29 / 49
029.
しおりを挟む
「これはこれは、ルーチェ様。今日はいかがいたしました?」
ラルゴーゾラ侯爵家執事アルロットが、警備兵とともにやって来る。兵に伝言を伝え、出迎えてもらったのだ。馬車ではなく徒歩でやってきたのだから、もちろん兵に落ち度はない。
「アルロット、今日、ヴァレリオはいる? もう侯爵領に戻ってしまった?」
「いいえ、王都にはいらっしゃるのですが、今日は出かけておられます。奥様ならいらっしゃいますので、ご案内いたしましょうか」
「そう……お願いするよ」
「それでは案内いたします」
アルロットに案内されるままに、見慣れた侯爵家の邸内を歩く。窓の外から庭を見ても、アディの姿はない。もちろん、廊下にもいない。
「金色の猫を見かけなかった? こちらに向かったようなんだけれど」
「猫、ですか? 見かけておりませんね」
「そう。見つけたら保護しておいてほしいんだ。私の大切な猫だから」
「かしこまりました。他の者たちにも申し伝えておきます」
いつもの応接室で待っていると、すぐに侯爵夫人が現れる。藍色のドレスを着たままだということは、つい先程帰宅したらしい。
「まあ! ルッカちゃん、今日も相変わらず格好いいわねぇ!」
「奥様もお元気そうで喜ばしい限りでございます。歌劇場にいらっしゃるところをお見かけしたものですから、ご挨拶をと思いまして」
「あら、ルッカちゃんも観劇に? 今日のコルヴォ様は凛々しくて、オルテンシア様は女神様のように美しかったわねぇ」
ヴァレリオの母とは幼い頃からの付き合いだ。幼少期からアリーチェに「ルーチェのことはルッカと呼んでちょうだい!」と言われているため、夫人は今もその癖がなかなか抜けないでいる。
「ルッカちゃん、改めてご婚約おめでとうございます。もう気楽にルッカちゃんなんて言えないのよね。ルーチェ妃と呼ばなければならないわね」
「堅苦しいのは好みません。いつも通り、ルッカでよろしいですよ。ところで、今日はヴァレリオは在宅していないのですね」
「そうなの。確か、王宮のほうへ行っているはずよ」
「王宮へ?」
夫人はとても嬉しそうに微笑んでいる。
「そう。先日、外務大臣からとてもいいお話があって。今日はその詳細を伺いに」
「いいお話……まさか、婚約の話ですか? ヴァレリオからは心に決めた人がいると聞いておりますが」
「あの子は侯爵家の長男ですもの。その想いが遂げられないことくらいは理解しておりますよ」
――なるほど。理由はこれか。
おそらく、アディは王宮内での散歩中にヴァレリオの婚約のことを聞いてしまったのだろう。国王に直談判しようにも、今は不在。国王が帰ってきたとしても、王妃が動物嫌いのため、猫の姿では朱の宮殿には入れない。夜になると国王はアディと入れ替わりで就寝してしまうため、願いはなかなか叶わないのだ。
だから、アディはラルゴーゾラ侯爵夫人のもとへと走ったのだ。そして、ヴァレリオに会いに来たのだ。
「奥様、猫はお好きですか?」
「猫? ええ、とても好きよ。あぁ、でも、今日劇場でかわいそうなことをしてしまったわ。猫ちゃんが足元にいることに気づかなくて、蹴ってしまったの。公爵家のヴィオラちゃんに託したけれど、あの子大丈夫だったかしら」
夫人は悲しそうにアディに思いを馳せる。
「ああいうとき、足元の見えないドレスはダメね。次からは服装を考えなければならないわね。そうだわ、ルッカちゃんのように男装してしまえばいいのかしら?」
「確かに、この格好は走りやすくて動きやすいですよ」
先程侯爵家で暴れたときも、ドレスならばあのようなことはできなかっただろう。男装をしていてよかったと、ルーチェは心底思ったものだ。
「乗馬用のものもあるけれど、わたくしも男物の服を仕立ててみようかしら」
「妃殿下も男装には興味がおありのご様子でしたよ」
「あら、王妃殿下も? そうよねぇ、王妃殿下はコルヴォ様を贔屓になさっているものねぇ。贔屓の役者と同じ服を着るなんて、素敵じゃない? 来年になれば流行りが変わっているかもしれないわね」
夫人は嬉しそうだ。こういう柔軟な考え方の女性たちが流行を作っているのだと、ルーチェは知っている。男装をしたがる女性が増えると、街の仕立て屋も大忙しになるだろう。
「おやおや! どうした、ルッカ! 鍛錬が恋しくなったか!?」
応接室の扉を勢いよく開けて入ってきたのは、ヴァレリオだ。どうやら、外務大臣との謁見が終わったらしい。相変わらず声が大きく、言っていることも暑苦しい。
「今日は奥様と話をしに来ただけだから、鍛錬はしないよ」
「何だ、つまらんな」
世間話をする暇はない。ルーチェは「外務大臣からのいい話」の内容が、その結果が、気になって気になって仕方がないのだ。
ヴァレリオは奥の椅子にどっかりと座る。
「ところで、ヴァレリオ、大臣とは」
「ヴァレリオ、心に決めた人とのことは」
「ハハハ、心配なさらなくとも大丈夫! 俺の気持ちを、大臣は十分に理解してくれたとも!」
同時に話を切り出したルーチェと夫人は、ヴァレリオの返答に顔を見合わせる。「心に決めた人」を諦めたにしては、明るすぎる。
「……まさか、ヴァレリオ」
「そうそう、母上! アルロットにガレッティ先生を呼ぶように頼んだが、構わないだろう?」
「どうしたの? お医者様を呼ぶだなんて、どこか具合が悪いの?」
「具合が悪いのは俺ではない。この猫だ」
ヴァレリオがその大きな腕の中で後生大事に抱えているものに、ようやくルーチェと夫人は気づく。ただの浴巾だと思っていたそれは、金色の毛並みが美しい、猫。
「アディ!」
「なんだ、ルッカの猫か? 邸の前で倒れていたぞ。飼い猫ならわかるように首輪でもつけておくんだな」
ヴァレリオは豪快な性格とは裏腹に、目を細めて優しくアディを撫でる。アディがゴロゴロと喉を鳴らしているのを聞いて、ルーチェはホッと安堵する。
「あら、この猫ちゃん、先程の……。ごめんなさいね。怪我をしたのはわたくしが蹴ってしまったせいだわ」
夫人は申し訳なさそうに、ヴァレリオの腕に抱かれているアディを見つめる。触りたいのか、手を出したり引っ込めたりしてうずうずしている。その姿が、何となく微笑ましい。
「アディ、帰ろう。リーナが心配しているよ」
「んんっ? この猫はアデリーナ様の猫か?」
「そうだよ。アウトゥリア侯爵家から逃げてきたのを、探していたんだ」
「ミレフォリア公爵家からではなくて?」
ルーチェは顛末を軽く二人に話す。トーニオの蛮行には、さすがの二人も顔色を変える。「けしからん」とヴァレリオは拳でテーブルを叩きつけ、夫人は「なんて愚かなことを」眉をひそめる。
「ルッカ。先に医者に診せてからでもいいか?」
「もちろん。水も準備してもらえると……アルロット、ありがとう」
浅めの皿に水を入れて、アルロットが持ってくる。ついでに磁器のスプーンも添えてくれるのはありがたいことだ。
「アルロット、ついでで申し訳ないのだけれど、アウトゥリア侯爵家にリーナ……アデリーナ王女殿下がいらっしゃると思うから、誰か使いをやって、私がここにいることを伝えてきてくれないかな」
「かしこまりました。手配いたします」
「ありがとう。助かるよ」
ヴァレリオの腕の中から出ようとしないアディを見下ろし、苦笑しながらルーチェは水の入ったスプーンを差し出してやる。ルーチェをちらりと見て、アディはペロペロと舌を出す。
「あら、よかった、飲んでいるわ」
夫人もホッとして微笑む。落ち着きなくウロウロしているのは、撫でたり抱き上げたりしたいからだろう。
「ずっと昔に似たような猫を見たことがあるなぁ。ひょっとして、あのときの猫か?」
「……もしかして、王宮内で?」
「あぁ、そうだ、王宮内だ。よくわかったな。悪童どもが棒を持って追いかけるのを咎め、助けた猫に似ているんだ。その夜、アデリーナ様と結婚の約束をしたからよく覚えている」
そのときに、アデリーナはヴァレリオに恋をしたのだろう。ルーチェが見たこともないくらいの穏やかな笑みを浮かべるヴァレリオ。アディは満足そうに抱かれたままだ。
その横で「王女殿下と結婚の約束をしたですって!?」と夫人が驚いて倒れそうになるのを、ルーチェは軽やかに支えるのであった。
ラルゴーゾラ侯爵家執事アルロットが、警備兵とともにやって来る。兵に伝言を伝え、出迎えてもらったのだ。馬車ではなく徒歩でやってきたのだから、もちろん兵に落ち度はない。
「アルロット、今日、ヴァレリオはいる? もう侯爵領に戻ってしまった?」
「いいえ、王都にはいらっしゃるのですが、今日は出かけておられます。奥様ならいらっしゃいますので、ご案内いたしましょうか」
「そう……お願いするよ」
「それでは案内いたします」
アルロットに案内されるままに、見慣れた侯爵家の邸内を歩く。窓の外から庭を見ても、アディの姿はない。もちろん、廊下にもいない。
「金色の猫を見かけなかった? こちらに向かったようなんだけれど」
「猫、ですか? 見かけておりませんね」
「そう。見つけたら保護しておいてほしいんだ。私の大切な猫だから」
「かしこまりました。他の者たちにも申し伝えておきます」
いつもの応接室で待っていると、すぐに侯爵夫人が現れる。藍色のドレスを着たままだということは、つい先程帰宅したらしい。
「まあ! ルッカちゃん、今日も相変わらず格好いいわねぇ!」
「奥様もお元気そうで喜ばしい限りでございます。歌劇場にいらっしゃるところをお見かけしたものですから、ご挨拶をと思いまして」
「あら、ルッカちゃんも観劇に? 今日のコルヴォ様は凛々しくて、オルテンシア様は女神様のように美しかったわねぇ」
ヴァレリオの母とは幼い頃からの付き合いだ。幼少期からアリーチェに「ルーチェのことはルッカと呼んでちょうだい!」と言われているため、夫人は今もその癖がなかなか抜けないでいる。
「ルッカちゃん、改めてご婚約おめでとうございます。もう気楽にルッカちゃんなんて言えないのよね。ルーチェ妃と呼ばなければならないわね」
「堅苦しいのは好みません。いつも通り、ルッカでよろしいですよ。ところで、今日はヴァレリオは在宅していないのですね」
「そうなの。確か、王宮のほうへ行っているはずよ」
「王宮へ?」
夫人はとても嬉しそうに微笑んでいる。
「そう。先日、外務大臣からとてもいいお話があって。今日はその詳細を伺いに」
「いいお話……まさか、婚約の話ですか? ヴァレリオからは心に決めた人がいると聞いておりますが」
「あの子は侯爵家の長男ですもの。その想いが遂げられないことくらいは理解しておりますよ」
――なるほど。理由はこれか。
おそらく、アディは王宮内での散歩中にヴァレリオの婚約のことを聞いてしまったのだろう。国王に直談判しようにも、今は不在。国王が帰ってきたとしても、王妃が動物嫌いのため、猫の姿では朱の宮殿には入れない。夜になると国王はアディと入れ替わりで就寝してしまうため、願いはなかなか叶わないのだ。
だから、アディはラルゴーゾラ侯爵夫人のもとへと走ったのだ。そして、ヴァレリオに会いに来たのだ。
「奥様、猫はお好きですか?」
「猫? ええ、とても好きよ。あぁ、でも、今日劇場でかわいそうなことをしてしまったわ。猫ちゃんが足元にいることに気づかなくて、蹴ってしまったの。公爵家のヴィオラちゃんに託したけれど、あの子大丈夫だったかしら」
夫人は悲しそうにアディに思いを馳せる。
「ああいうとき、足元の見えないドレスはダメね。次からは服装を考えなければならないわね。そうだわ、ルッカちゃんのように男装してしまえばいいのかしら?」
「確かに、この格好は走りやすくて動きやすいですよ」
先程侯爵家で暴れたときも、ドレスならばあのようなことはできなかっただろう。男装をしていてよかったと、ルーチェは心底思ったものだ。
「乗馬用のものもあるけれど、わたくしも男物の服を仕立ててみようかしら」
「妃殿下も男装には興味がおありのご様子でしたよ」
「あら、王妃殿下も? そうよねぇ、王妃殿下はコルヴォ様を贔屓になさっているものねぇ。贔屓の役者と同じ服を着るなんて、素敵じゃない? 来年になれば流行りが変わっているかもしれないわね」
夫人は嬉しそうだ。こういう柔軟な考え方の女性たちが流行を作っているのだと、ルーチェは知っている。男装をしたがる女性が増えると、街の仕立て屋も大忙しになるだろう。
「おやおや! どうした、ルッカ! 鍛錬が恋しくなったか!?」
応接室の扉を勢いよく開けて入ってきたのは、ヴァレリオだ。どうやら、外務大臣との謁見が終わったらしい。相変わらず声が大きく、言っていることも暑苦しい。
「今日は奥様と話をしに来ただけだから、鍛錬はしないよ」
「何だ、つまらんな」
世間話をする暇はない。ルーチェは「外務大臣からのいい話」の内容が、その結果が、気になって気になって仕方がないのだ。
ヴァレリオは奥の椅子にどっかりと座る。
「ところで、ヴァレリオ、大臣とは」
「ヴァレリオ、心に決めた人とのことは」
「ハハハ、心配なさらなくとも大丈夫! 俺の気持ちを、大臣は十分に理解してくれたとも!」
同時に話を切り出したルーチェと夫人は、ヴァレリオの返答に顔を見合わせる。「心に決めた人」を諦めたにしては、明るすぎる。
「……まさか、ヴァレリオ」
「そうそう、母上! アルロットにガレッティ先生を呼ぶように頼んだが、構わないだろう?」
「どうしたの? お医者様を呼ぶだなんて、どこか具合が悪いの?」
「具合が悪いのは俺ではない。この猫だ」
ヴァレリオがその大きな腕の中で後生大事に抱えているものに、ようやくルーチェと夫人は気づく。ただの浴巾だと思っていたそれは、金色の毛並みが美しい、猫。
「アディ!」
「なんだ、ルッカの猫か? 邸の前で倒れていたぞ。飼い猫ならわかるように首輪でもつけておくんだな」
ヴァレリオは豪快な性格とは裏腹に、目を細めて優しくアディを撫でる。アディがゴロゴロと喉を鳴らしているのを聞いて、ルーチェはホッと安堵する。
「あら、この猫ちゃん、先程の……。ごめんなさいね。怪我をしたのはわたくしが蹴ってしまったせいだわ」
夫人は申し訳なさそうに、ヴァレリオの腕に抱かれているアディを見つめる。触りたいのか、手を出したり引っ込めたりしてうずうずしている。その姿が、何となく微笑ましい。
「アディ、帰ろう。リーナが心配しているよ」
「んんっ? この猫はアデリーナ様の猫か?」
「そうだよ。アウトゥリア侯爵家から逃げてきたのを、探していたんだ」
「ミレフォリア公爵家からではなくて?」
ルーチェは顛末を軽く二人に話す。トーニオの蛮行には、さすがの二人も顔色を変える。「けしからん」とヴァレリオは拳でテーブルを叩きつけ、夫人は「なんて愚かなことを」眉をひそめる。
「ルッカ。先に医者に診せてからでもいいか?」
「もちろん。水も準備してもらえると……アルロット、ありがとう」
浅めの皿に水を入れて、アルロットが持ってくる。ついでに磁器のスプーンも添えてくれるのはありがたいことだ。
「アルロット、ついでで申し訳ないのだけれど、アウトゥリア侯爵家にリーナ……アデリーナ王女殿下がいらっしゃると思うから、誰か使いをやって、私がここにいることを伝えてきてくれないかな」
「かしこまりました。手配いたします」
「ありがとう。助かるよ」
ヴァレリオの腕の中から出ようとしないアディを見下ろし、苦笑しながらルーチェは水の入ったスプーンを差し出してやる。ルーチェをちらりと見て、アディはペロペロと舌を出す。
「あら、よかった、飲んでいるわ」
夫人もホッとして微笑む。落ち着きなくウロウロしているのは、撫でたり抱き上げたりしたいからだろう。
「ずっと昔に似たような猫を見たことがあるなぁ。ひょっとして、あのときの猫か?」
「……もしかして、王宮内で?」
「あぁ、そうだ、王宮内だ。よくわかったな。悪童どもが棒を持って追いかけるのを咎め、助けた猫に似ているんだ。その夜、アデリーナ様と結婚の約束をしたからよく覚えている」
そのときに、アデリーナはヴァレリオに恋をしたのだろう。ルーチェが見たこともないくらいの穏やかな笑みを浮かべるヴァレリオ。アディは満足そうに抱かれたままだ。
その横で「王女殿下と結婚の約束をしたですって!?」と夫人が驚いて倒れそうになるのを、ルーチェは軽やかに支えるのであった。
0
感想募集中。更新中は励みになりますし、完結後は次回作への糧になります。
お気に入りに追加
688
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。


【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる