした男にどこか似ているような気がする。
「あら、もしかして、あなた」
「もう気づかれちゃった?」
青年はポケットからキラキラ輝く黒色の魔石を取り出し、犬の前に置く。犬――緋色の魔獣は上質な魔石の誘惑に抗えず、思わずかぶりつく。
「あなたの魔法は解けていないのね?」
「うん、そう。弟と妹は、問題なく解けちゃったけど」
「解き方がわかっているなら、ここに来なくてもいいのに」
「俺は割と気に入ってるんだよね、犬になるの。だから、魔法を持続させる方法を知りたくて」
青年――ジラルド第四王子は、魔女の足元にいる魔獣を見て微笑む。魔石が美味しかったのか、魔獣はジラルドを見上げて笑っているように見える。
『我の魔法を解きたくない、だと?』
「できれば、自由に人間と犬に切り替えられるようにしてもらいたいんだよね。獣人とは違った感じで。できる? 難しい?」
『……なぜ、そのようなことを望むのだ?』
「自由に犬化できたら便利じゃん? エミリーも犬好きだし、諜報活動もしやすいし、色々便利なんだよね」
次は虹色の魔石を取り出し、手のひらの上で弄ぶジラルドだ。魔獣はよだれを垂らす。魔女は葡萄酒をお代わりしている。
『それは無理だ。かけた魔法を変質させる術はない』
「そうなんだ? じゃあ、子どもが生まれたらもう犬にはなれないかぁ」
弟夫婦と妹夫婦は、子どもが生まれたら呪いが解けた。ジラルドにもそろそろ子どもが生まれるため、犬になることができるのはあと少しだ。
「なんで、魔法なんかかけたの? そんなに陛下にムカついた?」
『……子を、奪われる苦しみを同じように味わわせてやりたかったのだ。だが、憎むべき相手とは言え、宿った命を奪うわけにはいかぬ。だから、あの男から平穏を奪ってやった』
「確かに、平穏無事じゃなかったよ、俺たち。親にとっても、すごく波乱万丈だった」
ジラルドは笑う。
彼は母親からの愛を一身に受けたわけではない。動物嫌いの母妃からは遠ざけられていた。だが、彼を愛する者は多かった。二妃からも兄弟姉妹たちからも十分に愛され、自由に過ごすことができていた。
ゆえに、ジラルドにとっては幸福な人生であったと言える。それは、魔法をかけられた三兄妹が皆感じていることだ。
「楽しかったよ、俺は。俺はね。弟と妹は悩み、苦しんだ時期があったみたいだけど」
『そうか』
「どうして期限付きの魔法にしたの? 一生魔法がかかったままでも良かったのに」
ジラルドは心底不思議だった。
魔獣に魔法を解いてもらうほうが先か、国民に告知するほうが先か、王家は随分と悩んだ。優柔不断な国王に、何度も何度も談判しに行ったくらいだ。
だが、弟妹が結婚して、子どもが生まれた瞬間から、それぞれの魔法が消えたのだ。親になると、呪いが解けたのだ。
弟妹――フィオリーノとアデリーナは手放しで喜んだが、ジラルドには呪いが解けた理由がわからなかった。
『……お前たちの子どもに罪はない。親になったお前たちになら、我の苦しみも恨みも理解できるだろう。我の気持ちがわかるなら、魔法はもう必要ない』
「俺の子どもはそろそろ生まれるから、その気持ちは何となくわかるよ。つまり、緋色さんは、自分の気持ちを理解してほしかったんだね」
『さよう』
なるほどねぇ、と呟いてジラルドは葡萄酒を飲む。芳醇な香りが喉を通っていく。
「でも、父が緋色さんの気持ちを理解していたかと問われると、疑問が残るなぁ。俺たちの魔法のせいであの人の心労が絶えなくなったとは妃殿下たちから聞いたけど、緋色さんに謝罪をするわけではなかったし、結局俺たちの望みを叶えてくれたわけでもなかったし」
「あら。あの人は昔からそうだったわよ」
「ねえ、魔女さん、あの男のどこがよかったの。俺にはさっぱりわからないんだけど」
魔女は葡萄酒を飲み切り、グラスを空にして微笑む。
「あの人、わたくしにどれだけ魅了されていても『愛している』とは決して言わなかったの。わたくしはただの遊び相手。籠絡できない男が目の前にいると、興奮しちゃうのよねぇ」
「……へえ」
「結局、あの人の心の奥底には触れることができなかったわ。底の見えない男が好きなのよ、わたくし」
男を簡単に魅了できる魔女にとって、簡単には屈しない国王は新鮮だった。それは愛ではなかったのかもしれないが、確かに浮ついた気持ちではあったのだろう。
だからこそ、三妃は国王の火遊びを許したし、魔獣は酌量して期限付きの魔法をかけたのだろう。国王の非を責め憎むのは、魔法をかけられた子どもたちだけでいいとしたのだろう。
「……じゃあ、やっぱり俺は犬のままではいられないというわけか」
「残念ねぇ」
「そうだなぁ。すごく残念」
虹色の魔石を緋色の魔獣にあげて、ジラルドは席を立つ。魔女は少し寂しげな表情を浮かべる。
「あら。あなたがわたくしの相手をしてくれるのではないの?」
「俺には愛する妻がいるからね。一夜限りの遊びで、生まれてくる子どもにまで迷惑はかけられないよ」
「賢明な判断だわ」
「父は判断を誤った。俺は、俺たち三兄妹は判断を誤らない。そういうことだね」
虹色の魔石を食べ終えた魔獣は、ジラルドのポケットの匂いを嗅ぐ。もう魔石を持っていないと判断したのか、また寝そべってあくびをする。
「ごきげんよう、魔女さん、緋色さん」
「ごきげんよう、犬王子」
ジラルドは「犬王子って呼ばれてキャーキャー言われてみたかったなぁ」などと呟きながら、会場をあとにする。魔女はまた素知らぬ顔で葡萄酒をお代わりし、魔獣は何も言わずにそばにいる。
父の不貞がもとで呪われた三兄妹は、それぞれに「昼と夜で姿形が変わっても、あなたを愛している」と誓ってくれる伴侶を得た。そして、親になることで、その呪縛から解き放たれることとなった。
そうして、呪いが解けた三兄妹は、新たな家族と幸せを得る。波乱に満ちた二十数年など、あっという間のことだったと回顧できるくらいに、それはそれは幸せな日々を過ごすのだった。
了
(番外編などは気が向いたら追加していきます)
1
感想募集中。更新中は励みになりますし、完結後は次回作への糧になります。
お気に入りに追加
688
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(18件)
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
my様、感想ありがとうございます。
素敵と言っていただけて嬉しいです😊
ryugi様、感想ありがとうございます。
意外性なのかアンチ的なものなのか、作者にはよくわかりませんが、楽しく書くことができました😄
三人はきっと幸せですね……!
pyo様、感想ありがとうございます。
ディズニー映画でも扱われそうなテーマですね。確かに普遍的です😊